ガンダムファン大興奮! 世界にほこれる「ガンプラの技術進化」 と36年の歴史

学生の窓口編集部

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アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツなどをプラモデル化した「ガンプラ」は、1980年に初めて登場して以来、多くのファンを獲得してきました。大学生のみなさんもファンが多いのではないでしょうか? そんなガンプラは35年以上たった現在もホビーの1ジャンルとして確固たる地位を築いています。いままでの36年に及ぶ歴史の中で数々の技術的な革新を取り入れてきました。そんなガンプラの歴史が気になる人もいるでしょう。そこで今回はそんなガンプラの発展を支えてきたテクノロジーについてご紹介します。


■手書き設計、木型製作からの出発

プラモデルのキットを作るには、

●手書きによる設計図作り
●木型作り
●型どり、パーツ分け
●ランナーに付いたキットの製作●金型製作

といった工程をたどります。1980年7月に発売された初めてのガンプラ『1/144 RX-78 ガンダム』(現在の販売価格も当時と変わらず300円※ただし消費税は掛かります)も同様の工程で製造されました。
手書きの設計図を起こすのは非常に難しいものでした。設計者は頭の中に架空の造形物を描きながら、それを実際の形に仕上げなければならないからです。

アニメの中ではアニメーターが自在に動かしているモビルスーツも、手に取れるものにするには困難なことでした。絵としての格好よさを優先しているため、ガンダムのボディラインが曲がっていたりなどアニメならではの演出があるからです。プラモデルのキットではこのような部分は実現できません。

また昔はアニメの設定画はそこまで細かいものではありませんでした。設定画にはない部分もあり、そこは想像で補うしかなかったり、またメカデザイナーに問い合わせたりしなければなりませんでした。

木型作りもまた難しい仕事です。ここで初めて設計図から立体になるわけですが、立体に起こしてみて気付く瑕疵(かし)もあり、この場合はまた作り直しになってしまいます。
最初のガンプラはこのような数々の困難を乗り越えて、設計者の熱意によって生み出されたものなのです。

■設計段階での技術革新はコンピュータの使用による

ガンプラの進化は設計段階でのコンピュータ導入によって加速しています。エポックとなったのは次の2点です。


●2D-CAD、3D-CAD(&CAM)の導入
●ラピットプロトタイピング(光造形)による試作作成

設計図面をコンピュータを用いて作ることで、設計者の意図した形状がダイレクトに製品化可能となりました。手書き&木型時代では、設計者は頭の中で製品構造を把握しながら設計する必要がありましたが、3D化したことでその負荷から解放され、設計自体に注力が可能となったのです。また、3D-CAD&CAMにより精度が向上。「データ = 製品」となったことで、複雑な構造やギミックが実現できるようになっています。

バンダイホビーセンターによれば「多色インサート成形等に代表される現在の製品クオリティーは、手書き&木型では再現不可能。ラピットプロトタイピングにより、試作作成に関しても精度向上・スピードUP・低コスト化が実現している」そうです。


ちなみにこれらの技術が投入された初めての製品は、2001年1月発売の『MG(マスターグレード) 1/100 MS-18E ケンプファー』です。これ以前は一部3D設計で、一体丸々3D設計なのはこちらの商品が初とのこと。
各モビルスーツの3D設計ができたことで、これを用いてパッケージイラスト(主にマスターグレード商材)や、説明書の組み立て図用のイラストを制作できるようになりました。商品と齟齬(そご)のないイラスト、分かりやすい構図の組み立て図が作れるようになったのは、設計段階での技術革新と直結しているわけです。


パッケージイラストに初めて3Dデータが活用されたのは、2001年2月発売の『MG 1/100 MS-07B-3 グフカスタム』。3Dデータを活用した組み立て図が初登場したのは2001年1月発売の『MG 1/100 MS-18E ケンプファー』になります。

■ガンプラの技術革新の数々

設計以外でも、ガンプラでは以下のような技術革新が遂げられてきました。



●多色成形
1つのランナーの中に違った色のパーツを盛り込める技術


現在は4色まで一つのランナー、または一つのパーツの中に盛り込むことができます。プラモデルのキットは従来単色で製造されており、組み立ててからモデラーが色を塗るものでした。しかし、色をきれいに塗れるようになるには技術の修得が必要です。また必要な色を別途購入しなければなりません。そこで、誰が作っても必要最低限の色が付いた完成形となるように、あらかじめキットに色を付けておく技術が必要になりました。しかもできるだけ一つのランナーにそれらパーツをまとめられなければなりません。この技術はそれに応えるもので、この技術のおかげで、ガンプラ作りは初心者の人でもより楽しめるようになりました。

この技術が投入されたキットは1983年7月発売の「イロプラ」シリーズの『1/250 機動戦士ガンダム』シリーズでした。


●システムインジェクション
素材の異なるパーツを一つのランナーの中に盛り込める技術

異なるパーツをあらかじめ組み合わせた形でランナーに盛り込むことも可能

多色成形からさらに進化するべく開発された技術です。素材の異なるパーツは製造工程も別ですから普通は一つのランナーの中に入れることはできません。しかし、ガンプラがより複雑な構成になるにつれ、部品点数も増え、そのパーツの中には異なる素材のものが混じるようになりました。
これはその状況をクリアするために開発された技術です。現在では、例えば『RG 1/144 RX-78-2ガンダム』の内部フレームなどは、あらかじめ複数のパーツを組みあせた状態で一つのランナーに盛り込むことまで可能となっています。この技術が最初に投入されたのは1986年頃とのことです。

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