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一人暮らしの平均的な月々の光熱・水道費
節約術を紹介する前に知っておきたいのが、一人暮らし世帯の平均的な月々の光熱・水道費。自宅の毎月の支払い額が高いのか、安いのか、まずは明細を手に取ってみましょう。
一人暮らしの光熱・水道費の月額平均(34歳以下)
項目 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
電気代 | 3,172円 | 3,122円 | 3,250円 |
ガス代 | 2,384円 | 1,967円 | 3,024円 |
水道代 | 1,363円 | 1,185円 | 1,635円 |
合計 | 6,919円 | 6,274円 | 7,909円 |
「家計調査結果」(総務省統計局)を加工して作成
これは、一人暮らし世帯の月々の光熱・水道費の平均額(対象は34歳以下)を示したものです。学生と社会人では収入に差があり、住む家の広さも異なるため、学生の一人暮らしの場合は、これよりも若干安くなると考えましょう。今回触れるガス代と水道代には男女差がありますが、おそらくこれは入浴や料理に費やす時間や頻度などによって生じているものだと思われます。また、住む地域の気候(暑いのか、寒いのか)によって左右される部分もあります。まずはこのデータと自宅のガス代&水道代(基本的に明細には2カ月分が記載)を見比べてみてください。
給湯を減らせばガス代も水道代も抑えられる
ガス代と水道代の内訳の多くを占めるのが、給湯(お湯を沸かすこと)です。つまり、ガス給湯器を使用している場合は、お湯の使用量を抑えられれば、その分ガス代と水道代を節約することにつながります。ここからは、おもにお湯を使うお風呂とキッチンで簡単にできる節約術を紹介します。
お風呂ではシャワーが節約のポイントに
給湯が最も多いシーンは入浴時。なかでもシャワーは想像以上にガスも水も消費しています。
約16分のシャワー使用=浴槽(200ℓ)1杯分の水量
これがおおよその目安です。お湯ならさらにガス代もかかるので、こう考えるとシャワーの使用量が節約のポイントになることが実感できるのではないでしょうか?
シャワーヘッドを交換して簡単に節水
シャワーの使用量を抑えるには、節水型のシャワーヘッドへの交換が最も手軽で効果的です。
シャワーの使用時間を1日1分短くすれば、ガス代と水道代の合計で年間約3,000円の節約ができます。シャワーヘッドが取り替えられない場合は日々、使用量を少なくすることを意識してください。
洗い物は温度設定を低めに。洗い桶の活用も◎
お風呂の次にお湯を使うシーンがキッチンで洗い物をするとき。温度設定を低めに抑えて洗い物をすることが節約の基本になります。冬場に冷水は耐えられないという方は、ゴム手袋などの使用でカバー。また、水の出しっ放しを避けるために、洗い桶に水をためて洗うことも効果的です。
お湯を使わないときは給湯パネルは切っておく
キッチンや洗面台の水栓は、お湯を使うとき以外は給湯パネルのスイッチを切っておきましょう。というのも、不用意にお湯を出してしまうことを防ぐと同時に、待機電力も抑えることにつながるので電気代の節約にもなります。
給湯以外でガス代と水道代を抑える心がけ
もちろん、給湯を減らすこと以外にも、ガス代と水道代を節約する方法はあります。
ガスコンロの火は「中火」
たとえば鍋でお湯を沸かすとき、早く沸かすためにガスコンロで強火を使っていませんか? 鍋などを火にかける際、火が強すぎて炎が鍋の横にはみ出てしまうと、加熱ロスが生じてしまいます。それを避けるためには「中火」にしましょう。沸騰までの時間とガスの使用量を総合的に判断しても、中火が安上がりでおすすめです。
ガス代を節約するには、煮物>蒸し物>炒め物
自炊をする場合は、その調理法でも節約につなげられます。火にかける時間が短ければ、それだけガスの使用は抑えられるので、「煮物」「蒸し物」「炒め物」の順でガス代がかかります。ただ、節約のために毎日炒め物というわけにもいきません。ですので煮物や蒸し物料理を作る際には、先ほど伝えた通り、加熱ロスの少ない火力の使い方がポイント。煮込む際には中火などで温めたあとの余熱も上手く活用するといいでしょう。自炊頻度の高い方なら圧力鍋を買うという選択も。安くはありませんが、長い目で見れば購入費のもとも取れると思います。
お風呂の残り湯を有効活用
実家でやっていたという方もいるかもしれませんが、お風呂の残り湯を洗濯や掃除などに活用することも水道代の節約につながります。ただ、残り湯には雑菌も少なくないので、洗濯で使用する場合は「洗い」のみにして、「すすぎ」には必ず水を使いましょう。
まとめ
ガス代と水道代は、明細が異なるので切り分けて考えがちですが、共通で関係するのが給湯です(厳密には電気代も)。「お湯は光熱・水道費のもと」を念頭に置いていれば、ムダ遣いへの意識も高まります。給湯以外の節約術とあわせて、まずはできることにトライしてみてください。
監修:和田由貴
消費生活アドバイザー
暮らしや家事の専門家としてテレビ・雑誌・新聞などのメディアで活動。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットー。消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格)/家庭の省エネエキスパート(診断・指導級)など多数の資格を保有。