2021年04月19日 更新

引越しに役立つ! ダンボール入手方法&荷造りのコツ。荷物を安全に運ぶにはどうしたらいいの?

引越しの荷詰めではダンボールは必須のアイテム。購入する方法はもちろん、無料でもらう方法もあります。また引越し後の片付けを楽にするためにはダンボールを物品のサイズに応じて上手に使い分けるのもポイントですし、荷物を安全に運ぶために梱包時のダンボールの閉じ方にもコツがあります。本記事ではダンボールの入手方法から詰め方のコツまで、丁寧に紹介していきます。

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引越しするとなると、必要なのが荷造りです。中には荷造りから積み下ろしまで、すべて業者に依頼するという方がいるかもしれません。しかし、そうなれば費用が高くなります。費用を抑えるため、また大切なものを傷つけないためにも、できれば自分で納得のいく荷造りをしたいものです。

そんな荷造りに必要なアイテムがダンボール。ここでは荷造りに必要なダンボールについて、入手方法や詰め方のコツをご紹介します。

ダンボールの主な入手方法

ダンボールを入手するには、「自分で購入する」「無料でもらう」という2つの方法があります。それぞれの方法について、具体的に見ていきましょう。
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購入する

ダンボールを有料で買うメリットは、自分が必要なサイズのダンボールを用意できること。ネットを利用すれば自宅まで届けてもらえますので、特に手間もかかりませんよね。
有料で買う場合は通販や引越し会社、ホームセンターなどで購入すると良いでしょう。なお、引越しに業者を利用する場合、その引越し会社からダンボールはもらえることが少なくありません。その際は、追加で必要なときは有料で買うこととなります。
購入するうえでのデメリットは、やはり費用がかかることです。荷物が多い場合はたくさんのダンボールが必要になり、それだけの費用が嵩みます。

無料でもらう

ダンボールを無料でもらえれば、当然ながらお金がかかりません。しかしその反面、サイズが揃わなかったり、中古で汚れていたりという点はデメリットになるでしょう。また、宅配便や業者が届けてくれる場合は問題ありませんが、店舗に取りに行かなければならないこともあります。そうなれば、受け取り作業が面倒に感じてしまうかもしれませんね。

引っ越しを業者に依頼する場合、ダンボールを業者から無料提供してもらえることが少なくありません。しかしそれ以外にも、ドラッグストアや家電量販店で不要なダンボールを譲ってもらえることがあります。ドラッグストアや家電量販店のダンボールは丈夫で、大きさも適度なものが多いでしょう。とても重宝しますので、まずは店舗で訪ねてみてください。

引越しに使いやすいダンボールのサイズ

ダンボールは、10cmまたは20cm刻みで幅広いサイズが用意されています。しかし、全てが引越しに使われているわけではなく、100、120、140の3つのサイズがよく使われています。
サイズ ダンボールの大きさ 1つのダンボールに対する荷物量の目安 適した家財
100サイズ 「430mm×315mm×200mm」のような3辺の合計が100cm以内のもの 梱包するのが書籍であれば50~75冊程度、食器(お皿・マグカップ・グラスなど)なら10~20個程度 食器(お皿・マグカップ・グラスなど)、書籍・CDといった雑貨や小物
120サイズ 「500mm×355mm×275mm」のような3辺の合計が120cm以内のもの 靴であれば10足程度 鍋やフライパンといったキッチン用品や生活用品、100サイズのダンボールに収まらない雑貨や小物
140サイズ 「535mm×440mm×330mm」のような3辺の合計が140cm以内のもの 洋服であれば、25~30着程度 衣類やタオル類といった比較的軽量であるがかさばるもの
一人暮らしの引越しで必要なダンボールの個数の目安は10~15個です。引越しまでに手配を済ませておきましょう。

また、たくさん梱包できるからといって、何でも大きなダンボールに詰めれば良いというものではありません。小さく重いものは小さいダンボール、大きくかさばるものは大きいダンボールなど、梱包するものによって使い分けることが重要です。

