コーヒーなのに「果肉」入り?! 開発&ブランド戦略担当者に聞いた、缶コーヒー「ダイドーブレンド うまみブレンド」開発秘話

編集部:はまみ
2016/03/22
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ブランド戦略担当・岩崎奈津子さん
(※「さき」の字は山へんに立つに可。環境依存文字のため「崎」で代用。)

2016年2月29日にダイドードリンコ株式会社から新発売された缶コーヒー『ダイドーブレンド うまみブレンド』。コーヒー豆だけでなくコーヒー豆を包み込むフルーティな果肉部分もブレンドしているということで、缶コーヒー界に新風を吹き込む商品だと注目されています。注目の新商品はどのように誕生したのか……ダイドーブレンドのブランド戦略担当である岩崎さんと開発担当の小西さんに開発までの道のりを聞きました。

————そもそも、缶コーヒーの「ブランド戦略」とはどんなお仕事なのですか?

岩崎:目標は会社の掲げる売り上げを達成することと、「ダイドーブレンド」ブランドの価値を高めること。そのためには必要な商品ラインナップと各商品のコンセプトを創りあげることが仕事です。具体的にはマーケティング部内の「開発グループ」「顧客・市場調査グループ」「コミュニケーショングループ」の各機能をリードし、実現していくことになります。

————今回「うまみ」を開発するきっかけになったのはどんなことでしょうか?

岩崎:現在、当社の加糖ミルク入り缶コーヒーのロイヤルユーザー層は40~50代ですが、それに対して今後の缶コーヒーユーザーとなり得る20~30代の若年層のみなさんにも、もっとダイドーの缶コーヒーを飲んでほしいと考えたことが始まりです。高校時代から街にスターバックスコーヒーなどのカフェチェーンがあった世代は、今までとは味覚が違います。若い人たちのコーヒーに対するニーズ「本来のおいしさが味わえること」「素材のおいしさが感じられること」「原料がよいこと」に応えることで、手にとってもらえる缶コーヒーを作りたかったのです。もうひとつ、ダイドードリンコは昨年創業40周年を迎えましたので、香料無添加にこだわり“コーヒーの素材本来のおいしさ"をお客様に届けてきた歴史と自信を体現したブランドの「顔」となる商品を世に送り出したいという理由もありました。

————コーヒーの果肉を使うという従来の缶コーヒーとはまったく違う発想に、社内で反対意見はなかったのでしょうか?

岩崎:当初から「新しい」と「おいしい」の両立は簡単ではないことを社内で共有し、一緒に乗り越えていこうという雰囲気を作っていたので軋轢はなかったです。でも「今までにない」を実現するにあたって「果肉」に行き着くまでには、山ほどアイデアを出し合い、開発グループと何度も検討を重ねました。たくさんの議論を重ねたので、スケジュール的にギリギリのタイミングでしたが、会社全体で納得できた商品を発売することができました。

————逆に、果肉入りコーヒーはなぜ今までに商品化されなかったのでしょうか? また、今回あえてそこに注目した理由は?

岩崎:ほとんどの産地では果肉や果皮は使わないことを前提にコーヒーを生産しているため、原材料の確保から始めなければならず、商品化にはハードルが高いんです。しかし最近、乾燥させたコーヒーの果肉・果皮を煎じて飲む「カスカラティー」などコーヒーチェリー(コーヒーの実)が注目されつつあるので、挑戦するだけのポテンシャルはあると考えました。

————コーヒーの果肉の味は想像がつかないのですが、それが缶コーヒーの味わいにどのように活かされているのですか?

岩崎:ほのかな甘味とさわやかな酸味が特徴です。豆本来のしっかりとしたコクに、果肉のほのかな甘みが融合することで、新たな味覚であるコーヒーの“うまみ"を生み出しています。果肉はたくさん加えれば良いわけでなく、味わいの成否は開発担当者のブレンド技術にかかっています。

————では開発担当の小西さん。缶コーヒーの「開発担当」はどんなお仕事で、どんなスキルが求められるのでしょうか?

