“LとR”の発音が何年勉強してもできない…つまづきポイントはこれで上手に!
「英語でLやRの発音の区別ができない」というのはよく聞かれます。小さいころから学校の授業でたくさん勉強しているはずの英語ですが、なかなか流暢に喋れるようにはなりませんよね。ですがまずはご安心ください。あまり発音が正確でなくとも意外に通じてしまうことも多いです。それに日本人は舌が短めという特徴があり、セオリー通りにやろうとすると逆に発音しづらいこともあるようです。今回はLやRの発音の仕方について、私たち日本人向けに分かりやすく解説していきます。
英語の“L”と“R”の発音の違いは難しい!
英語のLとRをネイティブ並に区別して発音することは、日本人にとってはかなりの難関。マイナビフレッシャーズ編集部が実施したアンケートから、LとRの違いに戸惑う方々の声をご紹介します。
・似たようで違うところが難しい(女性/22歳/運輸・倉庫)
・巻き舌ができず、理解してもらえなかった(女性/33歳/金融・証券)
・区別もつかないし、伝わっているかもわからない(女性/41歳/建設・土木)
・いまだに違いが微妙(男性/26歳/金属・鉄鋼・化学)
「英単語の発音で難しいなと思ったポイント」について聞いたアンケートで、最も多くの人が挙げていたのが『LとRの違い』でした。学校で習ってもどうしてもうまくできない、という人がほとんどではないでしょうか。
“L”と“R”の発音の違いとは
LとRの違いについては単なるスペルの違いというわけではなく、ネイティブはきちんと聞き分けて、発音も分けているのだとか。ですが日本人にとっては2つとも同じように聞こえてしまいますよね。それもそのはず、実はLとRの発音のうち“R”については日本語にはない音なのです。
オンライン英会話スクール「レアジョブ」が運営するサイト「English Lab」では、LとRの発音の違いについて次のように述べています。
・Lの発音→日本語の「ラリルレロ」に近い
・Rの発音→舌先が口の中のどこにもつかない。日本語にはない音
▶︎参考:English Lab「五分で絶対に矯正できる「L」と「R」の英語発音法」
こうして見ると、私たちにとってはRよりもLの方が発音しやすいのかもしれません。ただしLが単語の語尾に来る場合などは「ダークL」といってまた違った発音に。次からは、それぞれの発音の仕方について、詳しく見ていきましょう。
“L”と“R”の上手な発音の仕方
LとRの上手な発音の仕方について解説します。Lには「ダークL」という発音もありますので、あわせてご紹介しますね。
Lの発音は「舌先を天井にしっかりつける」
Lの発音は「舌先を天井にしっかりつける」がポイント。まず日本語で「ラリルレロ」と発音してみましょう。すると舌は上の前歯のつけ根あたりから、口の天井の真ん中にかけてのどこかに付いているのではないでしょうか。Lも同じようなところ、つまり口の天井の前方付近にしっかりと付けて発音します。
例えば、
・lemon
・lion
・light
どれもカタカナ英語としてよく知られた単語ですね。口の天井に舌を当てて発音してみましょう。
ダークLの発音は「舌先を天井につけるのは最後だけ」
ダークLとは単語の語尾にLがくる場合の発音方法を指します。あるいはLの後に子音が続く場合もこのダークLで発音します。同じLでもダークLになると、今度は舌を天井につけるのは最後の少しだけになります。ちょっとややこしいですね。
例えば、
・cool
・girl
・alright
・almost
このような単語の場合、日本人にとっては「舌を巻いてる」ようにも聞こえますし、どうも曖昧でつまづきやすいポイントです。ダークLを発音する時は、
1.舌をのどの奥の方に引き寄せるようにしながら舌先を持ち上げ
2.口はリラックスしたまま「オ」と発声します。
3.最後に口の天井に舌先を軽く添えます。
最後に舌先が天井についた時には既に声は出ていない状態です(余韻だけ)。
ダークLを含む単語をカタカナにすると「クール」「ガール」など最後は「ウ」になりますよね。ですが英語の発音としては「オ」の方に近いです。どうでしょう、一気にネイティブっぽい発音になってきませんか。
Rの発音は「舌先をつけない」「巻かない」
Rの発音は、実は日本語にはない発音です。ですから日本人にはそもそも聞き取りづらく、また発音方法も慣れていないためつまづきやすいのは当たり前。新しい音を習得するような気持ちでチャレンジしてみましょう。
1.口元をタコの口のように小さく丸めて「ウー」から入る
2.舌先を上の前歯のつけ根あたりに近づけて、※近づけるだけで付けない
3.舌先を軽く丸めて、犬の唸り声「ウゥゥゥ」と発音
Rの発音では、舌先と口の天井を付けずに接近させることが最重要です。その代わり舌先さえ当たっていなければ、舌の両側面などは歯に当たっていた方がむしろ上手に発音できます。
例えば“right”の単語なら「ゥアイト」のような発音になります。
ちなみにRの発音を「巻き舌」と表現されることがありますが、正確には巻き舌ではなく「舌を反っている」というのが正しい表現です。巻き舌にすると舌先に力を入れることになり、逆にLに近い発音になってしまいます。Rでは舌先で音を作るのではなく、舌のつけ根で音を作ることを意識してみましょう。
英語の難しい発音については、できれば音声で聞いていただくとより分かりやすいでしょう。YouTubeチャンネル「サマー先生と英会話!」から「超分かりやすいLとRの発音の仕方!」をご紹介しておきます。
https://youtu.be/7r4UgskSMJ8
みんなはほかにどんな発音が難しいと感じてる?
