2019年05月14日 更新

自分でできる防音対策を紹介。 一人暮らしの部屋で快適に過ごすための一工夫

隣や窓の外から聞こえてくる音が気になったり、逆に自分の音が近隣に迷惑をかけていないか心配な人のために、自分の部屋でできる防音対策方法を紹介します。夜静かじゃないと眠れなかったり、他人の生活音が思いのほか気になるというのは、一人暮らしを始めると気になりだす人が多いでしょう。周りの人も同じように思っているかもしれません。簡単な防音対策で、お互いに気にせず生活できる空間にしましょう。

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一人暮らしをする上での防音対策の重要性

時間によっては些細な生活音でも響きやすい

賃貸の集合住宅には、生活習慣の異なる様々な人達が住んでいます。同じ生活音でも人によって感じ方は違い、場合によっては自分が出す生活音がもとでトラブルに発展することもあります。

特に、周囲が静かになる夜に出る音は響きやすく、遅い時間のシャワーの音やテレビの音、洗濯機の音などは苦情の対象になります。
初めての一人暮らしでは、自分が出す生活音に今まで以上に気を遣うことが大切です。

楽器の演奏をしている人は注意

楽器可の部屋を選んでも、近隣への音漏れには十分に気を遣う必要があります。
楽器には高音が響いたり重低音で振動が発生したりするなどさまざまなものがありますが、これらの音は接している部屋だけに響くわけではありません。防音性の高い鉄筋コンクリート造でも、音や振動は柱や梁を介して、意外な場所へ伝わることがあります。

ピアノは低音があまり響かず、演奏が許可されている物件が多く、ドラムや金管楽器は振動や響きが大きいため、禁止されていることが多いです。まずは、演奏予定の楽器が許可されているかちゃんと確認して契約することが大事です。

楽器可の物件でも安全とは限らない

賃貸物件の情報欄を読むと「防音設備」と記載のある賃貸があります。こうした部屋にはきちんとした防音設備がありますが、家賃は高くなってしまします。
しかし、「楽器可」「楽器相談可」の賃貸では、防音設備が整っていないところも多いです。普通の物件ですが、常識の範囲内であれば演奏をすることが許可されています。そのため、演奏する時間帯に制限を設けていることもあります。

楽器可の物件だからといって安心して音を出せるわけではないので注意しましょう。
また、楽器が許可されている場合でも、演奏する場合は人に迷惑をかけないため、また自分も楽しく演奏するため、しっかり防音対策を行いましょう。

エリアごとの防音対策のポイント

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壁の防音対策のポイント

壁の中でも、隣の部屋と接している壁は特に注意が必要です。
賃貸の物件によっては隣と接している壁面が収納になっていたり、キッチンやお風呂場のような水回りどうしが接していたり、部屋の生活音ができるだけ隣に聞こえないよう配慮された物件もあります。

このような間取りでない場合は壁一面に本棚や家具を置くなど工夫をして、できるだけ音が漏れないようにするのがポイントです。

床の防音対策のポイント

床の騒音には、歩いたり走ったりする音や物を落とす音、イスを引きずる音などがあります。このような音は主に下の階に響くイメージがありますが、実は隣の部屋にも伝わります。

物件によっては床が吸音性のあるクッションフロア仕様のところもありますが、一人暮らしのワンルームではフローリング仕様が増えています。
フローリングは人気の床材ですが、表面が硬く非常に音が響きやすいため、部分的にラグマットといった柔らかいものを敷くなど防音対策が必要です。


窓の防音対策のポイント

賃貸物件の多くは窓の防音対策が施されていませんが、騒音は壁や床以外に窓からも伝わります。
窓の防音対策のポイントは、できるだけ隙間を塞ぎカーテンで厚みを出すことです。窓のサッシ周辺に隙間がある場合は、まずはテープなどで隙間を塞いでから遮音カーテンで対策します。

