vucaとは? 読み方・意味・使い方・事例を解説
2010年代に入ってから、立て続けに起きた大震災、自然災害による世界情勢の悪化や、価格の激しい変動など、企業が想定していないことが頻発しています。
そんな時代の中、2016年におこなわれた世界経済フォーラム(ダボス会議)で「VUCA」という言葉が使われ、注目を浴びました。
しかし、初めて聞いた人も多い言葉だけに「VUCA」という言葉の意味は??? な方も多いでしょう。
この記事では、「VUCA」の意味について説明しています。
「VUCA(ブーカ)」とは何か。簡単にわかりやすく説明!
「VUCA」とは、社会や企業などのビジネスにおいて、不確実性が高く将来の予測が困難な状態を指しています。
ビジネス環境や世界情勢の変動が激しく、需要や将来の展望を予測するのが難しい今日の状況です。
VUCAという言葉の背景には、以下2つのポイントがあります。
- ・VUCAは元々軍事用語だった
- ・VUCAには4つのキーワードがある
VUCAは元々軍事用語だった
VUCAはもともとアメリカで使われていた軍事用語です。
1990年代にアメリカとロシアの冷戦状態が続き、核兵器を使用した戦略が不透明な戦略に変わらざるを得なかった状況は、確かに「VUCA」だったと言えるでしょう。
現代は、ビジネスや経済において使われる言葉とかわりました。
2022年に入り、ウクライナとロシアの戦争が起こってしまったことからも、今は「VUCA時代」だと言えるかもしれませんね。
VUCAには4つのキーワードがある
VUCAは、以下4つの言葉の頭文字を組み合わせて作られた造語です。
- 1.Volatility
- 2.Uncertainly
- 3.Complexity
- 4.Ambiguity
それぞれ、「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」という意味を持ち、VUCA時代の特性を表しています。
一つひとつ意味を説明していきましょう。
1.Volatility(変動性)
一般的には価格変動の度合いを表す言葉です。
「Volatilityが大きい/小さい」という場合は、その商品の価格が高くなったり低くなったりすることを指します。
VUCAにおけるVolatilityはビジネス面の変化おいて使用されます。
IT技術の発展により市場が変化したり、ニーズが変わっていってる今の時代を表す言葉としてはぴったりでしょう。
2.Uncertainly(不確実性)
不確実性を表すUncertainlyは、大震災や戦争など予期せぬ事態のことをさします。
戦争は防ぐことができるかもしれませんが、それでも防ぐことの出来ない戦争がほとんどです。
さらに、大震災や自然災害などは予測することができないため、不確実な出来事と言えるでしょう。
Uncertainlyな出来事は突然起こります。
物価があがることで苦しい状況にもなるため、常に考えて行動する必要があるでしょう。
3.Complexity(複雑性)
経済やビジネスがグローバル化したことで、より複雑な社会へとなってきました。
日本でも、英語を公用語にしている大手企業も増えてきましたね。
さらに、インドやフィリピンなどのアジア諸国がIT技術を発展させているなど、国と国のつながりが非常に複雑になりました。
このような状況では、言葉やその国の法律なども絡んでいくことになるので、より混乱していくことになるでしょう。
4.Ambiguity(曖昧性)
変動が激しく、さらに不確実で複雑に絡み合った社会では、絶対に安心できる解決方法は存在しないでしょう。
確実にとれる解決策がないため、曖昧さはさらにあがっていきます。
過去の出来事や実例を基にすることができないため、さらに難しくなると言われます。
「VUCA」を使った例文を紹介
「VUCA」を使った例文は、たとえば以下のようなものがあります。
例文1)先の見えないVUCAの時代では、どのような解決方法をとれば良いのかもわからない。
例文2)VUCAに対応していかなければいけない。
VUCAは注目されている言葉ではありますが、まだ聞きなじみのない言葉です。
取引先や後輩などに、頻度高く使うことは控えましょう。
VUCA時代とは一体なに?
VUCA時代とは、先行きの見えない今日の社会状況のことです。
不確実で不透明なものばかりの社会では、従業員ひとりひとりに積極的な態度が求められます。
切り抜けていくためにも、そのような従業員が育つことのできるよう企業側も努力が必要になるでしょう。
実際、経済産業省は2019年に発表した「人材競争力強化のための9つの提言(案)」にて、以下9つの提言を行いました。
- 1.経営戦略を実現する重要な要素として人材および人材戦略を位置づけること
- 2.多様化する個人のあり方をふまえ、個人と企業の双方の成長を図ること
- 3.経営トップが率先して、VUCA時代におけるミッション・ビジョンの実現を目指し、組織や企業文化の変革を進めること
- 4.経営に必要な多様な人材確保を可能とする、外部労働市場を意識した柔軟な報酬制度・ キャリアパスの整備
- 5.変革や人材育成を担う経営人材、ミドルリーダーの計画的な育成・支援
- 6.個人の挑戦や成長を加速させ、強みを活かした企業価値の創出に貢献する企業文化や評価の構築
- 7.個人の自律的な成長や学び直しを後押しし、支援する機会の提供
- 8.個のニーズに応え、経営競争力強化を実行する人事部門の構築
- 9.経営トップ自ら、人材および人材戦略に関して積極的に発信し、従業員・労働市場・資本市場との対話を実施
これらを要約すると、グローバル化となった現在、切り開いていくためには個人だけではなく企業全体として人材戦略を練り直す必要がある、ということです。
新卒採用はもちろん、中途入社の採用にも戦略を構築しなおすことが、VUCA時代を切り抜く鍵となるでしょう。
VUCA時代を切り抜くための鍵「OODAループ」
VUCA時代に必要な思考法が「OODA(ウーダ)ループ」といわれています。
「OODAループ」とは、早く決定しすぐに行動に移す思考法です。
4つの言葉の頭文字をとり「OODAループ」と言われており、それぞれの言葉が以下4つです。
- ・Observe(見る)
- ・Orient(わかる)
- ・Decide(決める)
- ・Act(動く)
そして、これら4つの行動を振り返る、という意味のループがつき「OODAループ」と呼ばれています。
OODAループ思考法をとることで、大切な決定を先送りすることがなくなり物事がスムーズに進むようになります。
たとえば、目の前にある仕事がどうしても一人では処理できない、一方先輩は忙しそうで相談するのも難しい、といった状況で結局悩んでしまうこともあるでしょう。
そういったときに「OODAループ」思考法をとると、先延ばしすることなく目の前にあるものを対処することができます。
VUCA時代は、先の見えない不安が広がる時代ではありますが、複雑に絡み合った競争時代でもあります。
そのため、「OODAループ」思考法をとることで迅速に問題を切り抜けることができ、VUCA時代を生き抜いていくことができます。
積極的な態度がVUCA時代を切り抜く鍵となる!
VUCAとは、現代社会の状況を表す言葉です。
あまり聞きなじみのない言葉ではありますが、簡潔に表現するのに適した言葉であると言えるでしょう。
VUCA時代の今、ひとりひとりの対応の仕方に注目が集まっています。
先行きの見えない未来が広がりますが、皆さんが積極的に立ち向かえば切り開くことができるかもしれませんね。
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