大切なのは目的意識を持ち、戦略性を磨くこと。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのメディア戦略担当が考える必須スキルとは【合同会社ユー・エス・ジェイ】
所属部署:ストラテジー&ビジネス・ディベロップメント部 Market Foresight
経歴:プロジェクトの戦略策定・実行からMediaの分析・予測までを経験。ハロウィーンや学生施策 コロナ禍での新施策立ち上げ Media Planningをリード。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。
今回は「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で働く先輩社会人にインタビュー。
ストラテジー&ビジネス・ディベロップメント部でメディア分析を担当する杉山峻太郎さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
――杉山さんはどんな学生時代を過ごしていたんですか?
僕は結構欲張りで、大学時代は研究、アルバイト、サークルのすべてを全力でやりたいと考え、実際にどれも満遍なく忙しく取り組んでいました。
研究については、工学研究科の機械工学専攻で歩行ロボットをテーマにしていて、サークルは“アルティメット”というフリスビーを使ったスポーツサークルに所属していました。アルバイトは家庭教師などもやってみたのですが、メインは居酒屋でしたね。
もともとうちの両親が外食好きで、僕も小さい頃から一緒に居酒屋などでご飯を食べたりしていたんです。その影響で僕も外食が好きでしたし、学生のうちに経験できることは何でもしようと思っていたので、働くことにしたんです。
――では、学生時代に一番頑張ったことはなんでしょう?
やはり居酒屋でのアルバイトです。関西で約40店舗を展開するお店で働いていたのですが、その会社では、社会人として巣立つバイトスタッフたちのために、毎年卒業式を開いてくれていたんですよ。僕の代は200人くらいの卒業生がいたのですが、その中でMVPを獲ることができました。会社に貢献できたことや、後輩の手本となる姿を見せられたことはすごく嬉しかったですね。
――仕事で役立っている学生時代の経験はありますか?
あらゆる経験が活きていると思いますが、あえてその中からピックアップするなら、大学院の入試がターニングポイントだったと思います。というのも、大学院の入試はかなりストレスがかかる状況だったんですよ。
大学入試の場合は模試もありますし、どのくらいの点数を取れば受かるかということが大体わかります。でも、大学院の場合はどれだけ勉強しても受かるかわからない中で突き進まなければいけません。自分の立ち位置がどこなのかもわからない状態なんです。
そこで僕は、毎朝日記を書き始めることにしました。朝のうちにその日の目標を3つ立てて、「これを達成したら1日が有意義だった」と設定することにしたんです。おかげで目的意識を持つ習慣が身につきました。ちなみに、日記は今も続けています。
――何か就活前にやっておいたほうがいいことがあれば教えてください。
やはり、あらゆるアクションに目的意識を持って、「一体何のためにこれに取り組んでいるのか」と考える癖を付けるといいと思います。
就活でもそうですが、いろんな企業を見ているうちに、“多くの企業にエントリーすること”などが目的化してしまったりするんですよ。就活をこなし、たくさん面接を受けること自体を目標にしてしまうというか……。
そこでブレないようにするためにも、本当に達成すべきことは何なのか、今の自分の行動はその目標達成に向けて有効かを、日頃の行動から考える癖を付けることが大切だと思います。
――今の会社を選んだ理由を教えてもらえますか?
僕は小さい頃からモノづくりがめちゃくちゃ好きだったんです。なので、就活初期は理系就職をして、メーカーのエンジニアになることを目指していました。でも、説明会やインターンに行くうちに「なんか違うな」と思うようになったんです。
何故だろうかと内省した結果、理系の設計開発職は、商品企画部が考えたものをいかに安く、安全に、簡単に作れるかという「どうやって作るか」を主に考えていることに気づきました。でも、僕は「何を作るか」を考えることがモノづくりで一番好きな部分でした。なので、商品企画ができる部署に行きたかったのですが、日系のメーカーの場合、総合職だと配属がなかなか思い通りにいかない可能性も高いわけです。
その点、ユー・エス・ジェイのマーケティング職の場合は職種別採用をしているので、マーケティング職に就けることが確約されています。「ユー・エス・ジェイなら1年目から“何を作るか”を考えられそうだ!」と思い、この会社を選びました。
――今のお仕事の内容を教えてください。
今はストラテジー&ビジネス・ディベロップメント部というところで、マーケティングに関わる分析、戦略立案をしています。業務としてはメディアプランニングの試算やシミュレーションなどですね。
そもそもメディアプランニングとは何かというと、テレビやインターネット上で流れるCMに加えて、公式SNSやパートナー企業からの露出なども加味して、いつ、どのメディアで、どれくらいの露出を行うか、といったことを分析し、より効果的なメディアプランを策定する仕事です。
同時に、マーケティング職の新卒採用プロジェクトにも所属して、ユー・エス・ジェイに就職を希望する学生の母集団形成を担当するチームのリーダーをしています。
――この仕事ならではの特徴的な作業は何でしょう?