窓や部屋のドアを全て締め切り換気扇を付けてみるて風が入る隙間を見つけ、その部分を重点的に塞ぎましょう。




ドアの防音対策のポイント

ドアの開閉で出る騒音には開閉音や蝶番の不具合がありますが、中でも苦情の対象になりやすいのがドアを閉めた時の「バタン」という大きな音です。
これは実家から出て一人暮らしが初めての場合は特に注意しなければならない音です。

部屋の中には、玄関、リビング、トイレ、お風呂場など複数のドアがありますが、開閉してみて大きな音が出るドアには自分で防音対策をしておきましょう。ホームセンターなどにあるドア用の消音テープが有効です。


簡単にできるお部屋の防音対策

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壁に吸音シートを貼る

壁の防音対策には吸音シートが便利です。壁に直接貼ることもできるシート状の吸音材で、主に自分が出す音を吸収し近隣へ聞こえにくくしてくれる役割があります。
しっかり防音したい時は厚みのあるタイプを壁一面に貼りますが、部分的に貼っても音の響きを軽減してくれます。
軽い素材の吸音シートなら賃貸の部屋の壁に粘着シートで貼り付けられますが、壁に汚れが残るかもしれません。それが気になる方は、壁に立てかけておくだけでも良いでしょう。


窓に吸音カーテンをかけておく

部屋の窓にはレースと厚手のカーテンを二重にかけるのが主流ですが、最近ではブラインドだけという人も多くなっています。
ですが、防音対策をするなら、厚みがあり丈が長いカーテンがおすすめです。カーテンの布が音を吸収してくれます。

吸音性にすぐれた吸音カーテンも販売されています。吸音カーテンで窓全体を内側からしっかり覆ってしまえば、自分の声や生活音が外へ漏れにくくなります。

床に防音マットを敷く

フローリングの床にはラグマットもおすすめですが、しっかり対策したい時は専用の防音マットが効果的です。
防音マットは厚みが5ミリから10ミリ程度のタイプが多く、歩く音や振動を吸収してくれます。
振動が発生しやすい楽器を演奏する場合にも有効で、床からの振動が軽減され近隣の部屋にも配慮ができます。

マットは床全体に敷けばより防音性が高まりますが、楽器の下や音が出やすい場所だけでも大丈夫です。部屋の中で長い時間を過ごすリビングにラグマット代わりに敷いても良いでしょう。

壁に段ボールを貼るのも有効

引越しの際に大量に出る段ボール箱を、解体して壁に貼って防音に役立てる方法もあります。段ボールには厚紙と厚紙の間に空気の層があり、この層が吸音の役割をします。1枚だけの状態より数枚重ねて壁に貼れば、DIYでできる簡易な吸音シートとして使えます。

ただし、段ボールは紙でできているため湿気とカビに注意が必要です。常に部屋に湿気がこもった状態だと段ボールの裏の壁にカビが発生してしまう可能性があるため、部屋の換気はこまめにするよう気を付けましょう。

音の出る機器は壁から離す

テレビやスピーカーなど音が出る機器は、できるだけ壁から離して設置すると防音対策になります。
音の出る機器は思い切って部屋の中心あたりに設置すると、ボリュームが小さくても聞こえやすくなるケースがあるので、インテリアの配置を見直してみると良いでしょう。

ただし、コンセントの位置によりどうしても壁寄りに置かなければならないケースもあります。そんな時は、テレビの裏やスピーカーの裏と下など、ポイントを押さえて対策すれば効果的に防音できます。

まとめ

集合住宅では騒音への苦情がとても多く、これが原因で大きなトラブルに発展することもあります。
普段から近隣へ迷惑を掛けないよう意識することはもちろん、遊びに来る大学の友達にもそのことを理解してもらうことも大切です。
監修:zuna
建築コンサルティングを生業とする一級建築士。
ゼネコンでマンション等の現場管理をした後、某県庁の建築職として確認申請をはじめ建築系の書類審査や現場検査、開発工事の許認可、公共建築の設計・工事の監督員をしてきた。一級建築士であり、建築基準適合判定資格を所持している。
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