母性本能? 母イヌが子ネコにお乳をあげるのはなぜ?

編集部:はまみ
2016/04/20
学生トレンド
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たまに、イヌが子ネコにお乳をあげたり、逆にネコが子イヌにお乳をあげたりといった異種間の子育てが見られたりします。かわいらしくて見ていると思わず笑顔になってしまう光景ですが、この異種間子育てはなぜ起こるのでしょうか?


■愛情には共通のメカニズムがある!?

まず上野動物園に取材しましたが「なぜ異種間の授乳・子育てが起こるのか科学的な理由は分からない。ただ、そこに愛情があると思うのは人間の解釈です。人間もイヌやネコなどを育てるわけで、そこには何か共通するメカニズムがあるのではないか」とのこと。

国立科学博物館に当たってみましたが取材できませんでした。そこで、公開されている海外の英語文献を当たってみたところ面白い実験結果を見つけました。

■「オキシトシン」という「愛情ホルモン」

「オキシトシン」という脳内で分泌されるホルモンがあります。このオキシトシンは、闘争欲や恐怖心を減退させ、良好な人間関係があるときに分泌されます。母子、人同士の絆を深める作用があり、そのため「愛情ホルモン」また「抱擁ホルモン」と呼ばれます。

このオキシトシンは、人間同士だけではなく、人と動物、また異種間の動物同士の触れ合いでも分泌されるのです。カリフォルニア・Claremont Graduate Universityのポール・ザク教授は、人と動物、また動物同士が触れ合った際に、オキシトシンの濃度がどのように変化するかを実験しました。

結果は驚くべきものでした。雑種のテリアとヤギを実験に用いたのですが、彼らが一緒に触れ合った(走ったり、跳ねたり、けんかのまねをしたりした)後、オキシトシンの血中濃度を計測してみると、イヌでは48%の上昇、またヤギの方では信じられないことに「人間なら真実の愛というべきレベル」まで上昇していたのです。

■「オキシトシン」には乳汁の分泌を促す働きがある

この愛情ホルモン・オキシトシンが異種間の授乳現象にも関わっているのではないでしょうか? というのは、オキシトシンは末梢(まっしょう)神経で働く作用があり、分娩(ぶんべん)時における子宮収縮、また乳腺の筋線維を収縮させて乳汁の分泌を促す働きもするのです。

それまで子供を産んだことのない雌イヌが子ネコに出会い、触れ合っている間にお乳が出るようになった、なんて話があります。これは、子ネコと触れ合った雌イヌの脳内でオキシトンが多量に分泌され、その刺激によって授乳を行うようになったと考えられないでしょうか?

ザク教授の実験によって、ネコよりもイヌの方がオキシトシンをより多く分泌することが分かっていますので、「イヌのお母さんは子育てがうまい」「イヌのお母さんはよその子でも育てる」といった世間でよくいわれることの理由もこの辺にありそうです。

残念なのは、実験で確認するのが難しいことです。異種間の子育てをする前のイヌ、子ネコに授乳を始めたイヌの両方の状態の血中オキシトシン濃度を調べるなどをしないといけませんからね。子育てに神経質になっているお母さんイヌにかまれるかもしれません(笑)。

実験の結果はともかく、異種間の授乳がなぜ起こるのかについて研究者の科学的解明を待ちたいところです。

⇒ポール・ザク教授の実験を紹介する記事(英語)
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-299...

(高橋モータース@dcp)

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