三度のメシよりパンが好き――そんな人も多いのでは。「パンめぐりの旅」をしたことがある同僚は、カロリーのことはさておいて、「とても楽しかった。きっと全国津々浦々においしいご当地パンが隠れているに違いない」とふんでいるそうです。そこで読者の皆さんに、ご当地パンとその特徴をアンケートで聞いてみました。

■得票数1番は、北海道のちくわパン

「北海道のちくわパン。ツナマヨが詰まったちくわがロールパンの中にまるまる入っている。シンプルだけど塩気があっておいしい」（27歳／女性）
「北海道のちくわパン　フワフワのパンの中にちくわ（ツナマヨ入り）が一本入っていて食べごたえがある」（31歳／女性）
「北海道のちくわパン。ちくわの中にシーチキンを入れて、一本丸ごとパンにのせてある」（22歳／男性）

最も多く届いたのが、「ちくわパン」でした。ちくわとパンの意外な組み合わせが絶妙なおいしさを生み出しているようですね。

「北海道のようかんパン。コッペパンの上にようかんがかかっている」（26歳／女性）
「北海道のザンギパン。濃いめの味付けのザンギが乗っている」（33歳／女性）

筆者が食べた「ようかんパン」は、コッペパンにバタークリームがはさまれて、液状のようかんでコーティングされていました。エクレアだと思って食べると、味がまったく違ってびっくりした記憶があります。北海道では複数の製パンメーカーから発売されているとか。

また、北海道で「ザンギ」といえば、からあげのこと。パンにはさんで食べる方法もご当地調理として知られています。

■東北編。仙台の福田パンが大人気

「岩手県盛岡市の福田パン。コッペパンに何種類かのバターやジャム、総菜などを自由に組み合わせて入れてくれる。一度は食べてみたいと言われるパン」（29歳／女性）
「盛岡では知らない人がいない大ヒット商品・福田パン。大きなコッペパンにマーガリン入りバターとあんこを塗ったボリュームたっぷりのパン」（34歳／女性）
「宮城県仙台市の天ぷらパン。あん、チョコ、クリーム、カレーを具にしたパンをまるごと天ぷらのように揚げている。あつあつがおいしい」（33歳／男性）
「宮城県仙台市のみそパン。少し香ばしい匂いがしてすごくおいしい」（28歳／男性）
「宮城県や山形県では知られている、ずんだあんぱん。ご当地のずんだをあんに使用している」（29歳／女性）
「山形県のご当地パンで知られる『たいようパン』というメーカーのパン。地元食材、国産小麦、お米で作られているので新鮮」（28歳／男性）

「みそパン」は、仙台市のほか、北海道各地、福島市、群馬県各地、長野県松本市でもそれぞれの味付けでご当地食として知られるパンがあるようです。

■北陸編は、色目から袋まで、見た目が印象的

「新潟市の各地で売っているサンドパン。コッペパンに懐かしい味のバタークリームが入っていて、どの店も、袋をレトロデザインにして凝っている」（26歳／男性）
「富山県のブラックカレーパン。具のカレーがその名の通り真っ黒。福井県産の米粉入り生地で焼いてあって、揚げてないからか意外にあっさり」（28歳／女性）
「富山県のヒスイパン。表面に目にも鮮やかなグリーン色の何かがコーティングされている……。聞けば、その正体はようかんだった。見た目がとても珍しい色できれい」（36歳／女性）

ブラックカレーパンは、三重県津市のレストランのものや石川県の「能登牛カレー　ブラック」も有名です。

■関東甲信越編。ご当地食材を具にした豪華パンのオンパレ

「中央自動車道の山梨県・談合坂サービスエリアのベーカリーショップ限定で売っている『桔梗（ききょう）信玄餅デニッシュ』。山梨の銘菓、桔梗信玄餅が丸ごとのっかったデニッシュパン。黒蜜ときな粉がしっかり効いて、お餅とパンの絶妙な食感がクセになりそうな一品」（35歳／女性）
「山梨県韮崎（にらさき）市にあるベーカリーの八ヶ岳メープルパン。八ヶ岳ブレッドシリーズとして、黒糖くるみパン、クリームレーズンパンがある。どれもおいしい」（29歳／女性）
「さいたま市で有名なベーグルショップで1番人気のあんこ白玉きなこベーグル。こしあんと白玉をベーグルで包んできなこをまぶしてある。具が和菓子とはユニーク」（24歳／女性）
「栃木県の東北自動車道・那須サービスエリアにあるベーカリーショップに、宇都宮餃子パンがあることを雑誌で読んだ。ピリ辛ラー油マヨで味付けした餃子が丸ごと1個入っているらしい。肉まんみたいでおいしそう」（32歳／男性）
「千葉県成田市名物のうなぎパン。ウナギのかば焼きとウリの鉄砲漬け、山椒が入っている」（28歳／男性）
「成田空港のソラあんぱん。中に地元の漬物が入っているらしい」（47歳／女性）

