西高東低、関西と違う敷金礼金……引っ越すなら知っておきたい都内の不動産の常識
引っ越しシーズンになってきました。大学を卒業して入社を控えた新社会人、入試を突破して今年から東京都内に住むことになる新入生の皆さんが引っ越しをする時期です。現在賃貸物件を探している人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、「都内の不動産の常識」についてご紹介します。
「都内の不動産の常識」について、中堅不動産ディベロッパーの営業マンにお話を伺いました。
●都内の賃貸物件の相場は「西高東低」
東京都内の賃貸物件の価格は「西のエリアにおいて高く、東のエリアにおいて低い」というのがざっくりとした相場観です。これは昔からいわれていることですが現在も通用するとのこと。電車の沿線でいうと、山手線の内側は非常に高く、東急・小田急沿線は高めになる傾向があります。また、足立区・荒川区・江東区等、荒川や江戸川沿いは、賃貸・売買共に都心部へのアクセスを考えると割安となる傾向があります
●「新築物件」は割高になる場合が多い!
大学新入生の場合、初めて親元を離れて生活する場合が多いのでしょう、親御さんが賃貸物件を探すことがままあります。子供のためにと「新築物件」を選ぶケースがありますが、新築物件は「賃料が高め」「礼金が倍」といったことがあり得ます。ですので、無理に新築物件を選ぶのではなく、他に割安な物件がないか探してみるのも良いでしょう。
築年数が経過した古いアパートやマンションでも、フルリフォームをして新品同様の賃貸物件もあります。築年数が経っているので新築物件より賃料は安くなりますので、こういった物件を中心に探してみるのも一つの手です。
●敷金・礼金について関西とは異なっている
最近では全国で同じようになっていますが、これまでは関東と関西で「敷金・礼金」について異なった考えがありました。関西では「敷金を多く取る」また「敷引」というルールがある場合もありますが、東京都内では「敷金・礼金」について、普通は最大でも「敷金:2カ月分/礼金:1カ月分」、また「敷金:1カ月分/礼金:1カ月分」もあり、最近では「礼金:0」という物件も多くなっています。
●ゼロゼロ物件についての注意点
東京都内の賃貸物件では、「敷金:0/礼金:0」という、いわゆる「ゼロゼロ物件」もかなり多くなっています。ここで気を付けないといけないのは、敷金・礼金がゼロでも、入居の際に、例えば「鍵の交換費」「清掃代」といった名目でお金が掛かることがあるという点です。ゼロゼロ物件を選ぶ際には、契約書に記載されている経費の項目をよく見て、自分の予算から足が出ないように注意しましょう。
●割安物件については「不便」を覚悟すること
東京都内でも割安な物件は多数あります。例えば、平成の初期に多く建てられた「3点ユニットバス」(バス・トイレ・洗面台をまとめたもの)を特徴とする物件などは、人気があまりなく割安になっています。不動産というのは「需要と供給のバランス」で価格が決まりますので、割安な物件には何か不便があるもの。もし割安物件を借りる場合には、それなりの不便があることを覚悟しておくことが必要でしょう。
●木造物件については「生活音」に注意!
東京都内にも古い木造物件があります。これらの賃貸物件では、今の若い皆さんが想像する以上に隣室の「生活音」が聞こえてきます。隣室の音が聞こえるということは、こちらの音も隣に聞こえているということです。実際、せっかく入居したものの、隣近所の生活音に耐え切れずにすぐに引っ越すという人もいらっしゃいます。ですから、木造の賃貸物件を選ぶ際にはこの点に十分留意しておきましょう。
●実際に物件を見て決める!
ネットで賃貸物件の情報を簡単に見られるようになっていますが、その情報だけで物件を借りるのはやめましょう。実際に見てみないと分からないことがあります。例えば、「コンセントの数」「部屋からの景観」「周囲の環境」「中古物件の場合には臭い」など、重要な要素は内見に足を運んでみないと分かりません。入試の結果発表から入学までの短い間に新居を決めないとなりませんが、それでも「実際に見て決める」ようにしてください。
書き入れ時で忙しい営業マンに伺いましたが、いかがだったでしょうか。自分の納得できる賃貸物件を見つけて、気持ち良く新生活をスタートできるといいですね!
(高橋モータース@dcp)