知ってる? 意外と細かい「枕投げ」の競技ルール
互いに枕を投げ合う「枕投げ」。修学旅行などでやったことがある人も多いでしょう。さてこの枕投げですが、実は競技ルールが定められていることをご存じですか? 今回は、知られざる枕投げのルールについてです。
■ドッジボールのようなコートで行われる枕投げ!
静岡県伊東市にある「伊東温泉」では、町おこしの一環として2013年に「全日本まくら投げ大会」を開催。現在までに3回実施され、2016年2月には第4回大会も開催されます。この全日本まくら投げ大会で使用されている「競技ルール」をご紹介しましょう。
●チーム編成は1チーム8人
チーム編成は、選手5人とサポート3人の8人体制です。競技エリア内で行動する選手は、
・大将……1人
・リベロ……1人
・その他……3人
に分けられます。「大将」は文字どおり一番重要となる役回り。大将がヒットされると、そこでそのセットが終了となります。次に「リベロ」ですが、これは掛け布団を持って自陣の一番前で盾となる役割です。こちらも試合を左右する大事なポジションです。残りの3人は自由に攻撃をします。サポートは競技エリアの周りに配置され、競技エリアから出た枕を自陣に戻す役割を担います。
●ユニホームは浴衣!
試合のユニホームは浴衣です。しっかりと帯を締め、たすき掛けは禁止。またパジャマも禁止です。競技エリアに入る選手ははだしとなることも決められています。
●試合は1セット2分で行われる
試合時間は1セット2分です。これを3セット行い、先に2セット先取した方が勝利となります。先に大将にヒットさせた方がそのセットを取ることになりますが、もし制限時間内に決着がつかない場合は最終的に生き残っている人数で勝敗を決めます。また3セットで勝敗が決まらなかった場合、最後は「大将同士の枕の遠投」で勝敗を決めます。
●競技エリア
枕投げは横18メートル・縦9メートルのエリアで行われます。これはバレーボールコートより一回り小さいくらいの大きさ。このエリアの中に、横7.2メートル・縦4.5メートル(20畳)の競技エリアが2つ、間に2メートルのスペースを空けて設置されます。この競技エリアの中から、相手の競技エリアの選手に向かって枕を投げるのです。周囲はサポートが動くスペースになっており、ドッジボールのコートを想像すると分かりやすいでしょう。
■リベロの動きや特殊なコールを駆使して戦う!
●試合開始から試合中のルール
試合開始前に代表者同士がじゃんけんをして陣地を選びます。陣地が決まったら、大将は競技エリア内に敷いてある布団に、その他の選手は競技エリアの外に敷いてある布団に寝ます。サポートは競技エリア外の畳に正座して待機します。
試合開始の笛が鳴ったら一斉に飛び起きて攻撃をします。このときリベロは掛け布団を持って自陣の一番前にある「リベロライン」までダッシュ。セット終了30秒前まで敵の攻撃をガードします。30秒前になるとリベロ終了となり、掛け布団を放棄。他の選手と同じように枕投げを行います。
また、大将も残り30秒までは自陣内に定められた縦7.2メートル、横2.7メートルの「大将移動エリア」から出ることができないのです。
●アウトの判定
枕に当たったらアウトとなりますが、似たようなルールのドッジボールと大きく違うのが「キャッチしてもアウト」ということ。枕投げでは「よけるしかない」のです。アウトになった選手は、セット終了までエリア外の布団に戻り寝たふりをしないといけません。
●独自の「先生がきたぞォーコール」
枕投げの独特なルールとしては「先生が来たぞォーコール」があります。このコールを使用すると、
・敵大将は自陣エリア内の布団に戻り寝たふりをする
・もし寝たふりできなかった場合はそのセットは敗北
・敵選手・サポートは持っている枕をその場に置き、選手はその場で正座
・味方大将は10秒間の間相手陣内を好きに動き枕を回収することができる
・カウント終了までに自陣内に戻れなければそのセットは敗北
といったことが起こります。「先生がきたぞォーコール」は各チーム1試合に1度だけ使えるもの。また1セットの中でどちらかがコールした場合は、もう一方のチームはそのセットで使うことはできません。「先生がきたぞォーコール」はサポートが拡声器を使って「先生が来たぞォー!」と叫ぶことで発動します。
試合はこうした流れで行われます。他にも独自の投げ方や陣形の研究なども行われ、非常に注目されています。大学選手権も開催されていたりします。動画共有サイトに試合の様子がアップされているので、ぜひ見てみてください。自分たちの知っている枕投げとの違いに驚くはずですよ!
参考:伊東市「第4回全日本まくら投げ大会 in 伊東温泉」のページ
http://www.city.ito.shizuoka.jp/kankou/html/event/
(中田ボンベ@dcp)