「アナログ」な恋愛はアリ?価値観を揺さぶられる究極のラブストーリー映画『アナログ』公開記念!学窓ラボ座談会【ネタバレあり】
今回は、10月6日に公開を控える映画『アナログ』を3人の学窓ラボメンバーに観てもらいました!
二宮和也さん演じる主人公の悟と、波瑠さん演じる携帯を持たない謎めいた女性・みゆき。
携帯電話で気軽に相手と連絡が取れる現代に、あえて連絡先を交換せず、週に一度だけ会うことを大切にして関係を紡いでいく悟とみゆき。2人の姿は携帯を持つことが当たり前の現役大学生メンバーにはどう映るのか、「スマホを持たない生活」、「悟とみゆきの生き方」、「アナログな恋愛」をメインに率直な感想を共有した座談会の様子をお届けします。
参加メンバー
“恋愛のなかにスマホがない”という世界は想像したことがなかった
ーーまず、率直な映画の感想を教えてください!
恋愛のなかにスマホがないというのは、私たちは経験していないものなのですごく新鮮で、だからこそ感じられる美しさがあると思いました。また、恋愛関係に限らず主人公の悟を取り巻く人間関係のすべてが温かくて、時には涙をしてしまうような映画でした。
“アナログ”といういまのデジタルの時代のなかで当たり前ではなくなってしまったところに視点をあてているのが面白いと思いましたし、ストーリーとしては今の若者にも共感できるようなポイントがたくさん組み込まれているので、観ていて泣いたり、幸せな気持ちになったり、色んな感情を体験できるお話だったと思います
スマホの無いアナログな世界
――みゆきはスマホを持たずに生活をおくっていますが、スマホがない生活ってどう思う?
スマホがなければ、例えば待ち合わせのときに“この人は必ず来るだろう”とある種、期待を持って相手と向き合わなければならないし、もし相手が約束の時間に現れなかったとしたら、自分のなかで相手が来られなかったのには何か理由があるんだと納得しなければならない。そんなすごく不安定になりそうな状況で、意志を貫いて生きるみゆきを凄いなと思いました
スマホを使って匿名で発信できたりしてしまう今の時代、相手は自分のことをどう思っているんだろうと不安が生まれたりしてしまいますが、スマホがない生活であれば、自分が実際に相手と接するなかで見たり聞いたりしたことだけが、情報として体のなかに入っていて、それをもとに相手と向き合うようになるんだと思いました
――スマホの無い、悟とみゆきのようなアナログな恋愛って?
僕は、ありえないなと思いました!スマホがない生活はいいなと思うけど、恋愛って考えると、コミュニケーションが取れないということが大ダメージすぎるなと思って。ちょっとした報告も、簡単な通話もできないとなるとかなり変わってくる気がします
お二人の意見、どっちにも共感できます!たしかにスマホがなくて情報共有ができないのは不安…。でも、最近カフェとかにカップルで来ていてもお互いスマホを見て過ごしている人たちもいたりして、悲しいことだなあと思っているので、相手との時間をより大切にできるアナログな恋愛には憧れます。とはいえ、最低限の連絡は取りたいですけど(笑)
悟とみゆきの生き方について
――映画では、悟の上司との付き合い方や仕事への向き合い方が描かれていましたが、皆さんはどう思いましたか?
悟の人間関係を大切にできるところが本当にすごいと思いました。また、悟が手描きの設計図や手作りの模型にこだわりを持ち続けているところが印象的で、悟が大事にしているのも、“アナログ”的なものなんだと思いました
――みゆきのスマホを持たない生き方についてはどう思いました?
※以下、ネタバレが含まれます。
――みゆきを優先して、生きることを選択した悟についてはどう思いましたか?
そのときどきで人を愛することってできても、愛し続けるってなかなか簡単なことじゃないと思っていて、悟はその愛し続けることができるのがすごいと思いました。一緒に過ごした時間の長さがそう長いわけではないし、スマホもない、他にも障壁が色々あるなかでも、みゆきに一生添い遂げようとする悟の覚悟は言葉に言い表せないほどすごいなと想いました
何があっても気持ちが変わらずに、大切な人を大切にしようとできる悟が本当にすごいなと。恋愛って人生のなかでもやっぱり特別なものなんだなと改めて思いました。好きっていう感情は何があってもぶれないもので、大切な人って本当に大切で一人しかいないんだなと。本当に大切な人って何かあっても、乗り越えていけるものなんだなと思わされました
そこまで何十年も違う環境で生きてきた二人が、ある時出会って、何度か会ううちに価値観を共有することで、その先のもっと長い何十年を一緒に生きていくと決断するのは本当にすごいことだと思いました。みゆきの過去や考え方を含めて愛おしいと思える悟がすごいし、誰も邪魔できないふたりだけの世界を作っていく二人の様子を見て、二人は運命的な出逢いを果たしたんだなと思いました
Z世代から見たアナログな恋
――劇中には糸電話でコミュニケーションをとるシーンや、喫茶店のマスターを通して相手のプロフィールを知っていくシーンがありましたが、そんなアナログな恋愛をする二人を見て、皆さんは何を思いましたか?
糸電話を伸ばして、直接言えない言葉を相手に伝える光景は美しいなと思いました。また、マスターを通して相手のことを知るというのは、まだ私は体験したことがないものだったので、大人の恋愛の形なのかなと、新鮮な感じがしました
色んな人生経験を踏んだタイミングで出会って、大人の恋愛がはじまっていく様子が丁寧に描かれていて、れなさんがいっていたように美しいなと思いました。恋とか恋愛というよりも“愛情”という言葉がしっくりくるような二人が素敵で、とても羨ましく思えました
他人を通して相手のことを知るっていうのは、他己紹介のようで、客観的に相手のことを深く知っていくのに良いものだなと思いました。糸電話はなかなか想像がつかないですが…恋愛におけるアナログさは今でも残しておくべきものもあるなと
まとめ
自分たちは体験したことがないアナログな恋愛について、みんなで意見を共有してみて、ハッと考えさせられるような瞬間も多い座談会でした。
この作品は、人を想い続けるとはどういうことか、その重みと尊さ、美しさを丁寧に教えてくれます。たくさんのことを考えさせられるので、皆さんもぜひ本作を観たあとは、大切な人と感想を共有してみてください!
映画『アナログ』は10月6日公開!ぜひ劇場に足を運んで、お楽しみください!
作品紹介
映画『アナログ』2023年10月6日(金)全国公開
二宮和也 波瑠
桐谷健太 浜野謙太 / 藤原丈一郎(なにわ男子)
坂井真紀 筒井真理子 宮川大輔 佐津川愛美
鈴木浩介 板谷由夏 高橋惠子 / リリー・フランキー
監督:タカハタ秀太
原作:ビートたけし『アナログ』(集英社文庫) 脚本:港岳彦
音楽:内澤崇仁 インスパイアソング:幾田りら「With」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
製作:「アナログ」製作委員会
制作プロダクション:アスミック・エース AOI Pro.
配給:東宝 アスミック・エース
©︎2023「アナログ」製作委員会 ©︎T.N GON Co., Ltd.
取材&文/家塚彩夏(学窓ラボメンバー)