大学の研究と企業の研究の違いは「ビジネスを意識すること」 AGCで電気化学の評価・開発に携わる先輩社員に、仕事や会社の魅力を聞いてみた。

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今回は、110余年の歴史を超え「ガラス」「電子」「化学品」「ライフサイエンス」「セラミックス」で新たな価値創造に挑戦し続ける【AGC】で働く先輩社会人にインタビュー
電気化学に関わる材料の評価・開発を担当する先輩社員に、仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!

プロフィール:矢野 春菜さん
2021年 新卒入社

電気化学に関わる材料の評価・開発を担当。安全で高性能な電池材料の創出を目指し、日々研究開発に励んでいる。
社会人編

――自己紹介をお願いします。

2021年度入社の矢野春菜と申します。電気化学に関わる材料の評価・開発を担当しております。

――お仕事内容や大まかな1日のスケジュールを教えてください。

安全で高性能な電池材料の創出を目指し、材料の評価・開発に取り組んでいます。1日のスケジュールは日によって異なりますが、実験・解析を行い、結果をまとめて報告するのが大まかな仕事の流れです。大学の研究室の過ごし方と近いと思いますので、研究室に所属されている学生さんであればイメージしやすいかもしれません。

※関連する製品や素材

――これまでで1番印象に残ったお仕事を教えてください。

配属して1番最初に与えられた「評価法を確立させる」というお仕事が印象に残っています。
企業の研究は、お客様に欲しいと思っていただけるような材料を開発し、それを提案することが目的です。材料を開発し自信をもって提案するためには、どのような材料が良くてどのような材料が悪いのか、自社内で指標をもっていないといけません。そのために評価法の確立が必要になります。

評価法の確立のため、外部と会話をしたり論文や学会報告を参考にして、装置の選定・設置や電池材料の評価条件の検討を行いました。特に入社数か月で外部に向けての発表を任せてもらえたことは良い経験になりました。苦労した甲斐があって、今は選んだ装置を使用し、検討した評価条件を用いて材料の開発に取り組むことが出来ています。

――評価を作るうえで難しかったこと、苦労したことはありますか?

お客様に材料をお渡しし、評価をしてもらってフィードバックをいただいた結果と、自分たちで評価した結果が合わない時が一番苦労しました。お客様の評価条件を教えて頂くことはできなかったので、条件によって結果が異なっていたのだと思います。この場合、どちらが正解というものはありません。そのためお客様と対等に議論するためにも、自分たちでしっかり軸を持ち、それを説明できる状態にしなければならないのが難しいところでした。

――その苦労をどのように乗り越えたのか教えてください。

一人で勉強したり考察したりしたことももちろん必要な時間でしたが、自分の中では上司や先輩など周りの人と積極的に会話をしてアドバイスをいただいたことが、乗り越えるきっかけになったと思っています。評価法の確立に絶対的な正解はないので、過去の経験などを教えて頂き、参考にしました。今もですが当時かなり若手でしたので、若手であることを利用して様々なことを吸収できたかなと思います。

――相談しやすい雰囲気があるんですね。

相談しやすい雰囲気です。実験室では特に、皆さん和気あいあいと研究の話をしています。また、若手も一人の技術者として意見を聞いてくれるという雰囲気があり、責任を感じつつも良い環境で働けていると感じています。

※同期との旅行の様子

――AGCの研究職に求められるスキルを教えてください。

研究では、「なぜそうなるのか」仮説を立てて検証していく力が必要だと思います。こういった力は、学生時代の研究で求められることと大きく差はないのかなと思っています。
AGCでは、積極的に自分の意見を発することが出来るかが求められているのかなと思います。他社は経験がないのでわかりませんが、就職活動をしていた時や入社した時にそれが出来る元気で積極的な人が多いなと感じました。

――AGCで働くことの面白さや魅力を教えてください。

AGCは「素材の会社」というCMのイメージがあると思いますが、本当に様々な素材を扱っています。私は無機材料に携わっていますが、有機材料やバイオ系の材料など、広い分野の技術を持っています。それを活かして新たな価値をもつ材料を創造できるということがAGCで働く魅力の一つであると感じています。

実際に、私は今有機材料を扱うチームの方と一緒に材料開発をする仕事もしています。様々な知識を持つ社内の人と会話し働くことが出来ることは面白いと感じています。

――AGCの働き方で魅力を感じることを教えてください。

フレックス制なのでフレキシブルな働き方ができるのが魅力かなと思います。男性の方でも、子育てに積極的に参加している方が私の周りはすごく多くて、フレックスを活用して子供の送り迎えをしたり、行事に参加したりといった働き方をしている人が多いです。

仕事もプライベートもどちらも大切にできる環境だと思います。

――いま課題に感じていることがあれば教えてください。

今までは仕事が降りてくる(お願いされる)ことが多いですが、これからは自分で提案していかなければと思っています。そのためには、市場調査をしてビジネスシナリオを考え、「このテーマならAGCが勝てます」と提案をしなければいけません。

大学と企業の研究の違いは、ビジネス思考で考えなければならないというところにあると思っています。学生の頃はそういった視点がなかった分、入社してからそういったスキルを身に着ける努力をしていますが、まだまだ自分には足りておらず、課題に感じています。

現在、テーマ提案活動にも参加させていただいているので、経験を積んで力をつけていきたいです。

学生時代編

――どんな学生時代を過ごしていましたか?

小中高とずっと水泳をやっていた流れで、大学からはスキューバダイビングを始めました。すごくのめり込んで資格をたくさん取って、サイパンと沖縄の離島でそれぞれ一ヶ月間スタッフとして働いていました。

サイパンでは外国人のスタッフと一緒に働いて、シェアハウスもしていたので、とてもタフになったなと思います。お客様が日本人でスタッフが外国人だったので、自分がつなぎ役のポジションで働くという環境でした。

――その時の経験が、現在のお仕事に役立っているなと感じることはありますか?

外国人スタッフや幅広い年代のお客様と関わった経験は、誰とでも積極的に話せる力が付いたと思いますし、色々なことに挑戦してみる楽しさを学べました。それらは大きな意味で今の仕事にも活きていると思います。また、つなぎ役をしていたことで自分からそのダイビングショップの課題を見つけ、改善策を提案するようなこともしていたので、そういった力は直接仕事に活かせていると思います。

――就活前にこれだけはやっておいたほうがいいというアドバイスをお願いします。

月並みですが、自己分析はしっかりやった方がいいと思います。私は絶対に譲れないところ(Must)と、あった方がいいもの(Want)を書き出して考えていました。

――自己分析を踏まえて、AGCに入社した理由を教えてください。

私の譲れないポイント(Must)が「研究職として働く」ということでした。AGCは部門別で採用をしているので、研究職として受けることができることが自分の中で大きかったです。

あった方が良いと感じているポイント(Want)に関しても、就活の時に会った先輩方の雰囲気であったり、福利厚生や勤務地であったりと、満たしていたところが多かったので、最終的にAGCに決めました。

――最後に大学生へメッセージをお願いします。

私の就活の際、「自分は選ばれる側」という意識がありましたが、今振り返ってみれば、学生の皆さんが「選ぶ側」でもあるのかなと思っています。自己分析をしっかりして、MustとWantを明確にし、行きたい企業を選んでいただけたらなと思います。


取材:清水 碧
編集:学生の窓口編集部
取材協力:AGC株式会社

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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