「ソラあんぱん」は、筆者も成田空港で買ったことがあります。あんには、成田市産のさつまいも・ローストしたピーナツ・れんこん・ウリの鉄砲漬けという変わり種あんぱんで、成田市の女子職員有志「成田ソラガール」プロデュースしたと聞いています。

「神奈川県横須賀市のポテチパン。ザクザク感がいい」（35歳／男性）

「ポテチパン」とは、コッペパンにくだいたポテトチップとマヨネーズで和えた刻みキャベツをはさんだタイプ。すぐに自作できて、おやつ代わりにも人気です。

「静岡県の富士山パン。富士山の形をしていて、生地はメロンパンのようで、クリームが入っている」（37歳／男性）
「静岡県では知られているのっぽパン。ものすごく長いコッペパンに、ジャムとかクリームが入っている」（32歳／男性）
「静岡県三島市の三島コロッケたまごパン。ロールパンにコロッケと卵サラダをはさんだもの。以前はテレビ番組とのコラボ製品も出て、コンビニで売っていた」（25歳／女性）

静岡県のご当地パンも人気で、多数の声が寄せられました。富士山は、富士山観光に行ったときに食べてみたい代物です。

■中部近畿編。名産が具、もしくは素朴テイスト

「愛知県名古屋市のういろうパン。名古屋名物のようかん・ういろうと、つぶあんがパンに包まれている」（30歳／女性）
「滋賀県が誇る名物・サラダパン。マヨネーズで和えたたくあんをコッペパンにはさんであって、いまや全国的に有名らしい。シンプルな組み合わせがおいしいのかも」（22歳／男性）
「大阪府のお好みパン。お好み焼きが入っている。味は良いしコッテリで、ほかの食べものは食べられなくなるほどおなかいっぱいに」（53歳／男性）

独特の食文化がある名古屋。名物のういろうをパンにするとは、さすがです。

■中国・四国編。地元で長きにわたって愛される名パン

「岡山県民に半世紀以上愛されるバナナクリームパン。バナナクリームがたっぷりはさまっていて得した気分」（28歳／女性）
「高知県のベーカリーやスーパーでも普通に見かける帽子パン。県民食と言えるはず。名前の通り麦わら帽子のような形をしていてかわいい」（35歳／女性）
「島根県出雲市のパン屋さんが販売するバラパン。カステラを薄くしたようなパンにクリームをはさみ、バラのようにくるくると巻いてある形がかわいい」（26歳／女性）

「バラパン」は、島根県民には知られている販売50年超のロングセラーだそうです。いちご味、コーヒー味、和風など種類も豊富で、包装も含めて昔懐かしい風情を醸し出しています。

■九州編。特徴が分かりやすい面白ネタも。

「福岡県のサバサンド。焼いたサバをレタスなどの野菜とともに、コッペパンにはさんである」（29歳／女性）
「福岡県中津市のからあげパン。炭水化物と油とタンパク質が同時に取れるすぐれもの」（23歳／男性）
「福岡県北九州市の堅パン。八幡近辺で売っている死ぬほど堅いパン」（40歳／男性）
「福岡県の堅パンをもらったとき、『ガリッといきなり食べたら歯が折れるよ』と言われて冗談かと思って食べたら、歯どころか歯ぐきもいかれたと思った。保存食らしい」（22歳／女性）
「長崎市のミックスパン。あんぱん、クリームパン、まんじゅうなど、いろんなパンがひとつのパンに詰まっている。味の密度が濃い」（49歳／男性）

「サバサンド」は各地にあるようですが、福岡では、「博多サバサンド応援団」なるチームが結成され、県内のあちこちのベーカリーやレストラン、カフェなどにサバサンドを増やす活動中とのことです。

「堅パン」は、大正時代に北九州市にあった官営八幡製鉄所の労働者のカロリー補給食として知られるようになったそう。味はほんのり素朴な甘さで、今では北九州の名産になっています。

ずらりならんだ、全国各地が誇るソウルパン。地元愛テイストもトッピングされてなんともおいしそうです。パンメニューの、ご当地素材の、旅先での楽しみにと、ぜひご参考になさってください。

調査期間：2015/9/19～2015/10/14

有効回答数　665件（ウェブログイン式）

マイナビ調べ

（藤原宇央／ユンブル）