鈴木京香「今与えてもらったことをやることがいちばん大事」#ボクらの時代コラム
様々なジャンルで活躍する著名人の方々によって繰り広げられるトーク番組『ボクらの時代』。あえて司会者を置かない本番組では、ここでしか聞けないトークが盛りだくさん。人生の先輩であるみなさんのお話は、きっと学生のみんなにきっかけやヒントを与えてくれるはずです。
フジテレビ提供
10月17日(日)に放送された『ボクらの時代』では、俳優の鈴木京香さん、高橋克実さん、江口のりこさんが登場。現在、日比谷シアタークリエで公演中の舞台『ホーム、アイムダーリン〜愛しのマイホーム〜』に出演する3人が、仕事へのスタンスや年齢を重ねることについて、また仕事と「運」の関係についてなど、さまざまなテーマで語り合いました。
上京してきた時に「もうやりたくないことは絶対やめよう」と思った
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2014年の舞台『鼬(いたち)』でも共演したことがある3人。舞台での共演は約7年ぶりだそうで、鼎談は「疲れますね、本読み。もうぐったりです」という江口さんの言葉に鈴木さんと高橋さんが笑いながらのスタートとなりました。
舞台には「これっぽっちも興味がなかった」という江口さん。それでも劇団東京乾電池のオーディションを受け、入所したのは「映画がすごく好きだったから、どうやったら映画の仕事ができるのかと考えたときに『劇団に入ればいいのかな?』と思った」からだと言います。
「学校が退屈だったから、映画を観て『面白いなぁ、こんなことやるといろんなことができるんだなぁ』と思ったのがきっかけで役者を目指した」という江口さんは、19歳で上京してからもほとんどアルバイトをしなかったんだとか。
「中学を卒業してから、進学せずにバイトをしてたんです。その3年間が本当に嫌だったんですね。『こんなことしたくないのに』って思いながらずっと働いてて。だから、やりたいことがあって上京してきた時に、『もうやりたくないことは絶対やめよう』と思ったんです」と、固い決意があったことを明かします。
「今与えてもらったことをやることがいちばん大事」
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「それでいけてたってのがすごいね」と感心する高橋さんに、「運がよかったというのがあると思います。『ああ、もうお金ない!』と思った時にCMに受かったりするんですね」と話す江口さん。そんな江口さんに「運はね、絶対感じるときあるよね」と高橋さんが共感すると、江口さんは「仕事ってそうですよね。自分が望んでる望んでないとかじゃなく、“勝手に決められていくもの”って感じがすごくしてて。勝手に決められると言ったらおかしいかもしれないけど、“流れに身をまかせてる”っていう感じがすごくします」と振り返ります。
それを聞いた鈴木さんも、「やっぱり“流れ”というのがいちばんピッタリくるんだけど、自分が『こういうことをやりたいな』と思っても、そのタイミングで、自分のスケジュール上どうしてもそれをお受けすることができないことってあるじゃないですか。だからやっぱり“今与えてもらったことをやることがいちばん大事”っていう感じなんですよね。意志を持って流れていくというか、そんな感じ」と、仕事での運やタイミングについて、自身の思うところを明かしていました。
また、以前は「健康を害してでもお芝居が上手くなりたいとか、表現するには肉離れを起こしてでもやるぐらいの、『とにかくがんばらなきゃ!』みたいな気持ちだったけど、今は健康あっての表現かなって思うようになってきて。欲しいものってだんだんなくなってくるんですけど、健康がいちばん尊いものだなって最近思うようになりました」と語る鈴木さん。
高橋さんが、「最初にやろうと思っていたスタンスと今とではだいぶ変わってきてますよね、きっと」とたずねると、「私はすごく変わってきてます」と話す鈴木さんは、「最初はぼんやりだったし、ホントに『自分は向いてないな』って感じながら仕事をさせてもらってたから。でもひとつやったあと、ちっちゃなことをひとつはできるようになってることがあるはずな気がしているので、それを頼りに次もまたがんばってやろうって思うようになってるのかなぁって思います」と、少しずつ成長を感じていったことを明かしていました。
「今来た仕事をがんばろう」ってやってる感じ
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そんな鈴木さんが「仕事へのモチベーションや目的みたいなものって、お仕事するときにはっきり意識できてますか?なかなか難しいなと思っていて……」と2人に尋ねると、高橋さんは「自分は何が目標なんだろうとか、自分が人に何か渡せる俳優なんだろうかとか、なにかを表現したいとか、そんなことはあんまり考えたことないんですよね(笑)。これでいいのかなと思うときもあるんですけど、『まぁ、こういう人もいるんだろうな』と思いながらやってます(笑)」と話すと、江口さんも「私も、『今来た仕事をがんばろう』ってやってる感じですね。こないだの反省をちょっと思い出して、同じ失敗をしないようにがんばろうとか、そんな感じです」と話したあと、2人に向かって「がんばりましょうね!」とピシッとその場を締めていました。
順調にキャリアを積み、常に順風満帆の活動を続けているように見えるみなさんが、それぞれの人生の流れの中で、ときにはタイミングが合わなかったり、『向いていない』と感じながら仕事をしていたことがあることに驚きを感じた鼎談でした。

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大学生のみなさんも、彼らの仕事への向き合い方や運に対する考え方など、参考になるところが大きかったのではないでしょうか。頭でいろいろ考えていても、現実にはそううまくことが運ばないこともあるでしょうし、逆に自分の人生の予定にはなかったことが素晴らしい経験をもたらしてくれることもあるかもしれません。結局、自分にできるいちばんのことは、“その時々にやらなければいけないことを一生懸命やる”ことに尽きるのかもしれませんね。
『ボクらの時代』フジテレビ系(毎週日曜7:00~7:30)
放送日:10月17日(日)
鈴木京香×高橋克実×江口のりこ
『ボクらの時代』公式ホームページ
<次回の放送>
10月24日(日)7:00~7:30
天海祐希×加賀まりこ×若村麻由美
文:落合由希
編集:学生の窓口編集部