「曇天も雲の上なら快晴」メジャーデビューを控えるBMKが今だから語る!研究生時代からメジャーデビューまでの軌跡 #19才のプレイリスト
人生はきっかけの連続だ。だからこそ、自分のやりたいことをどう選べばいいのかわからない。今何をするべきなのか迷ってしまうという大学生のために、「音楽」という道を選んだアーティストに直撃し、19才の頃に聴いていた楽曲を元に人生観を語っていただく連載『#19才のプレイリスト』。
今回は、2021年1月13日にメジャーデビューをするBMKの5人。BOYS AND MEN「研究生」として活動していた彼らがデビューをするまでに感じていたそれぞれの葛藤や、5人が見据えているBMKとしての今後の野望について語っていただきました!
文:於ありさ
写真:友野雄(YU TOMONO)
編集:学生の窓口編集部
▼INDEX
1.三隅一輝「思いの溢れる音楽を聴くと頑張ろうと思える」
2.中原聡太「音楽は一喜一憂しやすい僕を支える生活の一部」
3.松岡拳紀介「先輩ボイメンの曲と恋愛ソングで勇気をもらう」
4.佐藤匠「積み上げていけば、良い方向に向かうかなと勇気をもらった」
5.米谷恭輔「就職か芸能活動かで迷った時、音楽に支えてもらった」
6.読書、話す、寝る…悩みや葛藤の解決策は三者三様!
7.BMKの魅力は泥臭さ!誰かの頑張る活力になりたい
三隅一輝「思いの溢れる音楽を聴くと頑張ろうと思える」
――まず三隅さんは、2020年に20歳になったばかりと言うことで、19歳という年齢に問われず、辛い時や自分が落ち込んだときに聞いていた曲を教えてください。
三隅一輝:特定の曲というよりは、自分の思いをいろんな方に届けようとしているアーティストさんの曲を聞くことが多かったですね。思いが溢れる音楽を聴いていると「あー僕も頑張ろう」って勇気をもらうんです。
――最近だと特に「これ!」というものはありますか?
三隅一輝:ロザリーナさんが歌っている「えんとつ町のプペル」がホットです。プペルの世界観を現した曲で、聞いていると頑張ろうって気分になれます。
――なるほど!そもそも音楽から力をもらった経験はありますか?
三隅一輝:最近だとコロナウィルスの影響でいろんなことが自粛になっちゃったときですかね。2020年の初めにデビューが決まった矢先の出来事だったので「明日どうなるんだろう」って不安な気持ちでいっぱいになっちゃっていたのですが、そういうときにかなり音楽に力をもらいました。あとは、研究生時代から挑戦することがある前の日とかに、音楽を聞いて鼓舞することが多かったです。
中原聡太「音楽は一喜一憂しやすい僕を支える生活の一部」
――中原さんは普段、どんなときに音楽を聞きますか?
中原聡太:常に音楽は聞いてるので、生活の一部になっている感じはありますね。僕はもともと誰かから言われる言葉とか、自分が失敗してしまったこととか小さなことに一喜一憂してしまうタイプなので、そういうときに音楽に頼っています。
――どんな音楽を聞くのでしょう?
中原聡太:辛い時は辛いことを励ましてもらう曲ですかね。逆にもっと辛いことを歌っている曲を聞いて自分の気分をあえて下げるとこまで下げたりもします。
――具体的に「これ!」と言った1曲があれば教えてください。
中原聡太:落ち込んだり、どうにもならないなってときにはミオヤマザキさんの曲を聴くことが多いですね。特に「山崎美央」っていう曲は、ご本人が活動をしていく上での困難やもどかしさを歌いつつ、それらを全部とっぱらって、「それでも私は生きてくんだ」っていうメッセージ性を感じるのですごく好きです。曲を聴くたびに「自分もこういうふうに生きていけたらいいな」って思いながら「頑張っていこう」と思えます。
松岡拳紀介「先輩ボイメンの曲と恋愛ソングで勇気をもらう」
――松岡さんが落ち込んだ時に聞く曲はなんですか?
松岡拳紀介:先輩のBOYS AND MENの曲が好きなんですよね。先輩たちが頑張っている姿を身近で見ていたというのもあって、聞くとやる気が出るんです。でも…
――でも…?
松岡拳紀介:実は恋愛ソングや失恋ソングを聞くことも多いです。落ち込んだ時は、情景が目に浮かぶような失恋ソングを聴いて感情移入して、追い討ちかけて悲しくなることも多いですね。最近だとDISH//さんの「猫」とか。
――なるほど。普段、どんなシチュエーションで音楽から力をもらうことが多いですか?