ダンボールの閉じ方

ダンボールに荷物を持ち上げた時に底が抜けては意味がありませんよね。どのようにしてダンボールを閉じたりガムテープを貼ったりすればいいのでしょうか?
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強度を高めるなら十字貼りかキ貼り

ダンボールは折り目にそってシンプルに折りたたむのがベストです。中には、クロス組みといって、底のフタを上下にクロスする人もいますが、ダンボールに変なクセがついて強度が落ちてしまうので、注意が必要です。

折り目にそって折りたたんだ後は、十字貼りもしくはキ貼りという方法でガムテープを貼ります。十字貼りとは、つなぎ目にガムテープを貼り、重さが集中する真ん中にクロスするように貼る方法です。

さらに本などの重い物を入れる時は、カタカナの「キ」の形にクロスを増やすと底の強度を高めることができます。中には、ダンボールの両サイドを貼るH貼りをする人がいますが、あまり効果がないだけでなく、運ぶ時に滑って危ないのでやめておきましょう。

瓶や傘など閉じられないものは、閉じずに固定

瓶や傘、鉢などの縦に長いものはフタが閉まりませんよね。これらのものは、ダンボールのフタを閉じずに立てたままで周りをガムテープで一周とめると、安定性も強度も増します。しかし、スペースをとるので、なるべく数を減らすようにしましょう。

ダンボールを閉じるテープは何がいい?

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ダンボールのフタを閉じるテープには、クラフトテープと布テープ、養生テープの3つがよく使われます。ガムテープとして広く日本で使われているのはクラフトテープと布テープのこの2つで、クラフトテープは紙製、布テープは布製です。
養生テープは、ポリエステル製で引越し会社が荷物を運ぶ時に床や壁に貼り付けたマットを留める時に使うもので、はがしやすく跡が残りにくいという特徴があります。

上のフタを閉じる場合にはどのテープを使っても問題ありませんが、底を閉じる場合には粘着力が高くないと底が抜けてしまうので注意が必要です。

荷造りの進め方

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引越しが決まったら、まずは自分の荷物の量を把握して、どれくらいのダンボールが必要か見積もりましょう。引越し業者にお願いする場合は、業者からのダンボール提供があるか確認します。
必要なダンボールを入手したら、まずは使っていないものから梱包していくことが大切。よく使うものを先に梱包してしまうと、引っ越し前に必要となった際に困ります。

なお、荷造りは整理しながら行うことで、開梱時にも整理しやすくなります。また、梱包した際は必ず「何を入れたのか」が分かるよう、段ボールに記入することを忘れずに。

荷物の量によって、引越し料金やダンボールの購入費用が変わってきます。費用を抑えるため、引っ越しを機に不要なものは処分してしまいましょう。

物品別ダンボールの詰め方のコツ

ダンボールを入手したら、いよいよ梱包です。ダンボールにはいくつかのサイズがあります。できるだけ多くの荷物を梱包するためにも、また重くなり過ぎないようにするためにも、上手く使い分けるのがポイントです。

ダンボールを使い分けの基本は、「重いものは小さいダンボールに詰める」ということ。本など重いものを大きなダンボールに詰めてしまうと、持ち上げられなくなったり、ダンボールの底が抜けてしまったりする恐れがあります。ここで「衣類」「食器類」「小物類」の3点について、詰め方のコツを見ていきましょう。

衣類

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・ダンボールのサイズ
衣類は軽量ですが、枚数が多いとかさばります。一般的には140サイズ(535mm×440mm×330mm)といった大きめのダンボールに梱包します。
・梱包資材や緩衝材・詰め方について
ダンボールの大きさに合わせてたたむと1枚の厚さが薄くなるので、1箱にたくさんの衣類を入れることができます。衣類やタオルの間に割れやすい食器などを一緒に梱包すれば、緩衝材としての役割を果たす効果も期待できるでしょう。