開発担当・小西勝彦さん

小西:マーケティング戦略に沿って、市場で求められている味と私たちの商品の位置づけを分析し、それに合った中身を作る仕事です。豆選びから煎り方、ミルクの配合などを検討して最終製品に落とし込んでいきます。基幹となる部署なので、コーヒーの基礎知識は必要です。コーヒーインストラクターの資格を取得し、缶コーヒーを飲むことはもちろん、休日は自分でブレンドを試したり、カフェでもコーヒーを飲んだりして味覚を磨く努力をしていますね。

————缶コーヒーの味はどのように決めていくものなのですか?

小西:戦略に基づいた方向性に対してどの豆が適しているのか? から始まり、単一豆の特徴とブレンドしたときの味を検討して、試作を社内に提案します。多くの部署が集まる会議で試飲をしたり、消費者に対象とした調査結果に基づき改良を重ね、スケジュールに合わせて仕上げていきます。缶コーヒーは加工食品なので、製造過程で熱が加わるのがレギュラーコーヒーと違うところ。さらに豆の特徴だけでなく、ブレンドや焙煎度、ミルクと砂糖を加えたときに狙った味覚をどう表現するか、まさに試行錯誤の連続です。そうした複数要素の融合が缶コーヒー開発のおもしろさであり、こだわりです。

————今回の新製品「うまみブレンド」の味わいを出すためには、何にこだわりましたか?

小西:「うまみブレンド」はコーヒー豆のコクと果肉のほのかな甘みを最大限に活かした新しい味を目指したので、ベースの豆にフルーティさが特徴の「モカ」という品種を選び、ブレンドを組んでいきました。ただ、素材本来の味わいを生かす「香料無添加」を守りながら新しいものを目指す場合、焙煎豆だけだと味の幅が決まってしまいます。そのとき行き着いたのが、ダイドーブレンドのシンボルである3色フラッグが象徴する「緑」=生の豆と、「赤」=果実と、「黒」=焙煎豆の融合でした。焙煎豆だけでなくコーヒーの生豆・果肉までまるごと使用することにより、今までと違う味ができたと自信を持っています。

————青地に真っ赤なコーヒーチェリーというパッケージデザインも、従来の缶コーヒーとは一線を画した斬新なものですね。

岩崎:「新しい」と「おいしい」の両方を表現するために、何百種類も試作を行いました。デザイナーさんは本当に大変だったと思います(笑)。でもその甲斐あって、コーヒーとして新しい美味しさを期待させるものに仕上がりました。他の缶コーヒーと並んでいても目を引き、「うまみ」の文言も日本人には「おいしい」と認識されることもあって、SNSなどでの反応もいいようです。

————発売されたことで一旦みなさんの手を離れたとは思うのですが、「うまみ」の今後の展開はどうなるでしょうか?

岩崎:それがまだ全然離れていないんです(笑)。すでに16年秋冬や、17年春夏の販促プロジェクトも始動し、お客様の評価の分析や、更なる成長に向けた課題を予測してどんなアクションも取れるように準備しています。飲料は年間1,000の新商品のうちひとつがヒットするかどうかといわれるほど競争の激しい市場。ダイドーブレンドのブランドを掲げて送り出した「うまみブレンド」を、全社をあげて大切に育てていこうと思います。

開発担当の試行錯誤とブランド戦略担当の若者の味のニーズへの知見を活かして完成した缶コーヒー「うまみブレンド」。発売後もまだまだブランドとして育てていく予定があるということで、今後の反響やさらなる進化が楽しみです。

文●鈴木絵美子
取材協力●ダイドードリンコ株式会社 マーケティング部ブランド戦略グループ 岩崎奈津子さん/商品開発グループ 小西勝彦さん

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