「OPS」「BABIP」「WHIP」……最近表示されるようになってきた英語の野球用語&指標8選
野球中継を見ていて、打率や防御率などのおなじみのデータの他に、「OPS」や「BABIP」といった見慣れない指標が表示されているのを見たことはありませんか? こうした見慣れない指標はメジャーリーグで普及し、公式記録として扱われているもの。最近では日本でも中継画面やスタジアムの選手紹介時にも表示されるようになってきました。今回は、これから日本でも普及するかもしれない新しい成績指標をピックアップして紹介します。
■メジャーリーグでは公式記録になっている指標も多い
●OPS(オプス、オーピーエス)
「On-base plus slugging」の略で「出塁率」と「長打率」を足し合わせた数値。本塁打数や打率、また打点だけでは評価できない部分をカバーし、打者としての能力をより的確に評価できる指標とされています。OPSは数値が高いほど打者として優秀ということになります。
●IsoP(アイエスオーピー)
「Isolated power」の略で、打者の「長打率」をより正確に評価するための指標です。「長打率-打率」という計算式で導き出され、高いほど長打を打っていることになります。
●BABIP(バビップ)
「Batting Average on Balls In Play」の略。「本塁打を除いた打球がヒットになる確率」を示すものです。打者の場合は「本塁打以外の安打数」を「打数と犠打を足した数字から本塁打と三振を除いた数字」で割り、導き出します。投手は「本塁打以外の被安打数」を「投球回数×2.8+被安打-被本塁打-奪三振」で出た数字で割ります。投手側は「被BABIP」という呼称になります。
※計算式はさまざまあり上記計算式はその代表的なもの
●WHIP(ウイップ)
「Walks plus Hits per Inning Pitched」の略で、「被安打と与四球を足した数字」を「投球回数」で割ったものです。この指標では、「1投球回当たり何人の走者を出したのか」が示されています。数値は少ないほど高い評価。海外では公式記録として扱われている数値です。
●QS(クオリティ・スタート)
「Quality Start」の略で、先発投手が6イニング以上を投げた際に自責点を3点以内に抑えた場合に記録されます。メジャーリーグでは重要視されているデータです。日本でも、ヤンキースの田中将大投手の情報を紹介する際に、このQSについて言及されていたりしますね。
●FIP(フィップ、エフアイピー)
「Fielding Independent Pitching」の略で、「運や味方の守備力などの要素を除いた投手能力」を測る指標。日本でメーンとなっている指標の「防御力」は、運の要素も絡んでいるため正当な評価になっていない場合もあり、FIPの方が投手の正しい評価が分かるとされています。
●K/BB
Kは「奪三振」、BBは「与四球」のこと。奪三振数を与四球の数で割ったもので、投手の制球力を知る指標の一つです。この数値は高いほど良いとされており、3.5以上だと優秀な成績になります。
●RSAA(アールエスエーエー)
「Runs Saved Above Average」の略。ある投手が、リーグの平均的な投手と比べてどれくらい失点を防ぐことができているかを示す数値です。「リーグ全体の平均失点率」から「数値を割り出したい投手の失点率」を引き、その数字に「投球回数を9で割った数字」を掛け合わせて導き出します。数値が高いほど失点を防いでいることになります。
日本の野球界でも、こうした新しい指標が選手紹介の際に表示されるなど、目にする機会も多くなってきています。こうした多角的かつ詳細に選手の能力を分析することで、より個性が分かり、野球を見るのも面白くなりますよ。
(中田ボンベ@dcp)