前述のマイナビフレッシャーズ編集部が実施したアンケートでは、LとRのほかにも発音が難しいポイントがさまざま挙げられました。ここではそのアンケート結果をご紹介します。
⇒調査時期:2015年6月
アンケート:フレッシャーズ調べ
集計対象数:社会人男女318人(インターネットログイン式)
英単語の発音で難しいなと思ったポイントを教えてください
「th~」や「~th」
・日本語ではない発音だから(男性/47歳/建設・土木)
・舌を挟んだまま発音するのは難しい(女性/31歳/自動車関連)
・無意識には絶対にできない(男性/28歳/建設・土木)
・学校で舌を噛んで発音すると教わったが、いちいちできることではない(男性/42歳/商社・卸)
・聞き取れないし、発音するのも難しい(女性/22歳/ホテル・旅行・アミューズメント)
「LとR」と双璧をなす難しさのある発音がこの「th」のようですね。同じくらい本当に多くの人からの意見が寄せられました。日本語では使わない口の動きですし、聞きなれないものですからね。
Vが入る単語
・日本語には無いですよね(男性/41歳/商社・卸)
・唇を噛むと教わったけどなかなかできない(男性/50歳以上/情報・IT)
・アクセントの付け方も含めて難しい(男性/32歳/団体・公益法人・官公庁)
・とっさに出せる口の動きではない(男性/40歳/学校・教育関連)
・日本人の発音と、ネイティブの発音が全然違ったので(男性/50歳以上/農林・水産)
Vが入っている単語の発音もなかなかの難しさです。わざわざ下唇を噛むという動作に抵抗感がある人が多いようですね。ちょっと恥ずかしいという意見も。
日本語にもあるカタカナ英語のネイティブ発音
・waterなど、日本語英語と本場だと、全然違って通じないし聞き取れない(女性/23歳/金属・鉄鋼・化学)
・コーヒーなんて意外と通じないですよね(女性/38歳/情報・IT)
・アップルって日本語と全然違うので(男性/25歳/建設・土木)
・日本語に慣れてしまっているから、ついつい日本語の発音をしてしまって通じない(男性-35歳/情報・IT)
・正しく発音しているつもりが、一発目で伝わらないことが多々ある(女性/32歳/食品・飲料)
日本語として使われてしまっている外来語だと、英語での本当の発音がしづらいですよね。わかってはいるのだけれども、ついつい日本語的な発音が混ざってしまうとか。なかなかその発音を直すのは大変なようです。
数字・アルファベット
・13と30などの言い換えが上手く伝わらなかったことが多い(女性/33歳/学校・教育関連)
・発音が下手なのはわかっていたが、数字まで伝わらないと悲しい(男性/50歳以上/建設・土木)
・アルファベットや数字すら伝わらないことがあった(女性/34歳/商社・卸)
・基本的なものでも伝わらない場合があるので(女性/22歳/金融・証券)
数字やアルファベットといった基本的なものでも、複合的に難しい発音が含まれていますから、苦労している人が多いことが今回の調査でわかりました。
まとめ
今回は英語のLとRの発音について詳しく見てきました。両者の違いについて簡潔にまとめるならば、
Lの発音は「舌先を天井にしっかりつける」
Rの方は「タコの口にしてから舌先と口の天井にスキマを作ってウゥゥゥ」
でしたね。Rの方は「ラリルレロ」が一切登場してこなかったことも意外な結果となりました。もともと日本語にない発音を習得するのは、日本語耳になっている私たちにとっては難しいもの。必ずしも正確な発音でなくとも一生懸命伝えようとすれば通じることも多いですから、あまり焦らず気軽な気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。