#春からFES2021 スペシャルインタビュー【前編】『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』優勝の吉住さんが語る、ちゃんとした学生じゃなかった学生時代とは?

学生の窓口編集部

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新しく始まる学生たちの「#春から」を応援する「#春からFES2021」に、インタビューと動画の両方で登場してくれるのは、昨年末『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』で優勝を果たし、今やテレビで見ない日はないほどの活躍ぶりを見せる吉住さん。

インタビュー【前編】では、大学時代はバイト漬けの日々で「ちゃんとした大学生じゃなかった」と振り返る吉住さんに、 “友だちの作り方”、“学生時代にやっておいたほうがいいと思うこと”について、自身の経験をふまえながら語ってもらいました。

売れなかったら「私の人生終わるんじゃないか」…芸人になる目標を持って過ごした学生時代

ーー吉住さんは熊本県立大学を卒業されていますが、学生時代はどんな学生だったんですか?

高校卒業ぐらいのタイミングで「芸人になりたいな」とふと思っちゃいまして。だから、みなさんがちゃんと学生生活を送られている間、私はバイト漬けの日々でした。ほぼ全員が参加して、他大学とも交流をはかるような学校祭にすら参加していない唯一の人、みたいな(笑)。

ーーバイト漬けだったのは、上京する資金を貯めるため?

そうですね。JCAっていう人力舎の養成所に入るのにお金がかかるのもわかってましたし、あとは東京に行きたいというのもあったので、その引っ越し代とか。東京はめちゃくちゃお金がかかるというのも聞いていて、「4年間死にものぐるいで貯めるべきだな」って思ったので、最低限の単位だけを取って、ホントに学生としてはクソみたいな(笑)暮らしをしていたんですが、一応私なりに、ひとつの目標に向かって計画を立てて過ごしていたつもりでした。

ーー大学時代に「今後の自分のためにお金を貯める」ことを最優先事項にされたんですね。

はい。あと、今の時代、何が安定で何が不安定かっていうのもわからないですけど、芸人なんてもちろん不安定な職業じゃないですか。なので、一歩踏み出すのってめちゃくちゃ怖いんですよ! 私もハタから見てる立場だったら絶対「よく芸人なんてやろうと思うな」って思っただろうし。中には「オレには才能があるから絶対売れる」って自信満々でこの世界に入ってくる人もいると思うんですけど、私はどちらかというと「絶対売れるわけない」って思って入ってきてるタイプで。でも、それでもいいからコントをやってみたいと思ったんです。

ーー大学時代にすでにその気持ちは固まっていた?

周りからは「じゃあ趣味でやればいいじゃない」とか「就職して、休みの日にお笑いライブに出たりすればいいじゃない」って言われたんですけど、「そうじゃないんだよなぁ」って。すごく怖いし、当時はもし売れなかったら「私の人生終わるんじゃないか」っていう気すらしてたんで、めちゃくちゃ賭けというか、“人生のギャンブル”くらいの感じだったんですけど、それでも4年間バイトをしながら「ホントに自分は芸人になりたいのか?」って自問自答して「やっぱりなってみたい」という気持ちが強かったので芸人になったんですよね。

周りが言うように、いろんな選択肢を残しておくことって大事だなと思う反面、私はすごく意志が弱い人間なので、逃げ道というか、保険をかけたら絶対に逃げてしまう自信があったので、あえて退路をすべて断って出てきた感じでした。

まずは自分の好きなものを語れる友達をひとり見つける

ーーコロナ禍の今、オンライン授業が多いこともあって友達づくりに苦労する学生が多いんです。吉住さんの場合、大学に入って最初の友達作りはどのようにされましたか?

私、友達が少なくて……(笑)。面倒見のいい子が声をかけてくれたぐらいで、自分から何かをしたっていうのがないんですよね。

ーー積極的に「友達を作ろう!」とは思っていなかった?