松岡拳紀介:ライブ終わった後にもう1回「わー!」ってなりたいなって思った時ですかね。恋愛ソングを聞いてると悲しい気持ちにもなっちゃうんですけど、キュンキュンした気持ちにもなるんで、テンションが上がるんですよ。テンションを上げるという意味では、湘南乃風さんの曲を聞いて「わー!」って盛り上がることもありますね。
佐藤匠「積み上げていけば、良い方向に向かうかなと勇気をもらった」
――佐藤さんは19歳の頃どんな毎日を過ごしていましたか?
佐藤匠:19歳の頃は、まだこの活動を始めていなくて、芸術系の大学に通って演劇について勉強していましたね。
――そうなんですね!なぜ芸能活動を始めようと思ったのでしょう?
佐藤匠:ちょっと嫌なやつって感じに思われちゃうかもしれないんですけど、大学に通いながら感じたある一種の違和感がきっかけです。大学で演劇の自主練をするってときに、僕以外のメンバーが全員遅刻をしてきたことがあって。
そのときに「僕は演劇を仕事にしていきたいけど、みんなのやりたい度合いは違うのかな」って感じちゃったんです。それで「だったら、自分がまだ知らない活動をやってみよう」って思いました。
――そうだったんですね。その時によく聞いていた曲はなんですか?
佐藤匠:サクラメリーメンさんの「サテライト」っていう曲ですね。サクラメリーメンさんが有名になるまでの姿や、この曲の歌詞を聞いて「積み上げていけば、きっと良い方向に向かうかな」と勇気をもらっていました。
――この曲にまつわるエピソードがあれば教えてください。
佐藤匠:大学のめちゃくちゃ大事な試験と、このグループの最終面接がかぶっちゃったことがあって。そのときに「どっちを取ろうか」めちゃくちゃ悩んだんですよ。それで、ダメ元で大学の教授に説得しに行ったんですけど、その説得に行くまでの時間にも聞いていた曲です。
米谷恭輔「就職か芸能活動かで迷った時、音楽に支えてもらった」
――米谷さんの19歳の頃を教えてください。
米谷恭輔:19歳の時は、自動車整備士の資格を取る専門学校に行っていたんですよね。それで進路を決める時に、まさに就職するか、今の活動をするか迷った経験があります。
――その時、聞いていた曲は何ですか?
米谷恭輔:ZORNさんの「MY LIFE」という曲に勇気づけられていましたね。ちょうど日本語ラップにはまったのですが、ヒップホップって酒、ギャンブル、女みたいな感じが多い中でZORNさんのこの曲は日常の中で小さな幸せ見つけているような歌詞なんですよ。
それに、ZORNさん自身、3人の娘さんがいて、普段は働きながら、ラッパーとしての活動もしている方なんですけど、その姿に奮い立たされていましたね。当時、学校に通いながら夢を見ている自分の姿と勝手に重ねていました。
――なるほど。今はどんなときに音楽から力をもらうことが多いですか?
米谷恭輔:僕はライブの直前にHIPHOPを聴くことが多いですね。ゴリゴリの鋭い言葉が詰まったラップを静かに聞いたりしています。
佐藤匠:たしかに、ライブが始まる前に目力がさらに強まっていることが多くて。「ガン飛ばしてんのかな?」って思ってるとだいたい曲聞いているよね(笑)。
読書、話す、寝る…悩みや葛藤の解決策は三者三様!
――読者の中には悩みや葛藤を抱えている学生も多いです。皆さんは悩みや葛藤があった時はどうやって打開してきましたか?
三隅一輝:僕は20歳になってから、読書を始めました。高校を卒業したくらいからって、可能性が無限にあって、いろいろなことにチャレンジできるじゃないですか。その結果、チャンスがありすぎて「どれに手をつけたらいいんだ」っていう悩みにぶつかったんですよ。だから、とりあえず本屋に行って片っ端から本を買って、自分に合うものと合わないものを見つけようと思ったんですね。
――なるほど!どんな本を読むんですか?
三隅一輝:お金とか、環境問題、LGBTとか、ニュースで言われているような話題をとりあえず入れてみようとしています。芸能活動との掛け合わせって、無限にありますからね。20代前半は、とりあえずいろいろ手を出して、いろいろ吸収していきたいです。
――偉い…。他の皆さんはどのように壁を乗り越えてきましたか?
