海外でスマホを使ったら大金の請求が……これって逃れる方法はあるの? 弁護士に聞いてみた。
最近では、海外でもスマホが使えるサービスがありとても便利ですね。しかし、気を付けないとその使用料が高額になってしまう場合があります。もし、うっかりしていて高額の請求が来た場合、何か対処法はあるのでしょうか!?
アディーレ法律事務所の弁護士・正木裕美さんにお話を伺いました。
■支払いは原則逃れられない!
――この場合、何か救済方法はあるでしょうか?
正木弁護士 このようなご相談は携帯電話やスマホの普及とともに増加していますが、原則として、逃れられません。
契約時に、口頭やパンフレットなどにより、海外利用時の電話代や通信代が国内の料金体系とは異なることが説明され、高額請求になる可能性があるとの注意喚起がされているのが通常です。また、具体的な料金は、携帯電話会社ホームページにも記載されており、分かるようになっています。
携帯電話やスマホは、海外に行くときに自分で設定を変更して通信を切るなどの対応をしておかないと、飛行機を降りて電源を入れた後で自動的にデータ送受信をしたり、着信でも料金が掛かるなどにより、予想外に高額な料金となります。
しかし、このような契約体系が異なることを承知の上で使用している以上、支払い義務があるのが原則となってしまうのです。
――なるほど。逃れられないのですね。
正木弁護士 通常は考えがたいことで、大手キャリアではあり得ないと思いますが、もしパンフレットや口頭などで、海外では、一切料金体系が異なるとの説明や注意が全くなかったとすれば、減額の可能性はありますね。
パケット定額制が普及する前の時代のものですが、パケット従量制の契約をし、携帯電話をモデムとして使用したため、高額な請求を受けたということで、
「契約上、パケット通信料金について分かりやすく説明する義務、および高額な料金が発生する可能性に関する情報提供義務がある」とした判例があります。
大手キャリアからは一定金額以上使用すると連絡が来るようになっていますが、複雑な料金体系にもなっていますので、事前に携帯電話会社に確認することを怠ってはいけません。
国民生活センターへの相談例や総務省のホームページでも情報を見ることができますので、チェックしてくださいね。