スーツやコートなどハンガーにかけて収納する衣類は、ハンガーにかけて梱包できる「ハンガーボックス」という梱包資材があります。ハンガーにかけた状態で運搬できるので、たたみジワや型崩れ防止になります。引越し業者を利用するときは、事前に業者にお願いしてハンガーボックスを準備してもらうとよいでしょう。

食器類

・ダンボールのサイズ
食器類は小さくても重さがあります。100サイズ(430mm×315mm×200mm)などの小さめのダンボールに梱包しましょう。
・梱包資材や緩衝材・詰め方について
食器は割れやすいものが多く、大きさや形もさまざま。そのため、ダンボール内の隙間が生じやすいので、割れないような工夫が必要です。食器を新聞紙で包み、さらに食器の間や段ボールとの隙間に新聞紙などを入れて隙間を埋めてきましょう。緩衝材やウレタンシート、衣類などはクッション性が高いのでこれらを使用するのもおすすめです。

また、なるべく食器の大きさをそろえて梱包することで衝撃が抑えられるでしょう。ダンボールには、分かりやすくペンで「われもの」などと記入しておけば、運搬時に「われもの」と分かり、注意して運んでもらえます。

小物類

・ダンボールのサイズ
食器類と同様、小さくても重さがある場合があります。100サイズ(430mm×315mm×200mm)・120サイズ(500mm×355mm×275mm)などの小さめのダンボールに梱包しましょう。
・梱包資材や緩衝材・詰め方について
文具や化粧小物、洗面・風呂場の小物などは、ダンボールにすべて一緒に梱包することも多くみられます。そうすると、開梱後の整理が面倒なことになりますので、できるだけ近くで使うものをまとめたり、ダンボールに「どこにあったものが入っているのか」を記入したりしておくと、引越し後の整理が楽になります。小物は量が多くなると重くなるため、引っ越し前に不要なものを処分するようにしましょう。

また、CDやDVDなどの小物は立てた状態で詰めるのがポイントです。横にすると、衝撃でケースが割れる可能性があるので注意が必要です。本は隙間なく梱包し、最終的にできた隙間に衣類などを入れるとよいでしょう。

寝具類

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・ダンボールのサイズ
寝具類はかさばるため、140サイズ(535mm×440mm×330mm)などの大きいサイズのダンボールに梱包しましょう。
・梱包資材や緩衝材・詰め方について
寝具類をそのまま入れると、空気を含んでダンボール内で膨らみ、無駄にスペースを使ってしまいます。そこで、圧縮袋を使えば、コンパクトにまとまり梱包しやすくなります。

圧縮袋を使ってもダンボール内に収まらない場合は、「布団袋」を利用すると便利です。引越し業者の中には、事前にお願いすれば布団袋を用意してくれる業者もあるので確認してみましょう。

荷造りでダンボールに詰めなくてもいいもの

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引越しの時は、できる限りダンボールに詰めた方がいいと思っている人も多いかもしれませんが、中にはダンボールに詰めなくていい物もあります。
たとえば、ハンガーラックや衣装ケースなどの背が高い物、テレビや冷蔵庫、暖房機器などの大型家電は、ダンボールに収まらないため、そのまま運ぶのが一般的です。

しかし、扇風機などの一部の荷物は、揺れによってトラック内で転倒した時に壊れてしまう可能性があるので、ダンボールに入れてフタを開けた状態にしておくこともあります。

「ダンボールに入れるのはこのくらいかな」と思っていても、引越し当日になって業者から詰めていなかった物も詰めるように指示される場合があります。そのような場合に備えて、箱は少し余裕を持って準備しておいた方が良いと言えるでしょう。

まとめ

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荷造りは一気にできるものではありません。余裕を持ち、計画的に取り組んでいきたいですね。
引越しが決まったら、荷造りは早めに始めてください。時間に余裕があれば、上手く整理できる心のゆとりが持てますよ。

監修:矢野翔一
暮らしやお金のアドバイザー
宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)。関西学院大学法学部法律学科卒。数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を手掛ける。引越しや住宅ローンといった暮らしやお金の様々な悩みに対してアドバイスを行う。
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