米谷恭輔:とりあえず寝ますね。僕、いい意味でも悪い意味でも結構根に持つタイプなんです。優しくしてもらったら感謝の気持ちをずっと忘れないですし、嫌なことされると「マジで覚えてろよ」みたいな。でも、一時的な感情で失敗したくないなと思っているので、リセットするために、そういう時は寝るようにしています。寝ると「あれ?こんなことで怒ってたの?」って冷静になれるのでね。
――「寝る」なら今日からでもすぐにできそうですね!佐藤さんはいかがですか?
佐藤匠:僕の場合、何かに悩む時って、悩んでる対象と自分のことしか頭になくなってしまうんですよね。だから、あえて全く関係のない人と関わるようにしています。そうすることで、自分の考えに酸素が入る気がするんですよね。今、自分がいる場所とは別の世界に関われる相手を常に作っておくのって大事だなと思います。
――なるほど。「悩んでいる時こそ他の人と関わろう」と思えたエピソードがあれば教えてください。
佐藤匠:僕、19歳の終わりぐらいから、この活動を始めたんですけど、最初は結構ギャップに苦しんだんです。だって、自撮りなんてしたことなかったんですもん。その時に今でもお世話になっている大学のドイツ語の先生と話す機会があったんですけど、「え?カメラロール自撮りばっかり?やばいね」って言われたんですよ(笑)。それを聞いて「たしかにそうかも!うまくできなくてもしょうがない」って思えたんですよ。
――そうなんですね!松岡さんはどうですか?
松岡拳紀介:僕、人前に出るのが好きなんですけど、その一方で超人見知りなんですよ。
――意外…。
松岡拳紀介:だからステージに立つとめちゃくちゃ緊張しちゃうんですけど、ステージに立っている時は「一番輝いているぞ」「一番かっこいいじゃん!イェイ」って思いこんでやって、なんとか打開しているんですよね。
佐藤匠:悩みじゃなくて、人見知りを打開する方法だよね、それ!
――(笑)。中原さんはいかがでしょう?
中原聡太:僕は周りの人たちのおかげで乗り越えてますね。ちょうど19歳の頃って、研究生が13人いたんですけど、そこから選抜されてメジャーデビューする人たちと、僕らのように選ばれなかった人たちに分かれていきました。
正直、その時の気持ちを今振り返ると、「落ち込み」よりも「このグループとしてやっていくためになんとかしなきゃ」って前向きな気持ちが強かったんですね。でも、そういう気持ちで活動すればするほどぶち当たる壁も多くありました。
――なるほど。
中原聡太:そんなときに、同じ目標を持っている仲間、ファン、マネージャー、メンバーがいるってすごく幸せだなと思えたんです。一緒に頑張ってくれる人がいるから、心が折れかけても、気持ちを入れ替えて「頑張ってみよう」「成功する姿を見せたい」って思えました。
――素敵…!結構メンバーの皆さんで悩みを共有しあったりするんですか?
全員:いや、しないな…。
――あれ?笑
中原聡太:うーん…「支え合って」とは言いましたけど、考えてみればお互いに口に出して話し合ったりはしないですね。
佐藤匠:どっちかというといるだけで安心する、というかね。
米谷恭輔:ベタベタしすぎないので、ちょうどいい距離感というか風通しはいいのかもしれません。でも…もっと共有した方がいいのかな?
三隅・中原・松岡・佐藤:いやいや!今のままでいいよ!
米谷恭輔:そういえば大きいライブの前に「みんなで鍋行こうや」って誘ったら、なんか「え?米谷が誘うの?まじ?」みたいな空気感になったことあったよね(笑)。
松岡拳紀介:あったね。
米谷恭輔:あと、テトリスのキーホルダーのガチャガチャを見つけて、メンバーカラー分、みんなにわたしたのに、みかちゃん(三隅一輝)無くしちゃったとか言うし…。
三隅一輝:だって、そんな強い思いがあると思ってなかったんだもん(笑)。
佐藤匠:たぶんリーダーなりに節々で結束力を高めようってするんだけど…。でも、ほら、テトリスって集まっちゃうと消えちゃうから、ちょうどいいんじゃない?
BMKの魅力は泥臭さ!誰かの頑張る活力になりたい
――いよいよメジャーデビューですが、これから皆さんはどうなっていきたいでしょうか?