簡単に言うと、あらゆる業務をマーケティングのフレームワークで実行している、という点でしょうか。採用活動も、ベースにあるのはマーケティングです。母集団を形成するうえで、ターゲットとなる学生の皆さんがどういう人で、何を考えていて、なぜユー・エス・ジェイにエントリーしないのか、逆にどういう情報を打ち出せば興味を持ってもらえるのか……
そういったマーケティング思考で資料を作ったり、メッセージに落とし込んだりしています。
――実はあまり知られていない仕事の「秘密」はありますか?
みなさんも薄々わかっているかもしれませんが、テレビのCMって実はめちゃくちゃ高いんですよ。やはり広告は、相当のコストがかかるんです。
僕は入社して4年目で、今の部署に異動したのが2年前くらいなのですが、そんな僕がユー・エス・ジェイのメディアプランニングにすべて目を通し、試算しているんです。もちろんいろんな人が関わっていますが、テレビCMのようなビジネスインパクトの大きなものでも若手が担っていて、かつ実際に億単位のお金が動くというのはあまり知られていないと思います。
――今の仕事のやりがいを、どういうときに感じますか?
僕の試算や戦略によって、会社が動き、社会が変わっていくのが実感できるときですね。あとは会社がパークの近くにあるので、パーク内や通勤電車の中で、ゲスト(来場者)の皆さんの喜んでいる顔を見たり、「このアトラクションが楽しかったね」という会話が漏れ聞こえてきたときなどもやりがいを感じますね。
――今の仕事に求められるスキルは何でしょう?
やはり戦略性だと思います。時間やコスト、アトラクションのリソースは有限です。その限られたリソースを戦略的に配分して、売上や来場者数を通じて最大の成果を上げることが求められるので、戦略性は必須スキルだと言えます。
――戦略性はどのように養えばよいでしょう?
まずは常に目的意識を持つことですね。ゴールに向けてどういうアクションが取れるのか、自分の最終ゴールは何か、今やっている取り組みは何につながるのか、常に考えながら実行すること。これが戦略性を鍛える方法だと思います。
――これまで一番印象に残った仕事は何ですか?
以前はブランドマーケティングでイベントのプロジェクトリーダーを務めていたのですが、2020年の春に、「ユニ春(ユニバル) 」という学生向けイベントを立ち上げたんです。でも、ちょうどコロナ禍が始まったタイミングだったので、パークもクローズを余儀なくされ、イベントも途中までしかできなかったんです。もちろん我々だけでなく、学生の皆さんも卒業式がなくなるなどの影響を受けていました。
そこで、我々に何かできることないかと考えて、「ソーシャルディスダンス」という動画を作ったんです。完全にテレワークになったので、いろんな部署と連携しながら、“ソーシャルディスタンスを保てるダンス”を作ってSNSに投稿したのですが、これが再生数もすごく伸びて、日本中の皆さんから「やっぱりエンタメは必要だよね」「ユー・エス・ジェイやるじゃん」とたくさんのコメントをいただきました。エンタメの力を実感しましたし、こういう動画をエンターテイメントの力で届けることができてよかったと思いましたね。
――オフタイムの過ごし方について教えていただけますか?
僕はボードゲームが趣味なのですが、トランプやカタン、ナンジャモンジャといったアナログゲームが大好きで、家に70種類近く用意しています。まるでボードゲームカフェのような状態で、会社の同期や友達と一緒に遊ぶことが多いですね。
――プライベートの中で仕事に活かされているなと思うことはありますか?
ボードゲームでも戦略性が磨けていると思います。いろんなゲームがありますが、ゲームの中でも目的を整理したり、勝利を目指したり、確率についても考えたりできますから、戦略性を身につけるのに役立っているはずです。
――最後に、大学生へメッセージをよろしくお願いします。
散々言いましたが、あらゆる行動に戦略性を持たせ、何のために目の前のことに取り組むのかを常に考えることが大切です。あなたの人生の目的はあなたの幸せの最大化です。その目的に対してどういう努力やアクションをすれば、より幸福度が大きくなるのか、意識しながら日々を過ごすといいと思います。
※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。
文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:合同会社ユー・エス・ジェイ