最初のヒット作は何だった? 『週刊少年ジャンプ』のギャグ漫画の歴史「ハレンチ学園」から「磯部磯兵衛物語」まで!
少年雑誌の『週刊少年ジャンプ』。『ONE PIECE』などの人気作品が連載されており、日本だけでなく、海外でも人気です。さてそんなジャンプに欠かせないのが「ギャグ漫画」。これまでにさまざまな話題作が掲載されてきました。今回は、「ジャンプのギャグ漫画」の名作たちを年代別にピックアップして紹介します(読み切りを除きます)。
■1960年代
●『ハレンチ学園』永井豪(連載期間:1968-1972年)
週刊少年ジャンプは1968年に創刊された少年雑誌です。創刊時は『少年ジャンプ』という名前で月に2回刊行されていました。この時代の代表的なギャグ漫画は、やはり『ハレンチ学園』でしょう。「スカートめくり」が社会現象になるなど、一大ブームを引き起こしました。他にも、当時大人気だった「コント55号」が登場する『漫画コント55』という作品もありました。
■1970年代
●『ど根性ガエル』吉沢やすみ(連載期間:1970-1976年)
●『トイレット博士』とりいかずよし(連載期間:1970-1977年)
●『1・2のアッホ!!』コンタロウ(連載期間:1975-1978年)
●『東大一直線』小林よしのり(連載期間:1976-1979年)
●『こちら葛飾区亀有公園前派出所』秋本治(連載期間:1976年-連載中)
●『すすめ!!パイレーツ』江口寿史(連載期間:1977-1980年)
1970年代に入るとギャグ漫画が数多く登場するようになり、いくつも名作が誕生しました。まずは『ど根性ガエル』。登場人物が大人になってからの実写ドラマが放送されるなど、今も注目される作品です。また1970年連載開始の『トイレット博士』は過激な内容ながらも大きな人気を獲得し、一世を風靡(ふうび)した作品。
他にも、『1・2のアッホ!!』や『東大一直線』など、この時代のジャンプを支えたギャグ漫画は数多くありました。それにしても、同じ時期に連載が開始された『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が今も続いているのは驚きですよね。
ちなみに、今では格闘漫画として扱われている『キン肉マン』ですが、連載開始当初はギャグ漫画としてスタート。途中からバトルものに変わっていったのです。
■1980年代
●『Dr.スランプ』鳥山明(連載期間:1980-1984年)
●『3年奇面組』新沢基栄(連載期間:1980-1982年)
●『ストップ!! ひばりくん!』江口寿史(連載期間:1981-1983年)
●『ハイスクール! 奇面組』新沢基栄(連載期間:1982-1987年)
●『シェイプアップ乱』徳弘正也(連載期間:1983-1986年)
●『ついでにとんちんかん』えんどコイチ(連載期間:1985-1989年)
●『燃える!お兄さん』佐藤正(連載期間:1987-1991年)
●『まじかる☆タルるートくん』江川達也(連載期間:1988-1992年)
1980年代も数多くのギャグ漫画の名作が誕生。『Dr.スランプ』は漫画だけでなく、アニメも大ヒットしました。同じくアニメがヒットした作品では『ハイスクール! 奇面組』も挙げられます。『ストップ!! ひばりくん!』は1983年に打ち切りとなりましたが、2010年に完結。27年もの期間を要しました。
■1990年代
●『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』漫☆画太郎(連載期間:1990-1992年)
●『モンモンモン』つの丸(連載期間:1992-1993年)
●『ボンボン坂高校演劇部』高橋ゆたか(連載期間:1992-1995年)
●『究極!!変態仮面』あんど慶周(連載期間:1992-1993年)
●『とっても!ラッキーマン』ガモウひろし(連載期間:1993-1997年)
●『王様はロバ~はったり帝国の逆襲~』なにわ小吉(連載期間:1994-1996年)
●『まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~』漫☆画太郎(連載期間:1994-1994年)
●『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』うすた京介(連載期間:1995-1997年)
●『幕張』木多康昭(連載期間:1996-1997年)
1990年代を代表するギャグ漫画といえば、前半は『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』と『モンモンモン』でしょう。どちらも強烈な個性を持ったギャグ漫画。多くのファンを獲得した作品です。個性的といえば『究極!!変態仮面』と『とっても!ラッキーマン』も外せません。特に前者はまさかの実写映画化もされました。
後半では、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』が最大のヒット作といえます。その不条理な笑いは芸能人にも多くのファンを生み出しました。
■2000年代
●『ピューと吹く!ジャガー』うすた京介(連載期間:2000-2010年)
●『純情パイン』尾玉なみえ(連載期間:2000-2001年)
●『ボボボーボ・ボーボボ』澤井啓夫(連載期間:2001-2007年)
●『太臓もて王サーガ』大亜門(連載期間:2005-2007年)
●『いぬまるだしっ』大石浩二(連載期間:2008-2012年)
●『斉木楠雄のΨ難』麻生周一(連載期間:2012年-連載中)
●『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』仲間りょう(連載期間:2013年-連載中)
2000年代では『ピューと吹く!ジャガー』が大ヒット。巻末の小ページ数の連載ながら、爆発的な人気を誇りました。『ボボボーボ・ボーボボ』もアニメ化されるなど人気でしたね。また、『太臓もて王サーガ』や『いぬまるだしっ』など、コアな人気を持つギャグ作品もいくつも登場しました。
2004年開始の『銀魂』はコメディー作品ではありますが、ギャグ漫画と言いかねる部分もあるので、ここでは省きました。
『週刊少年ジャンプ』の歴代のギャグ漫画の中から、代表的なものをピックアップしてご紹介しました。他にも数多くの個性的なギャグ漫画が掲載されてきましたが、皆さんの思い出に残っている作品は何ですか?
(中田ボンベ@dcp)