2019年11月22日 更新

ヴィンテージチェアを好みのファブリックで自分仕様に! 専門店に聞く、家具の楽しみ方・椅子編

丁寧に作られた家具は定期的に手入れすることで、長く使い続けることができます。今回は一人暮らしにも欠かせない椅子を取り上げ、メンテナンス方法を紹介。木部フレームの仕上げに合わせた手入れ方法や布地の張り替えサービスなど、この先いつか出会うかもしれないヴィンテージチェアのために知っておきましょう。

初めての一人暮らしに少し心細くなったら、実家や祖父母の家で眠っている椅子を一脚譲り受けてはいかが? 大物家具より場所をとらず、かつ実用的。見慣れたものが一つあると、いっそう安らぐ空間になりそうです。北欧と日本の家具専門店「暮らしのかたち」のスタッフ、瀬戸 貴子さんが木製椅子との付き合い方について教えてくれました。

北欧と日本の家具の共通点は、木製で、修理しながら使い続けること

写真提供/暮らしのかたち

「日本と北欧の家具に共通しているのは、豊かな自然環境から恩恵を受けた木材を使用していること、そして、メンテナンスしながら大切に使い続けるという家具に対する姿勢。だから二つの国の家具に親和性を感じるのだと思います」と、スタッフの瀬戸貴子さん。続けて、「日本はもちろん、北欧も昔から家具職人の育成に力を注いでいるため家具職人の技術は非常に高いんです。当店には50~60年前のヴィンテージ家具の取扱いもありますが、リペア後は状態も良く古さを感じさせません」と、日本と北欧の家具に見られる共通点としてものづくりの技術の高さについて教えてくれました。

同店は、JR新宿駅西口から徒歩12分のところにある、北欧と日本の家具のショールーム。店内をいくつかのリビングやダイニングのイメージに分け、日本と北欧の家具を混在させたインテリアコーディネートを提案。丁寧に作られた新旧の家具が国境を越えて一つの空間のなかで交わり、住まいの豊かさを伝えます。家具の販売のほか、さまざまなメンテナンスのサービスも充実している同店に、木製椅子との付き合い方について聞きました。
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木の経年変化が楽しめる、オイル仕上げとソープ仕上げ

写真提供/暮らしのかたち

丁寧に作られた家具を永く使い続けるために、スタッフによる家具のメンテナンス講座を不定期に開催している同店。「きちんとリペアされた椅子はこの先も長く使い続けることができます。経年による使用感や細かなキズは風合いとして楽しんでいただけたら」と瀬戸さん。

北欧の椅子の多くは「ソープ仕上げ」と「オイル仕上げ」が一般的。「ソープ仕上げ」は通称Yチェアで知られる「CH24」や「J39」などの名作椅子でも目にする方法です。また、「オイル仕上げ」は日本の家具にもよく使われているそうです。

「ソープ仕上げは、石鹸の泡で木部を包み込んでやさしく汚れを落とす役割のほか、木肌にコーティングを施す役割もあります。また、オイル仕上げは、木肌にオイルを含ませたあと余分なオイルをふき取りながら磨くことで、木材の潤いを補っていきます。どちらも木本来の質感を生かした家具のメンテナンス方法。定期的な手入れ次第で風合いが増し、長持ちする家具に育っていきます。自宅でのお手入れは難しいというお客様からの声をよく耳にしますが、どちらも簡単にできますよ」

メンテナンスに初挑戦する前に、同店で不定期に行われる実演で基本を学びましょう。お手入れに関する相談にも乗ってくれるので、検討したい人は写真持参でお店に出かけてみて。

布張りなら好みのファブリックに張り替えるという選択肢も

椅子の座面は使用していくと、へたったり、すれたりしてきますが、「椅子の張り地やペーパーコードが傷んだ場合も、買い替えではなく、張り替えという選択肢があることも積極的にお伝えしています。張り地を変えるだけでもまるで別の家具のように生まれ変わるので大変喜ばれています。長く暮らしになじむものを提案したいと思っていますので、大事に使い続けていただけると嬉しいですね」と瀬戸さん。

同店で購入した椅子はもちろん、他店で購入した椅子の張り替えにも対応。
「北欧の人たちには、家具を繕いながら永く使い続けるという文化が根づいているので、家具もメンテナンス可能な構造のものが多くみられます」。

貼り替え用の布地は20種類以上を常時用意。なかでも、フィンランドを代表するテキスタイルデザイナー・ヨハンナ グリクセンのものや、デンマークのテキスタイルブランド・クワドラ(KVADRAT)のサンプルも取り揃えています。
フィンランドを代表するテキスタイルデザイナー・ヨハンナ グリクセンによる、幾何学模様のファブリック“Doris”を張った『中座イス』113,300円(税込)。
こちらは、デンマークのヨハネス・アンダーセン工房で作られた『ジュリアナチェア』のファブリックを張り直したもの。143,000円(税込)。価格は張り替え加工代込み。「おそらく1960年代頃のもので、チークの無垢材を組んだ柔らかい曲線が印象的な一脚です。デンマークで買い付けた際は、クラシックな布地が張られていましたが、ヨハンナ・グリクセンのファブリック「Hellios」で張り直したことでグッとモダンになりました。選ぶファブリックによってまったくイメージが変わりますね」

まとめ

幼いころから祖母の家に行くたびに決まって座っていた、木製の椅子。学生時代にアルバイト代をはたいて買った、おんぼろのハイバックチェア。不思議なもので椅子は、ほかのどんな家具よりも思い出が宿るような気がします。もし大切に使い続けたい椅子候補がある方は、ぜひお店に足を運んでみて。
【取材協力】暮らしのかたち

写真提供/暮らしのかたち

東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー内
リビングデザインセンターOZONE 5F
電話03-5322-6565
10:30〜19:00営業、水曜定休(祝日除く)、夏期・年末年始も休み
https://www.ozone.co.jp/kurashinokatachi/

JR線「新宿」駅南口から徒歩約12分、京王新線「初台」駅から徒歩約6分
※新宿パークタワー利用者専用の無料シャトルバスが新宿西口「エルタワー」1F三菱UFJ銀行前から約10~15分間隔で運行

<イベント情報>
贅沢な時間の過ごし方 ~北欧の逸品 KASTHALL × FINN JUHL~
www.ozone.co.jp/kurashinokatachi/2019/10/Kasthall-FinnJuhl.html

小鍋のすすめ ~土楽・福森道歩さんがつくる温かな土鍋~
www.ozone.co.jp/kurashinokatachi/2019/10/doraku.html

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