【ラーメン=不健康はもう古い】医師が教える“太らない食べ方”と最強トッピング
「太る」「塩分過多」「不健康」といったイメージが強いラーメン。大好きなのに、罪悪感を抱きながら食べているという人も多いかもしれません。しかし、医学的見地からは、実は「健康食」であるという見方も。
そこで今回は、石原内科クリニック院長であり、イシハラクリニック副院長として診療のかたわら、メディアや講演、執筆など幅広く活動している、石原新菜医師に「健康的なラーメンの楽しみ方」についてお話を伺いました。
「ラーメン=太る・不健康」イメージはなぜ広がったのか
――ラーメンに対して、一般的に「不健康」「太る」といったイメージが広がっています。その背景について、医師の視点からはどのようにお考えでしょうか?
カロリーは高いですよね。昔ながらの中華屋さんの醤油ベースとかのさっぱりしたラーメンならそこまでではありませんが、今はチャーシューいっぱいの豚骨とか次郎系とか、お皿が真っ白になるぐらいに脂でギトギトしたラーメンとかが流行っていることも、そうしたイメージにつながっているかもしれないですね。
確かに脂いっぱいだともちろんカロリーも高くなるし、スープを飲み干してしまうと塩分も高くなります。だから、カフェの生クリームがたっぷりのフラペチーノとかと同じですよね。
――でも、そういうラーメンってやっぱり美味しいし、病みつきになってしまいますよね。なぜなんでしょう?
甘じょっぱいとか、脂と塩の組み合わせって、美味しいと思うんですよね。脳の中で報酬系のホルモンが出るからまた欲しくなって止められなくなってしまう。
――ラーメンが太るっていうイメージがあるのは、麺が炭水化物で=糖質というのもあるのでしょうか?
そうですね。具材が入ってない麺とスープだけのラーメンだと血糖値が爆上がりしてしまって太りやすくなります。だから食べる順番を気を付けたほうがいいですね。でも、医師の立場からは、むしろ皆さん栄養が足りないですよっていうのを知ってほしいです。
ラーメンは、麺とチャーシューだけとかだと偏ってしまいますが、具材がいろいろ入ってるものだったらむしろ定食と同じようなバランスの良さで、脂質と糖質だけみたいな食事になってしまうラテと菓子パンより、ずっと良いです。
生姜・ニンニクはマシマシでOK?代謝を上げる薬味の力
――おススメのラーメン具材を、栄養素的なメリットともに教えてください。
海苔をちょっと足すと結構良かったりします。美味しいですし、食物繊維もしっかり取れますし、ベータカロテンも豊富でビタミンも取れます。海のものだからミネラルも取れます。海苔を舐めちゃいけない(笑)。コンビニのおにぎりを買うときも海苔付きを選んだほうが絶対にいいですよ。
チャーシューも豚肉なのでビタミンB1が豊富。糖質をエネルギーに変えてくれる栄養素
なのでものすごくいい。脂質は取らなさすぎるのも良くないんです。
卵もいいですね。アミノ酸スコア100だし、ビタミンDも取れます。かつて食べ過ぎはよくないと言われていた時代もありましたが、お肉のような脂質的に捉えられていたからで、
食べ過ぎがダメだということはありません。3個とか全然大丈夫です。卵焼きなんてそれだけでもう3つぐらい消費しますからね。
スープは豚骨でも魚介類の出汁でも何でもアミノ酸類がいっぱい取れてそれぞれいいと思います。ビタミン、ミネラルとかをわざわざ足さなくてもいい。
野菜はビタミンCが豊富です。ほうれん草とかもやしとか、メンマでもいい。油そばの玉ねぎもいいですよね。家系に限らず、バランスよく取れます。
あとは、ネギ、ニンニク、ショウガとかの薬味。これこそマシマシとか、自分でどんどん入れられるので、たっぷりと入れてください。
特にショウガは、血流促進や体温上昇、お通じ改善の効果があって寒い冬にもぴったりだし、熱いものに入れると「ショウガオール※」が増えるんですよ。ショウガオール は、脂肪を燃焼して代謝を上げてエネルギーに変えてくれるので、カロリーが気になると思ったら、相殺にはならないのですが、ショウガを多めに入れるといいです。
※ショウガオールは加熱することで生成される生姜の成分のひとつ。 体を内側から温める効果が高く代謝がUPするとされる。
家系ラーメン食べに行くと、生姜とニンニクって割とトッピングで置いてある気がします。タンメンにも結構生姜が入っていますね。瓶詰めのスパイスとかで売っているショウガパウダーを持ち歩いてパパっとかけるのも手軽でおススメです。
注文時に気をつけたいポイント「麺・背脂・スープ」の正解
――ラーメンを健康的に楽しむための注文時のポイントや、食べ方の工夫はありますか?
麺は適量で、足さずに食べる。あとはちょっと「麺固め」にする。 噛むことで唾液も出るし、満腹中枢も刺激されてお腹いっぱいと思えます。店の前が行列でゆっくり食べられない雰囲気でも、飲み込まずよく噛んでほしいですね。あとは具材を先に食べること。血糖値が急激に上がらないよう、最初に麺を食べないように!