三隅一輝:僕ら研究生として4〜6年活動を続けて、ずっとボイメンや、社長の谷口 誠治の背中を見て育ってきて、メジャーデビューも含めてたくさんの夢を見さしていただいたんですね。だから、次は僕たちが誰かに夢を与えられそうな存在になっていきたいなと思っています。
そのためにはもっと頑張らなきゃだし、もっと上り詰めなきゃいけない。男性から見ても「あいつら頑張ってんだな、いいやつらだから、応援してやろうかな」って思ってもらえるような、泥臭い頑張りをしていけたらなと思っています。
中原聡太:この業界で活躍している人たちの姿を見て「この人すごくかっこいいな、自分も頑張ってみよう」って明日を生きる活力をもらってきたので、僕らからもそういうことを届けられたらいいなと思っています。
今の僕らの場合、ライブに来てくださった人に発信することが多いのですが、もっとグループとして大きくなっていって、直接会うことができないような画面越しの人たちにも元気と勇気を与えられる人になっていきたいです。
松岡拳紀介:1つ目標があって、大学とか高校に特別授業としてサプライズで登場したいんですよね。それで、すごい「わー」って喜んでもらいたいんです。そのためには誰もが知っているような国民的なグループにならなきゃですね。待っててください。
米谷恭輔:待っててください…?まあ、いいや。僕ら、逆風を受けるたびにどんどんあがっていく、ど根性グループというのがコンセプトなんです。今、日本全体が逆風を受けている状況なので、僕たちが上に行こうぜという姿勢を見せることで、「こいつら頑張ってるなら、もうちょっと頑張ろう」と思ってもらえたら最高ですし、「なんか憎めないよね」と全国の皆さんから愛される存在になれたら最高だなと思います。
佐藤匠:僕はフェスで話す言葉が染みるグループになりたいです。正直、僕アイドルが好きなので、あんまりバンド詳しくなかったんですけど、バンド好きなマネージャーが自粛期間にいろんなアーティストさんの動画を紹介してくれたのをきっかけに見てみたんですね。
そしたら、初めて見たバンドなのに、なんか言葉に泣けてくることがあったんですよ。それっていろんなことを乗り越えてきたことが全部、体中から滲み出ているからなのかなって思ったんです。だから、そういう存在になりたいなって。
――ありがとうございます!この記事を読んでいる大学生の中には、今の生活にもやもやしている人も多いと思います。そんな人たちに向けてメッセージをお願いします。
三隅一輝:ぜひ「モンスターフライト」を聞いてほしいですね。「曇天も雲の上なら快晴」って歌詞があります。これを聞いた時に、僕「勝つまで辞めなければ負け知らず」と言う言葉を座右の銘にしているんですけど、まさにそれだなって思ったんですよね。
だから、頑張って、しがみついていれば、いつか光が見えるかもしれないから。一緒に耐え凌いで、皆さんと一緒に快晴を見えたらいいなと思います。
中原聡太:苦しい状況を耐えるっていうのは、すごく難しいことだとは思います。でも、そこを耐え抜いた先で、経験が必ず自分の力になると僕は信じているんです。だから、今は辛くても就職するタイミングだったり、新しい生活になったときに、それが必ず生きてくると信じて、悔しいことも苦しいことも全部原動力に変えて、どんどん前に進んで欲しいです。
松岡拳紀介:やっぱり1人でいると気持ちが落ち込んじゃうことってあると思うんですけど、そう言う人たちには「そうじゃないよ、僕たちがいるぞ」と伝えたいですね。そこのあなたも、みんなメンバーなので、一緒に元気になっていけたらなと思います!
米谷恭輔:本当に今の大学生って大変そうですよね。弟を見ていても、大変なんだなという言葉で片付けたくないくらい、大変なんだろうなって思います。正直、お先真っ暗に感じちゃっている人もいると思うんですけど、もうここから何だってできると考えたら逆にポジティブにもなれると思うんですよね。僕たちも逆風に向かって進んでいるので、同じ空の下で俯かずにやっていけたらなと思います。
佐藤匠:大学生を経験していたことがある分、後輩の話を聞いて大変だろうなと思うんですよね。受験生のときって輝くキャンパスライフをめちゃくちゃ楽しみにしていたのに、味わうことなく始まっちゃった人もいるでしょうし。それで「なんか今最悪だよね」っていう最悪な感情に陥っちゃっている人もいると思うんです。
でも、それって今いる世界を限定しちゃってるからなんじゃないかなとも思うんですよ。だから、あえて別の世界とつながってみてもいいんじゃないかなと思います。きっと世界の広げ方っていろいろあると思うので、「明日、今の自分と違うことをしてみよう」って考えれたら、楽しくなるんじゃないかなって。そんな中で僕たちというグループに出会ってもらえたら嬉しいですね。