そうだったんですけど、今思えばサークルに入るとか、今はあんまりやってないと思うんですけど、新歓(新入生歓迎会)なんかに顔を出しておくと知り合いがもっと増えてたのかなって反省してますし、その反省があったので、養成所に入ったときには「ちゃんと友達作ろう」と思いましたね。

大学って、「この分野が勉強したい!」と思って入る子もいればなんとなく入っちゃった子もいると思うんですけど、私の場合後者だったというか。建築系の学科だったんですけど、建築に興味はあるけどそんなに詳しくなくて。でも建築を勉強したかった子たちって、めちゃくちゃ建築の話で盛り上がってたりとかするんですよ。だからそういう話の輪に入っていけなかったというのもありました。

私が地元にいた頃はまだ“お笑いライブを観に行く”という文化もなくて、芸人になりたいっていう人なんてもちろん周りにひとりもいない状況だったので、友達に「お笑い芸人になる」って言えなかったんです。だから「今あいつはどこで何をしてるんだ?」ぐらいの消息の断ち方をしまして(笑)。

でも、養成所に入ったとき、やっと初めて「お笑いが好きで、芸人になりたい」っていう、同じ方向を向いてる子たちと出会えて、「“芸人になりたい”って言っていいんだ」って思ってすごく嬉しかったんです。やっぱり芸人になるって言うのってちょっと恥ずかしいというか、「こいつはいつまで夢見がちなことを言ってるんだろう」って思われちゃう環境だったので、そこから出てきて、共通点があるっていうだけでこんなに嬉しいんだって思ったので、そういう人をひとり見つけられるだけで世界が広がる気がしていて。

なので、まずは自分の好きなものを語れる友達をひとり見つけるのがいいんじゃないかと。たとえば「このバンドが好き」というのがあったら、さりげなくそのバンドのグッズをカバンにつけてみるとか。そうしたら意外と……、今はリモートなんで難しいかもしれないですけど、大学に行ったとき、例えば自分が陰キャだったとしても、意外と陽キャの人の中にそのバンドが好きで、めっちゃ話合う!みたいな人がいたりするんですよ。

ーーさりげないアピールをすることで、会話のきっかけを作る?

話題がひとつあるだけでそこから話が広がったり、友達の友達とか、どんどん輪が広がっていくこともあるから、好きなものがある人は、そういうアピールをするといいかもしれないなって思います。

恋愛をしてこなかったことをちょっと後悔している部分もある

ーーなるほど。ちなみに吉住さんはこれまで恋愛をしてこられなかったそうですが、大学時代に好きな人はいましたか? 大学内でもバイト先でもいいんですけど。

バイト先は女の子しかいなくて……。すごく楽しかったんですけど(笑)。年下の子とかも多かったんですけど、みんなしっかりしていて。その子たちがいてくれたから、私は大学に友達が少なくても生きてられたな、あの時代を乗り越えられたなって思うぐらい仲よくさせてもらいました。でも、好きな人はいなかったですね。

ただ、今思えば、恋愛をしてこなかったことをちょっと後悔している部分もあります。仕事をする上で、やっぱり人とのかかわりがすごく大事じゃないですか。でも、性格がこじらせまくっているので、自分が思っていることをうまく人に伝えられないんですよ。必要以上にオブラートに包みすぎて、なんにも伝わってなかったことに愕然としたり(笑)。

「イヤ」って一言言えばよかったのに、イヤって言うのはダメなんじゃないかって考えたりして、あとから「え、イヤだったの!? だったらそんなに悩まずにそう言ってくれればよかったのに」って言われたり。とにかく、人とのかかわり方がヘタすぎるなって思うんです。みんなは恋愛というある意味深い結びつきによって、人への伝え方とか付き合い方を学生時代から学んできてるのに、私はその能力がゼロすぎるなっていう壁に今ぶち当たってるので……。

ーーでもそういう、考えすぎてしまったり、人にはっきりものを伝えられない部分があるからこそ、今こういうネタができているところもあるのでは?

そうですね。それを言い訳に私は今生きてます(笑)。そういうのを煮つめた感じのネタになっているのはきっと31年間彼氏がいなかったからだなっていうのもあるので、良し悪しではあるんですけどね。

インタビュー<後編>は、近日公開予定。吉住さんの芸人としての今の自分について語ってもらいました。


PROFILE

吉住さん(お笑い芸人)

1989年11月12日生まれ。福岡県北九州市出身。熊本県立大学卒業後、2013年プロダクション人力舎の養成所・スクールJCAに入所(23期生)。2016年よりピン芸人「吉住」として活動をスタートさせる。2020年、『女芸人No.1決定戦 THE W』優勝、2021年『R-1グランプリ』決勝進出。現在、初のネタDVD『せっかくだもの。』が発売中。
吉住公式Twitter
YouTube【吉住 official channel】

取材・文/落合由希
撮影/為広麻里
編集/学生の窓口編集部

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