教員採用試験の自己PRのつくり方 作成のポイント【例文あり】

編集部:ゆう

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教職に就くためには教員採用試験に合格しなければなりませんが、ここでも自己PRは必須です。教職をめざす場合の自己PRはどのようにつくればよいのでしょうか。ここでは、基本的なつくり方、作成のポイントと注意点を例文を交えながら説明します。

教員採用試験は自己PRがかなり重要

学校は、生徒たちが学習する場であり、精神的にも肉体的にも成長していく場でもあります。その中には、さまざまな悩みを抱えている生徒もいるでしょう。授業で教えるのはもちろん、生徒一人ひとりと向き合い、学校、クラスというコミュニティをまとめていくことも教員の大事な仕事です。

教師になるためには、教員免許を取得するための知識や技能だけではなく、生徒たちをまとめ上げる力や、どんなときも生徒たちと向き合う熱意なども、非常に重要なポイントになってきます。選考書類の自己PR欄では、教員として求められる力について考えながら、自分の強みや長所をアピールしていきましょう。

自己PRの書き方とポイント

それでは具体的に自己PRの書き方とポイントを見ていきましょう。まずは書き方から。

教員採用試験の自己PRでは、初めに結論を書き、次にエピソード、最後に、どうすればエピソードを教職で生かせるかを書きます。つまり自己PRは、結論→エピソード→教職で生かせるか、の構成となります。

結論

自己PRでは冒頭に結論を持ってきます。「自分の長所は粘り強いところです」と書き、続くエピソードで長所の根拠を書いていくスタイルです。エピソードで具体例を書くので、結論では簡潔な表現を心掛けてください。

エピソード

エピソードでは、自分が考える長所の根拠について具体例を交えて書きます。粘り強いところが長所であれば、なぜそう考えるのかを具体的に書いてください。

どうすればエピソードを教職で生かせるのか

自己PRの「まとめ」として、どうすればエピソードを教職で生かせるのかを書きましょう。エピソードが具体的であるほど、まとめにも説得力が増します。

次に、教員採用試験の自己PRの書き方のポイントです。ポイントには次の3点があります。

1.過去の体験からアピールする
2.エピソードを分かりやすく、具体的に書く
3.自己PRを教職で生かせるか、納得するように書く

1.過去の体験からアピールする

自己PRは自分の過去の体験から考えるようにします。粘り強いところが長所であれば、アピールになるのは、壁をどのように乗り越え、その結果「粘り強さを養うことができた」という流れを作れることです。まず、自分にとっての壁を認識し、その壁を具体的にどう乗り越えたかを考えるようにしましょう。

大学までの勉強には正解があります。しかし社会では、自分で課題を捉えて解決策を打ち出していく必要があります。ですから、過去の体験から壁(課題)をどのように認識し、乗り越えたか(解決したか)が問われる訳です。学生ならではの視点でよいので、過去の体験を洗い出し、バイトやサークルなどの経験を踏まえてアピールポイントに繋がるかどうかを考えてください。

ちなみに自己PRの最後に教職との繋がりを書くので、エピソードは教職と関係ないことで構いません。

2.エピソードを分かりやすく、具体的に書く

自己PRでエピソードを書く時は、端的に分かりやすく、かつ、具体的に書く必要があります。自己PRを読むのは採用担当者です。膨大な数の自己PRを読むのですから、他の学生と似たり寄ったりでは書類選考を通過できません。アピールポイントを定めた後は、分かりやすく具体的に書くように工夫しましょう。

3.自己PRを教職で活かせるか、納得するように書く

自己PRの最後に「どうすればエピソードを教職で生かせるのか」を書きますが、これは自己PRのまとめになるので、採用担当者が納得するように書く必要があります。「粘り強いところ」をアピールポイントとして冒頭に書き、その根拠をサークルの活動内容で表現した流れで教職に繋げれば、説得力が増します。

教員採用試験の自己PR例文

自己PRの書き方やポイントを確認してきましたが、「うまく書くのが難しい!」という人もいると思います。下記に自己PRの例文を紹介しますので、解説を読みながら、自己PRの書き方の参考にしてください。

=====
私の長所は「目標を達成するために粘り強く取り組むところ」です。

現在も所属している女子バレーボール部で、私は部の活性化に尽力したことがあります。入部時のバレーボール部は飲み会やゲームなどの遊びの場と化していましたが、メンバーに話を聞いてみると、本当はバレーボールへの熱い思いがあるようでした。私個人も高校のバレーボールで熱い汗を流したので、何とかして部を活性化しようと思いました。

遊びの中心にいるのは1学年上の同じ学部の先輩だったので、私は彼女に焦点を絞り、仲良くなろうと決めました。講義では近い場所に席を取り、部内でも積極的に声をかけるようにし、その間、私からバレーボールへの思いを小出しにしていました。すると、半年くらい経ち、彼女から初めてバレーボールへの思いを打ち明けられ、翌日から2人だけで練習をするようになりました。先輩と私が練習に打ち込む姿が見られたことで、徐々に参加する人数も増え、今夏は大学対抗戦に参加できるまでに成長しました。

教師の仕事では、学習発表会や運動会など、子供と教師が一丸となって何かを目指すことが多いです。私の「目標を達成するために粘り強く取り組める」長所を活かして、教師の仕事に役立てたいと考えています。
=====

例文のように、「結論→エピソード→教職の構成で活かせるか」の構成で書くのが基本です。自己PRの結論は長所なので、端的に○○と書くようにします。エピソードは教職の仕事に繋げるための根拠なので、具体的に書き、説得力を高めるのです。

まとめ

教職に応募する際の自己PRでは、自己PRの構成を押さえます。そして書き方のポイントをもとに、過去の体験からアピールポイントを考え、エピソードを具体的に書き、教職で自己PRの内容をどのように生かせるかを書いていくとよいでしょう。他の学生との差別化を図るためにも、ぜひ、あなただけの自己PRを作成するようにしてください。


監修・文/山崎英理夫
人事コンサルティング歴4年、人事歴8年。人事コンサルタントとして教育研修のプログラム開発、人事制度診断等を提供。また、企業人事として新卒・中途採用に従事し、人事制度構築や教育研修の企画・運用など幅広く活動。この経験を活かし、人材関連の執筆にも数多く取り組む

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