試験勉強に役立つ! 暗記力UPのために実践すべきこと6選【学生記者】 2ページ目
では、暗記力を向上させるために今すぐ実践すべきことを6つ紹介していきます。
(1)エビングハウスの忘却曲線を参考に復習する
「一度学んだことは二度と忘れない」といくら思っても、数分後、数時間後、あるいは数日後にはほとんど忘れてしまっていることは誰にでもあります。人は「忘れる生き物」なのです。しかし、人が記憶を忘れる(忘却する)時間にはある規則があることを調査した結果があります。「エビングハウスの忘却曲線」というものです。
この忘却曲線の図には、以下のような実験結果が残されています。
「エビングハウスの忘却曲線」20分後には42%を忘却し、58%を保持していた。 1時間後には56%を忘却し、44%を保持していた。 1日後には74%を忘却し、26%を保持していた。 1週間後(7日間後)には77%を忘却し、23%を保持していた。 1ヶ月後(30日間後)には79%を忘却し、21%を保持していた。
要するに、1日後には7割以上を忘れていることになります。また、一週間後には8割近く忘れており、人の記憶がいかに「弱い」ものかを証明する結果になっています。もし、あなたが今暗記したいことがらを「今後覚え続けたい場合」に最低限するべきことは下記の3つです。
1.翌日に復習する
2.一週間後に復習する
3.1ヶ月後に復習する昨日学んだことを今日やり、一週間前に学んだことを今やる。
そして、それらを1ヶ月月後にもう一度復習します。スケジュールに学んだ範囲や分野をメモしておき、あらかじめ「予定に組み込んでおく」ことが必須ですね。
(2)青ペン暗記法
学生のテスト試験対策として、よく講義や授業の内容をノートに「まとめなおし」たり、色を3色以上使って「みやすい」まとめノートを作ったり...…たしかにその努力は無駄ではなく、「知識の体系化」「整理」のためには重要なことです。
しかし、もし切羽詰まった状況であったり、すぐに覚えるべきことができてしまったりした場合は、そんな悠長に暗記の時間を確保する余裕はありません。そういった状況での勉強は"苦"以外のなにものでもありません。
そんなときは、「青ペン学習法」です。やり方は簡単です。「紙に青ボールペンで暗記したいことを書く」だけです。「青」は視認性が高く、情報が脳にインプットされやすいという効果があります。「青ペン学習」を推薦している書籍もあるほどに、その効果は認知されています。用意するものは、「学びたいこと」と「青のボールペン」と「紙」だけです。あとは、行動あるのみです。
(3)音読する
テキストや文献などを「黙読」ではなく「音読」するという暗記方法です。視覚だけではなく、聴覚を使うことで、より暗記に取り組んでいる最中の脳に、インプットしたい情報が残りやすくなると言われています。たとえば、語学の勉強の場合は、「シャドーイング」が有効です。英語CDに合わせて音読するだけで成績がUPした...…という例には枚挙にいとまがありません。
音読は、書くという作業よりも時間がかかりません。前述の忘却曲線を参考にしつつ音読する機会を設けるだけで、暗記したいことがらの脳への定着率は劇的に向上するはずです。
(4)エピソード記憶
人は、興味のないことを覚えることはできません。たとえば、自分の身の回りですぐパッと「おもしろい人」を思い浮かべてみましょう。キャラクターが濃い人が思い浮かぶはずです。そして、自分はその人に対して(よくも悪くも)興味を持っているでしょう。そして、その人に興味を持ったきっかけは、なにか特別なエピソードがあったからに違いありません。言動が興味をそそる動機になったのです。このように、記憶はエピソードによって"確固とした"ものとして定着します。歴史が嫌いな人で、歴史にすごく詳しい人がいないのも、上記の例を知れば納得できます。では、記憶をエピソードとして定着するにはどのような方法があるのでしょうか?
ここでは3つ紹介します。
1 .「おもしろいこと」「嫌なこと」があった後に勉強する
2.場所を変えて勉強する
3.物語を作ってしまう
特に、いちばん簡単な方法は2の場所を変えて勉強する方法です。シチュエーションを変えるだけで、「そういえば、この内容は県立図書館でやったな..….」とエピソードとして記憶に定着するでしょう。もし、暗記したいものが業務フロー等の一連の流れであれば、それを文章にしてストーリーを作ってしまうのも一つの方法です。「ここで資料を準備し、ここでこの内容を説明し、本題に入ったことで、相手先と親密な関係を築けて今やビジネスパートナーになりました!」みたいに、少々「妄想」のようになってしまうくらい強烈なエピソード、ストーリーを構築してみると、クリエイティブな暗記をすることができますよね。
(5)わからないところだけを「マーク」する
これは普段する暗記の延長線上にあるものです。わからないところだけをマークして(○でも☆でもなんでもOK)わからなかったり、難解なものだけにしるしをつけておきます。
暗記をするうえで、最もしてはいけないことが「二度手間」です。すでに覚えたものをもう一度やってしまうと、その分、脳のリソースを割くことになってしまいますから、本命で覚えたいものを記憶から除外してしまう可能性もあります。
特に完璧主義な人は「暗記するときはここからここまで!」ときっちり決めて最初から最後まで行う(あるいは途中でやめてしまう)ことが多いのです。自分のわからないところだけを見定める視点は、暗記を楽しむうえでも重要ですし、効率的な暗記をするためにも重要です。
(6)発信する
もし、あなたが試験を明日に控えている場合や、明日すぐに覚えて使わなくてはいけないものに取り組んでいる際は、青ペン学習や音読などが有効でしょう。しかし、本当の知識としてものごとを暗記したいのであれば、発信することにこそ重点を置く必要があります。「人に教えるつもりで学ぶ」「実際に人に教える」のは重要ですが、実際にそんなことができる人は、限られた環境にいる人だけでしょう。
それに引き換え「SNS」「ブログ」といったサービスを活用した発信は、記憶の定着を大幅に助けてくれます。SNSだと、知人の前で知識をひけらかすことをよしとしない方も多いでしょうから、まずは匿名ブログなどで発信するのはどうでしょうか?
もちろん、自分が覚えたことをすぐさま発信することに、まったく弊害がないわけではありません。しかしながら、もしあなたがその覚えたことをしっかりと活用したいと考えるのであれば、「発信する」ことを前提とした暗記をすることが大切です。そういった機会は、情報社会である"現代"に生きる私たちの特権であるとも言えます。
いかがでしたか? 今回は、暗記をする理由や暗記力を向上させる必要性を説明し、その後、今すぐ実践すべき暗記の方法やコツを6つ紹介しました。どれも暗記する方法としては役に立つでしょう。効率的に学び、楽しく暗記するためにはまずは今回紹介した方法から試してみてくださいね。暗記に悩む方がスムーズに暗記力を向上させ、学びを楽しく行えることを願っています!
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文:IKIKATA
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