弁理士とはどんな職業? 資格は必要? 2ページ目
弁理士になるには国家資格が必要です。日本弁理士会によると、この弁理士という制度は、1899年に「特許代理業者登録規則」というものが発布されたのが始まり。実は国家資格の中では、弁護士の次に古い歴史を持つ資格なのだそうです。
弁理士資格は「弁理士試験」に合格し、実務修習を修了して弁理士登録をすることで与えられます。受験資格に制限はありませんが、刑事処分を受けた人や業務上の処分を受けた人、また未成年者などは受けることはできません。
試験は、
●短答式筆記試験
特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令など全60問
●論文式筆記試験
必須科目は工業所有権に関する法令(特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令)、選択科目は理工(機械・応用力学)や法律など6つの中から選択
●口述試験
工業所有権に関する法令(特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令)
このような内容になっています。試験は一度に行われるのではなく、短答式筆記試験は5月、論文式筆記試験は6月から7月、口述試験は10月に行われます。それぞれに合格発表があり、合格することで次の試験に進むことができます。
特許庁の「平成28年度弁理士試験最終合格者統計」によると、2016年(平成28年)度は受験者4,211人のうち、合格者は296人。合格率は7.0%と非常に低いものになっています。弁理士になるのは非常に難しい、ということですね。
試験に合格した後、弁理士になるための「実務修習」を修了し、弁理士登録をする、という流れです。
ちなみに、
・弁護士の資格を有する人
・特許庁において、通算7年以上審判官または審査官として、審判または審査の事務に従事した人
については、実務修習の修了のみで弁理士になることができます。
資格取得後は、特許や商標などの出願などの相談を請け負う特許事務所で働く、さまざまな商品を取り扱うメーカーの知的財産部に入り、自社の特許や商標管理を行うなどの進路が挙げられます。特許事務所で経験を積んだ後に、独立するといったパターンも少なくありません。
弁理士とはどんな職業かについて解説しました。取得するハードルは非常に高い弁理士。しかし、知的財産を守るために重要な仕事ですし、企業にとっては必要不可欠な存在ですから、今後ますます需要は高まるでしょう。
■データ引用元
日本弁理士会「弁理士とは」
⇒
http://www.jpaa.or.jp/patent-attorney/
特許庁「平成28年度弁理士試験の結果について」
⇒
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/h28_benrisi_kekka.htm
(中田ボンベ@dcp)