【大学生活での留学プランの立て方】いつ、どうやって留学を組み込めばいい?
留学について興味を持っているけれど、いつ・どんなプランに参加することが自分にとってベストなのか、把握することは簡単なことではありません。
そこで、さまざまな学生さんの留学支援を行ってきたプロフェッショナルから、大学生活と留学プランの計画の立て方を教えてもらいました。
▼INDEX
1.大学在学中に留学に行くベストタイミングは?
2.留学までに、どんな準備が必要?
3.留学プランが希望に合わない…そんなときに参考にしたい選択肢
4.留学を実現するために大切なのは「留学ストーリー」を描くこと!
大学在学中に留学に行くベストタイミングは?
長期留学の場合:最も人気なのは2年生の時期
長期留学の場合、協定を結んでいる大学との協定留学を選ぶ生徒が多く、約1年前から申請に向けた準備が必要となります。協定校や学生本人の学習進度にもよってスケジュールは異なりますが、1年次の秋頃に申請し、2年次に留学出発をするスケジュールが最もメジャーです。このスケジュールなら、1年間の留学プランを終えて3年次に帰国した後に、同じ学年の学生と同タイミングで就活を行うことができます。
本属校での一年次必修科目などを取得し終えてから留学先で自身の専門分野の知見を深めたい場合には、2年次に申請をし3年次から留学出発するのもいいでしょう。就活のタイミングを遅らせたくないならば、海外のキャリアフォーラムに参加し留学中に就活をすることも可能です。(※日本人向けのキャリアフォーラムを開催している国・地域を確認のこと)
学業・就活ともに余裕を持って取り組みたい場合は、卒業時期を半期または1年間延ばして留学する選択肢もあります。
短期留学の場合:最も人気なのは 1年生の夏・春休みの時期
語学学習がメインの短期留学では、1年生の夏または春休みの時期が最も人気が高い時期です。1年次に語学力を磨いておき、2・3年次の学習の可能性を広げるという考え方ができるからです。まずは英語スコアの制限がない語学留学に参加し実力をつけてから、中長期の留学に挑戦するという動きも可能になります。
次いで、就活が終わった4年生の夏休みや春休みなども人気のタイミングです。就職前に海外経験を積み、自身のキャリアに語学力を活かしたいと考え参加する人も多くいます。
留学までに、どんな準備が必要?
まずは必要な英語スコアをチェック
学校で指定のある協定校に留学する場合、一定の語学力が必要です。IELTS(International English Language Testing System英語熟練度を測る英語検定)や、TOEFLのスコアを提示しなければならない場合が多く、その基準点に到達しないと申請自体もできなくなるので、必要な英語スコアの基準を確認し、申請時期から逆算して学習を進めていきましょう。
留学先の国・地域について情報の集め方
留学を充実させるためには国・地域の選定も大切です。アメリカ、イギリスなどを希望する学生は多いですが、それ以外にも良質な英語プログラムを持つ学校がある国も多数あるので、まずは広い視野を持って情報を集めましょう。
例えば、社会福祉やソーシャルワークを専攻している方なら北欧エリアについて調べてみるのも良いでしょう。
国際協力や平和学について研究している方なら、「世界幸福度ランキング」を参考にしてみるのも良いでしょう。
大学の選定には「世界大学ランキング」を参考にするという方法もあります。
奨学金の情報収集を忘れずに
留学を支援する奨学金制度には大きく3つの種類があります。
1.学内奨学金
返済の必要がない給付型で、大学の自主財源を利用し留学を支援する制度です。留学申請時に併せてエントリーするものもありますが、留学が決定する前に申請のできる予約採用型もあります。申し込みの条件やスケジュールを大学に確認しましょう。
2. JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)の海外留学支援制度
JASSOとは文部科学省が所轄する学生支援機関で、留学生の支援事業も行っています。在籍大学を通して奨学金プログラムに申し込むことができます。奨学金の種類やプログラムが豊富に用意されているので、大学に相談するかwebサイトで確認してみましょう。
3.学外奨学金
大学を通さずに個別で留学のための奨学金申請をすることもできます。公益財団法人である 業務スーパージャパンドリーム財団の奨学生募集、フルブライト奨学金、トビタテ!留学JAPAN など支援団体は複数あるので、幅広く情報を集めてみましょう。
留学プランが希望に合わない…そんなときに参考にしたい選択肢
海外の大学院進学を支援する奨学金もある
大学の在学中に留学が叶わなかったとしても、海外経験を諦める必要はありません。 海外の大学院へ進学するという道もあります。海外の大学院へ進学するための奨学金プログラム「海外学位取得プログラム」などを活用すれば資金面での不安も解消されるかもしれません。
海外で就活するという方法もある
日本の就活スケジュールに遅れをとってしまわないか不安で、留学に踏み切れないと考えている人もいるかもしれません。そんな方のために、留学先の国・地域で日本人向けの就活フォーラムも多数開催されています。事前に就活フォーラムの情報を得てから留学先を決めるなどの工夫をすることで、留学中に内定を得て帰国するという可能性も広がります。
留学を実現するために大切なのは「留学ストーリー」を描くこと!
留学についてのファーストステップは、海外に興味を持ったきっかけを言語化してみることです。
「コロナ禍で外出制限を経験した反動で海外に出てみたいと思った」「メジャーリーグを生で見てみたいと思った」「SNSでステキな写真を見て海外に行ってみたくなった」など、どんな小さなことでも構いません。自分の中で芽生えた興味・関心を育てて、情報を得ながら枝葉をつけて自分だけの留学ストーリーにしていきましょう。
留学への興味が芽生えたら、所属大学の留学センターに相談することが近道です。
あなたの状況にあった留学プランやプログラム、奨学金の提案を受けることができるはずです。
個別に情報収集したい場合には、各種留学エージェントが開催している留学フェアに参加するのもおすすめです。
給付型の奨学金や、協定留学の学内選考にて採用を勝ち取るためには、留学前・中・後のストーリーをしっかり描いておくことが最重要です。
「なぜ留学に挑戦したいのか」「留学先で何を学びたいか」「留学を終えてどういう自分になりたいか」を含めて答えられるようにイメージを膨らませていきましょう。
まとめ
海外で生活・学習するという経験は、人生に大きな影響を及ぼすものです。 価値観や視野が一気に広がり、短期間で大きく成長できるチャンスに恵まれます。 ただどのような留学がベストかは人それぞれ。資金の面で躊躇している人もまずは留学センターなどで、知識・経験の豊富なアドバイザーに相談して夢を実現できるように計画してみましょう!
情報提供
早稲田大学留学センター プログラムコーディネーター 巖淵京さん
早稲田大学における留学生受け入れや留学実施について、各種サポートをしている機関。
留学プログラムへの参加のコーディネートやアドバイス、留学を学生各自の履修計画に組み込む手助けをしています。
https://www.waseda.jp/inst/cie/