日本一温泉を巡っている「温泉ソムリエ」大学生におすすめの温泉地を聞いてみた!
日本は世界でも有数の温泉大国。日本各地にいい温泉があって、現在では外国人観光客がたくさん温泉を訪れていますね。今回は、恐らく日本一温泉を巡っているという「温泉ソムリエ」の大学生に取材をしました。
『温泉ソムリエ大学生』というblogを運営されている早稲田大学教育学部3年の川田宏樹さんにお話を伺いました。
■すでに170カ所の温泉を巡っている!
――blogを拝見すると川田さんは非常に精力的に各地の温泉を回られていますが、温泉に興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?
川田さん 私の両親が九州出身で、九州にはご存じのとおり有名な温泉がたくさんあります。両親によく旅行で温泉に連れていってもらいました。それが温泉好きになったきっかけでしょう。
――なるほど。ある種英才教育といえるかもしれませんね。実際にあちこちの温泉に出掛けるようになったのはいつからでしょうか?
川田さん 本格的に温泉に出掛けるようになったのはやはり大学生になってからですね。
――どのくらいの温泉地に行かれましたか?
川田さん 170カ所ほどになります。大学に入ってからですと140カ所に行っています。基本レンタカーで一日に6、7カ所温泉地を巡っています。
――それはすごい数ですね!
■温泉のプロが心に残った3湯はこれだ!
――川田さんの印象に残っている温泉を教えてください。
川田さん そうですね、以下の3つを挙げたいと思います。
●温泉津温泉(島根県)
●高湯温泉(福島県)の『安達屋旅館』
●『鶴の湯温泉』(秋田県)
まず「温泉津(ゆのつ)温泉」ですが、これは世界遺産になっている「石見銀山」にほど近い温泉で、そのお湯に特徴があります。温泉津温泉の成分が濃いために「析出物」ができ、それが浴槽にこびりつくのです
↑温泉津温泉の「元湯 泉薬湯」。このように「析出物」が付着して芸術的で美しいものになります。
高湯(たかゆ)温泉はおととし訪れたのですが、ここのお湯は青みがかった乳白色の硫黄泉。『安達屋旅館』には「大気の湯」という巨大な露天風呂があります。源泉掛け流しの大露天風呂で訪問する価値あり! です。
↑『安達屋旅館』の巨大な露天風呂「大気の湯」。とにかくめちゃくちゃ広くて驚きます。
『鶴の湯温泉』は秘湯という感じで、かやぶき屋根の本陣などを利用した施設があり、時代劇のセットのようです。小さいころから一度行ってみたいと思っていた温泉でした。夜中に一人で温泉に漬かっていると万感の思いがこみ上げてきて、つい泣いてしまいました。温泉に入って泣いたのは後にも先にもこのときだけです。それほどいい温泉なのです。
↑まるで時代劇のセットのような温泉施設です。写真左手がかつての本陣。写真奥の川を渡ったところに温泉があります。
――なるほど。どれも行ってみたいですね。まだ川田さんが訪問していなくて、行ってみたい温泉はありますか?
川田さん それはもう山ほどあります。日本にはまだまだいい温泉がたくさんありますから。青森県の「下風呂温泉」と「恐山温泉」は特に行ってみたい温泉ですね。本州の北の端にありますので魅力的で、泉質も自分好みですし。
――あらためてお伺いしますが、温泉の魅力とは何でしょうか?
川田さん まず、同じお湯には二度と入れないのです。温泉のお湯の質、温度などは毎日変化しますから「一期一会」なのですね。お湯に入ってゆったりできると同時にこのお湯に巡り会えて良かったと思えること、これが大きな魅力ですね。
また、温泉に入るとみんな心がオープンになります。湯治場で初めて出会った人に親切にされたことは一度や二度ではありません。初めて会った人同士でもコミュニケーションが取れること、そんな場所であることも魅力だと思います。
――川田さんはこれからどんな道に進みたいと思われますか?
川田さん そうですね。温泉が好きですので観光業に携わりたいと思います。
――ありがとうございました。
「好きこそものの上手なれ」という言葉があります。温泉ソムリエとして活動されている川田さんにはぜひ頑張って好きを貫いていただきたいですね。
⇒川田宏樹さんのblog『温泉ソムリエ大学生』
写真提供:川田宏樹さん
(高橋モータース@dcp)