教えて朽木先輩! 単位が足りないのに朝起きられない……どうすればいい?
友だち、単位、恋愛、バイト、サークル、進路など、なにかと悩みがつきない大学生。そこで、なんと7年間も大学生をした経験があるライターの朽木誠一郎さんが、悩める大学生の相談にのってくれます。
今回は「単位が足りないのにどうしても1限に間に会う時間に起きられません。どうすればいいでしょうか。」という、大学3年生男子のお悩みに回答します。
こんにちは、朽木先輩です。27歳まで大学生をしていた結果、社会人1年目で高校の同級生と年収にして1000万円の差が付きました。
そうそう、1限って起きられないですよね。なんか、大学から単位が足りない人間にしか聞こえないモスキート音みたいなものが発信されていて、ダメなヤツほどキャンパスに寄せ付けないようにしているんじゃないかと思うくらい起きられないです。僕もそんなときは家に引きこもってゲームをしていました。当時はDSでドラクエのリメイクをやり込んでいましたが、今はなにが流行っているのでしょうか。スプラトゥーン? ねえねえ、スプラトゥーンっておもしろいの?
で、その結果なにが起きたかと言うと、留年しました。それはもう、スコーンと学年が落ちました。それまでも僕は単位がヤバかったんですが、なんだかんだ進級できたんです。追加でレポート提出したり、教授に泣き付いたり、ありとあらゆる手法で留年の危機を乗り切ってきた僕は当時、仲間内から「不死鳥(フェニックス)」と呼ばれていました。そんな僕がむしろいつもよりはヤバくないとすら思っていたタイミングで、まさかの留年。
その結果どうなったかというと、入学当初から付き合って彼女にフラれ、友だちは先に卒業することになり、塾講師のバイトは塾長にめちゃくちゃ怒られてクビになり、実家が地震で半壊……。社会的に一度死にました。そのときに気が付いたんですが、「いつも単位がギリギリ」ってゲームのやりこみプレイの低レベルクリアとおんなじなんですよね。成長のためのアイテムとか経験値とかを一切入手せずにラスボスに挑戦して全ストーリークリアを目指すというあれです。
まっとうなプレーヤーはしっかりアイテムを取って経験値を積んで、そうやって成長しながらラストダンジョンに到達してラスボスを倒すわけですよね。それを、ダンジョンを歩き回らず敵も倒さず逃げ回り、ラスボス戦は裏ワザとかチートで倒してなんとかハッピーエンドっていうのは、単位が足りない学生とすごく似ていると思いませんか。追加レポートとか教授面談とかでゲームをクリアできたとして、人生ってそこでエンディングではありません。むしろそこからが本編みたいなものです。
それに何と言っても低レベルクリアはよくキャラが死にます。その頃には敵も、周囲のプレーヤーもすっかり強くなっているのに自分が弱いままなので当然です。現実世界にはリセットボタンがないとはよく言ったものですが、取り付く島もなく留年の通知をくれる学務の職員さんがいます。社会的に一度死んだまま強制的にコンティニューされ、ゾンビとして残りの大学生活を送ることになるでしょう。留年って大変だぞ?! 同級生からさん付けで呼ばれるんだぞ?!?!?!
低レベルクリアがやり込みプレイの一種として認知されているように、「いつも単位がギリギリ」に中毒性があるのも事実です。試験前の勉強してないアピールとかもそういうことですよね。でも、最初から低レベルクリアでゲームの本来の魅力がわかるでしょうか。あと「起きられない」ってさも誰かのせいみたいに言うけど前の日に飲み会したりボーッとしたりで夜寝るのが遅いのが理由なら本当に留年ナメんなよまじ後悔すっぞ!!!!!
■朽木先輩のひと言
つべこべ言わず、スマホのアラームを10個くらいかけなさい。
朽木誠一郎
二浪して6年制の大学に入学、途中で留年し、28歳で新卒になったライター。高校卒業から社会進出までが9年と、豊富な学生経験を持つ。