日本も金メダルとりまくり! 職人の技能を競い合う「技能国際大会」ってなに?
皆さんは、「技能五輪国際大会」というものをご存じですか? これは正式名称『国際技能競技大会』という大会で、さまざまな職業における「職業技能」を競うもの。今回は、この技能五輪国際大会がどんなものか、そして日本代表の成績を紹介します。
■競技種目は50職種もある!
技能五輪国際大会は、1950年にスペインの青年団がポルトガルの青年団と技能を競ったことがきっかけで始まり、今では世界各国が参加しています。これまでに43回開催され、43回大会は2015年8月12-15日にブラジルのサンパウロで開催されました。
現在の競技職種は以下の50種類。
・ポリメカニクス
・情報ネットワーク施工
・製造チームチャレンジ
・メカトロニクス
・機械製図CAD
・CNC旋盤
・CNCフライス盤
・石工
・ビジネス業務用ITソフトウェア・ソリューションズ
・溶接
・印刷
・タイル張り
・自動車板金
・航空機整備
・配管
・電子機器組立て
・ウェブデザイン
・電工
・工場電気設備
・れんが積み
・左官
・広告美術
・移動式ロボット
・家具
・建具
・建築大工
・貴金属装身具
・フラワー装飾
・美容/理容
・ビューティーセラピー
・洋裁
・洋菓子製造
・自動車工
・西洋料理
・レストランサービス
・車体塗装
・造園
・冷凍空調技術
・ITネットワークシステム管理
・グラフィックデザイン
・看護
・構造物鉄工
・プラスティック金型
・ビジュアル販売促進
・試作モデル製作
・曲げ板金
・建設コンクリート施工
・パン製造
・産業機器組立て
・重機メンテナンス
機械技術、また製造技術などだけでなく、「レストランサービス」や「看護」、また「パン製造」といった意外な分野でもその技術が競われているのです。第43回大会では、日本代表は50職種のうち、40職種の競技に参加しました。
■金メダルをはじめメダルラッシュ!
では、日本代表の成績はどうなっているのでしょうか? 43回大会で、特に優秀な成績を残した職種をご紹介します。
●金メダル
・情報ネットワーク施工
・製造チームチャレンジ
・自動車板金
・電子機器組立て
・移動式ロボット
この5職種で日本は金メダルを獲得しました。この中では「移動式ロボット」がどういったものかよく分からないと思いますが、これはロボットをプログラミングして、指定の荷物を指定の場所まで運ぶ作業力を競うもの。プログラミング技術と設計力が大事です。こうした最先端技術の分野でも日本は優秀な技術者がいるのです。もちろん情報ネットワーク施工や自動車板金の分野が優秀なことは言うまでもありません。
●銀メダル
・ビューティーセラピー
・プラスティック金型
・試作モデル製作
銀メダルを獲得したのはこの3職種です。「ビューティーセラピー」では、フェイシャルスキントリートメントやボディーマッサージなどの技術を競います。日本のエステ技術も世界で高い評価を受けるほどハイレベルということです。
●銅メダル
・配管
・電工
・工場電気設備
・洋菓子製造
・構造物鉄工
銅メダルはこうした職種で受賞しました。配管や電工といった技術においては日本は海外から高い評価を受けていますし、洋菓子製造もハイレベルですよね。この結果はその証拠といえるでしょう。
他にもメダル以外に多くの職種で敢闘賞を受賞しています。
この技能五輪国際大会は2年に1度開催されるので、次回は2017年です。スポーツのオリンピックだけでなく、日本の技術力の高さを見せ付けるこの大会にもぜひ注目したいですね。
(中田ボンベ@dcp)