それと背脂は増さず、スープはできるだけ薄めにして、飲み干さないこと。スープはエキスが含まれているから飲んだほうがいい。でも、飲み干すと一気にカロリーも上がるし、一杯で一日あたりの食塩摂取量の目標量を超える可能性もあり、塩分過多になるリスクが。結局量の問題です。
ラーメンって、汗も出て本当に体も温まりますよね。体を温めるって健康にとって大事なことです。今、冷え性の現代人がすごく増えています。1957年に東大の田坂定孝教授が約3,000人の日本人の体温を測ったら7割以上の人の平熱が36.9℃だったんです。
でも今は、男性も女性も子どもも日本人全体が1℃くらい下がって、35℃後半から36℃前半。36.5℃以上ある人は微熱だ!と気にするくらい。でも、平熱の範囲は36.5℃から37.2℃。
新型コロナウイルスの感染拡大当時に発熱外来の基準は37.5℃以上※でしたが、一応37.2℃までが平熱の範囲。※現在は具体的な数値基準はありません
体を温めるラーメンがブームになっている背景には、冷え性で悩む人が全体的に増えているからかもしれないですね。
昔から東洋医学では「冷えは万病のもと」と言われています。しかし現代医学では検査して何も問題なければ「問題ないよ」って言われてしまう。
冷えると生理痛がひどくなるとか、眠れないとか胃腸の調子が悪くなるとかいろんな不調が起こります。だから絶対に冷やしてはいけないというのが東洋医学の考え方です。だからこそ、ラーメンとかショウガオールなど温活が大事なんです。
――日本人の体温が下がっている背景はどうしてだと思われますか?
約70年前に比べて機械化で生活が便利になり、デスクワークも増えて体を動かさなくなったから。体温の4割を作っている筋肉を動かさなくなったのが一つ。
そして、食事の変化。昔は「ご飯と味噌汁と納豆」とかきちんと3食食べていたのが、今はゼリーとか菓子パンとかイージーに食べれるものになってしまっていて、実は本当に栄養素が足りない。それ以外にも、湯船に浸からない人が増えたり、ストレスで全体的に睡眠時間が短かったり……。
こうした要因全部が絡まって冷えにつながっている。バランスのいい食事と睡眠という当たり前のことなんだけど、それがみんな今できなくて。理想は筋肉の量を増やして自分で熱を作れる体になってほしい。でも毎日の基本である食事は大事だから、飲み物に入れたりしてショウガをぜひ活用してほしいです。
――朝からラーメンを食べても大丈夫ですか?
温まって代謝がよくなるし、普通の食事として大丈夫です。ただ散々飲んで食べて、締めのラーメンでとか、夜に食べちゃうと血糖値が爆上がりしたまま寝ることになってしまうので避けてください。夕食だったら早い時間に。普通の夕食として早めに食べる。または昼に食べるだったら全然いいと思います。
家ラーメンでも健康的に楽しむコツ
――ラーメン屋さんで食べるのではなく、自宅でラーメンを食べる際に気を付けたいことは?
例えばゆで卵とか海苔とか刻みネギを入れるとか、自分でちょい足しをしてください。麺だけより具だくさんのほうが断然いいです。冷凍カット野菜とかも組み合わせれば手軽ですよ。
麺は生麺がいい。カップラーメンは添加物が気になり、袋麺も多少マシ程度すが……ノンフライ麺がまだいいですね。フライ麺は「揚げ」の工程上油分が増えるいう意味でよくありません。とは言え、自宅でも食べ方を間違えなければ、体には悪くないし、むしろいいんです。
――ラーメンを罪悪感なく楽しむために、先生から伝えたいメッセージは?
本当に日本人全体的に少ないのがカルシウム、鉄分、タンパク質、野菜、食物繊維、あとビタミンDの濃度がすごく低い。菓子パンばかりでは、これらの栄養素は絶対取れないですよね。むしろラーメンのほうがお腹が満たされるし、栄養も取れるし断然いい。
1,000円ぐらいとかで“マシマシ”にできたり、そういう意味だとコンビニのおにぎりなんかよりも意外とコスパが高いのかもしれませんね。
結局は、量とか時間とか食べ方の問題。ラーメンを食べたいんだったら潔く楽しく食べてください。罪悪感に思うくらいなら食べない。我慢してそれがストレスになるのがよくない。
甘いものいっぱい食べちゃったけど、どうしよう? とか。もう食べていいじゃん。せっかく美味しいんだから、食べて美味しかったって楽しいイメージで終わってほしいんですよね。気になるんだったら次の日そのぶん走ればいいじゃんみたいな。
本当に量とかあまり遅い時間に食べないとかを気をつければいいと思います。
取材協力:石原新菜(いしはら・にいな)
石原内科クリニック院長(断食施設内)、イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ講師。温活、生姜、腹巻きなど“体を温める”健康法の第一人者としても知られる。





























