矢部太郎「奇跡的な確率で芸人を続けられていると思う」#ボクらの時代コラム
様々なジャンルで活躍する著名人の方々によって繰り広げられるトーク番組『ボクらの時代』。あえて司会者を置かない本番組では、ここでしか聞けないトークが盛りだくさん。人生の先輩であるみなさんのお話は、きっと学生のみんなにきっかけやヒントを与えてくれるはずです。

8月8日(日)に放送された『ボクらの時代』では、カラテカ矢部太郎さん、キャイ~ン・天野ひろゆきさん、ビビる大木さんが登場。「天野会」のメンバーとしてプライベートでも交流のある3人が、矢部さんの著書『ぼくのお父さん』についてやそれぞれの家族のこと、またお笑い芸人になったきっかけなどについて語り合いました。
芸能界最弱集団!?「天野会」メンバーの3人
まずは「天野会」について、「天野さんを中心に集まっている芸能界最弱集団で、メンバーは天野さんと大木さんと三瓶と僕、あと平愛梨さんとAKINAさん。天野さんのお料理を我々会員がいただくという……」と、3人の中でいちばんの後輩である矢部さんが説明すると、大木さんが「そうそう。食事が終わったらみんなでテレビゲームして、コーヒーや紅茶を飲んで解散するという、健全な会ですもんね」と続けます。
ベストセラーとなったマンガ『大家さんと僕』が第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した矢部さん。そんな矢部さんが話したい芸人の先輩が「天野会」の2人だったということで実現したこの日の『ボクらの時代』について、天野さんは「今日は矢部が俺たちを呼びつけたって設定だろ?」と冗談交じりに言い、矢部さんを恐縮させます。
しかし、そんな矢部さんがこの日のために描いてきたという「天野会」のイラストを見てみると、なんと天野さんと大木さんが下で四つんばいになり、その上に矢部さんが乗っているというピラミッド型の陣形が描かれており……。すると今度は大木さんが、「そうやって天野さんを踏み台にするんじゃないよ。会長だぞ!?」と矢部さんにツッコんでいました。
やりたいことが見つからず浅井企画(事務所)に電話した
矢部さんの最新作『ぼくのお父さん』は、自身の父親である絵本作家のやべみつのり氏と過ごした少年時代を描いた作品。大木さんが「これを読むと、いかにして矢部太郎ができあがったかがわかる」と言うと、天野さんも「そう、わかる。普通の家からはできないもん、この感じ」と、矢部さん独特のキャラクターを評します。
しかし、矢部さん自身は「お父さんみたいになりたくない」と思って育ったそうで、普通のお父さんがうらやましかったと言い、「お2人のお父さんはどんな人だったんですか?」と尋ねます。
すると天野さんは、自身をお父さん子だったと明かし、「怒られたことなかったもんなぁ」と振り返ります。サラリーマンとして真面目に働いていたお父さんは、天野さんが芸人になりたいと言ったときも反対しなかったんだとか。「大学3年ぐらいでみんな就職活動を始めて、『ヤバいな、俺あんまりまだやりたいこと見つかってないな』と思って浅井企画に電話して。『すいません、浅井企画に入りたいんですけど』と言ったら『はいどうぞ〜』って言われて(笑)」と、あっさり所属になったことを明かします。
一方、父親が同じく真面目なサラリーマンだったと明かす大木さんですが、天野さんの父親とは違って厳格なタイプだったそうで、芸能界に入るのも反対され、ずっと「普通に働いてほしい」と言われ続けたそう。
奇跡的な確率でお笑い芸人を続けられている
気象予報士の資格も持ち、勉強の末、多いときで7カ国語話せたと言うマルチな才能を持つ矢部さんに、2人が「どうしてお笑い芸人になったの?」と不思議そうに聞くと、「それは(相方の)入江くんが誘ってくれたから」と、きっかけを明かします。
高校の同級生だった入江さんと文化祭でコントをやってウケたことがきっかけでお笑いを始め、「そのうち電波少年(日本テレビ系『進ぬ!電波少年』)に出て、大学を除籍になって……」と振り返りながら「奇跡的な確率で20年以上お笑い芸人を続けられていると思うんですよね」と感慨深そうに明かすと、大木さんも「本当にそうだよね」と自身を振り返ってポツリとつぶやいていました。
それぞれ、いろんなキャラクターの“お父さん”を父親に持つ3人。芸人になろうと思ったきっかけも、それに対する家族の反応もさまざまですが、3人とも今こうやって芸人を続けていけることのありがたさを噛み締めているようでした。
大学生のみなさんも、自分が「やりたい!」と思ったことに対する家族の反応はさまざまだと思いますが、家族の気持ちを大切に受け止めながらも、最終的には自分の気持ちに正直になった方が後悔しないですむのではないでしょうか。
『ボクらの時代』フジテレビ系(毎週日曜7:00~7:30)
放送日:8月8日(日)
カラテカ矢部太郎×天野ひろゆき×ビビる大木
『ボクらの時代』公式ホームページ
<次回の放送>
8月15日(日)7:00~7:30
稲川淳二×テリー伊藤×笑福亭鶴光
文:落合由希
編集:学生の窓口編集部