【商船三井】日本の輸出入99.6%を支える! 海上職自社養成コースの先輩に聞く、未知の世界へ飛び込む面白さと「自分を律する」働き方 #先輩ロールモデル

編集部:ぜんや

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「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、さまざまな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。

今回は【商船三井】で三等機関士として働く先輩社会人にインタビュー。

3〜4ヶ月にわたり世界中の港を巡りながら、人々の生活に欠かせないコンテナや原油などの物資を運ぶ、船という現場で活躍されている中村さんに、限られた人員と物資で船上のトラブルに立ち向かう仕事の「難しさ」と「達成感」、学生時代の研究で培った「論理的な思考」の活かし方、そして就職活動時のエピソードまで、詳しくお話を伺いました!

サムネイル

プロフィール:中村 友亮さん

・3,4ヶ月間船に乗り、世界中の港を巡りながら、コンテナや原油などの生活に欠かせない物資を運ぶ仕事をしている。
・船舶エンジンや機関設備のメンテナンス、トラブル対応、船内のエレベーターや洗濯機などの生活設備の修理まで多岐にわたる。

INDEX

商船三井について 具体的なお仕事内容 船上でのトラブル対応について 学生時代の経験が活きたこと 休暇の過ごし方 船内の雰囲気 モチベーショングラフ社会人編 モチベーショングラフ学生時代編 学生へのメッセージ

会社説明

日本の輸出入の99.6%を担う海運業は、人々の当たり前を支える重要な基幹産業です。商船三井は海運・非海運からなる5事業を展開し、貨物に応じた多様な船を運航しています。特に世界最大規模のLNG船隊などのエネルギー事業に強みを持つほか、洋上風力、不動産、ベンチャー投資など幅広く手掛けています。

職種は、船を運航し、荷役や保守整備を行う「海上職」、営業・運航管理・船舶調達を行う「陸上職事務系」、船や設備の仕様策定・建造監督・営業支援を担う「陸上職技術系」の3分野です。陸上職は若手時代に複数部署を経験して総合力や専門性を磨きます。

一方、海上職は三等航海士・機関士から経験を積み、船長・機関長へと昇進しながら、将来的には海上勤務と陸上勤務を交互に行い活躍します。また、世界を相手にするため海外駐在率が非常に高く、社員の5人に1人が駐在しています。シンガポールやロンドンなど、先進国の港町を拠点にグローバルに働ける点も大きな特徴です。

社会人編

――まずは自己紹介をお願いします。

商船三井で三等機関士として働いております、中村友亮と申します。現在(取材当時)は陸上勤務をしていますが、普段は機関士(以下エンジニア)として船に乗りながら働いております。

――現在のお仕事内容について、教えていただけますか。

弊社海上職は、3~4ヶ月間船に乗って世界各地の港を回りながら貨物を運び、その後2~3ヶ月の休暇を過ごすというサイクルで働いています。 私は海上職、特にエンジニアとして乗船しており、メインエンジンから、さまざまな生活設備に至るまでメンテナンスをしながら、日々船上で生活しています。

――船の上での1日のスケジュールや、航海中の生活サイクルについて教えていただきたいです。

「出入港」と言われる、港に船が出たり入ったりするオペレーションがない時であれば、朝8時から、お昼休憩を挟んで5時頃まで、日本人職員はじめフィリピン人クルーなど海外の方々と力を合わせて一緒に作業をして過ごします。それ以外の時間は自由時間で、筋トレをして体を動かしたり、映画を楽しんだりする方もいます。最近は通信環境も整ってきているので自室でYouTubeを見て過ごすことも可能です。

クルーと一緒に

――船上でのトラブル対応について、どのような難しさや面白さがありますか?

難しさとしては、やはり職場の周りが360度海に囲まれている点です。たとえば船の中で物が壊れても、陸のようにすぐ専門的な修理ができる方を呼べるわけでありません。限られた人員、限られた物資の中で対処していかなければいけないことが難しさの一つだと考えます。

面白さは、エンジニアはグループで作業することが多いのですが、複雑なトラブルにみんなで対処して、無事に解決した時の達成感は何にも代えがたい面白さ・楽しさの一つだと思います。

――これまでで一番印象に残っているトラブル対応は何かありますか?

船舶交通が集中し、船を止めると事故の危険性がある海峡においてイレギュラーなトラブルが起こり「数時間でメンテナンスを完了して直ちに船を動かさなければならない」という状態に陥ったことがありました。

赤道直下のエンジンルームは非常に暑く、気温が40度や50度近くまで上がることもあるのですが、それでも全員のエンジニアが知恵を出し合い、協力し、汗を滝のように流しながら作業を進め、予定通りに作業を終えて船が無事に動き出したときは、大きな達成感を味わいました。

エンジンルームの様子

――仕事をしていて「自分たちが世界の物流を支えているな」と実感する場面はありますか?

私はこれまでコンテナ船に乗る機会が多かったのですが、アジアで積んだ貨物がヨーロッパに着くと、世界の港の中には24時間稼働しているところも多く、昼夜問わず荷役作業が行われます。巨大なコンテナがクレーンで吊り上げられ、次々と陸上へ降ろされたり船へ積み込まれたりするのですが、暗い夜の中でライトが煌々と光り、まさに物流が目の前で動いていると感じるような光景を見たとき、「運んできてよかった」「物流を支えている」と実感しました。

パナマ運河の様子

――学生時代の研究で「論理的な考え方」や「多角的なアプローチ姿勢」が培われたと伺っていますが、現在の船上でのトラブル対応などにどのように活きていますか?

問題に直面した時にまず悩む点としては、「どこが原因なのか、何から手を付けるべきか」がわからないことが多いという点です。

とりあえず手を出してみることも大事かもしれませんが、このようなトラブルが起こった際にはどのような原因が考えられるのかを列挙し、みんなで意見を出し合いながら、論理的に道筋を立てて一つずつ原因究明に当たっていきます。まさに、理系の研究室で培った考え方が活きているな、と感じる瞬間です。

――実際に入社して船に乗られてから、現場に出て初めて必要だと感じた力は何でしたか?

現場に出て必要だと思ったのは、「自分を律すること」です。船は閉鎖空間なので、その中で自分自身が計画を立てて物事を進めていかなければ、船、ひいては物流そのものが止まってしまう、という緊張感があります。船には各職位に1人しか乗っていないので、各職位に任されている仕事を自分自身で遂行していかないと物事が進んでいきません。

もちろん周りを頼ることも大切ですが、その前提には「自分を律して働く」という考え方があることを、船に乗ってより一層身に染みて感じました。

――実際に現場に出てから「思っていたのと違うな」と、良い意味でギャップを感じたことはありますか?

正直なところ私も船の世界に対してあまりイメージが持てていませんでした。一般の大学で勉強していて、いざ船という世界に飛び込んだので、良くも悪くも具体的なイメージを持っておらず「船での仕事や環境はどんなものなんだろう」という、未知の世界に飛び込む面白さのようなものを感じていました。具体的なイメージがなかったからこそ、正直なところギャップと聞かれると、私の場合はそれほど感じなかったように思います。

ただ、予想以上に忙しい日が訪れることもあります。たとえば、荷役が24時間行われる港が増えているため、入出港作業が続くと深夜まで働かなければならないこともあり、体力的には思っていた以上に大変だと感じることはあります。とはいえ、船内ではシフト制のもとで働いており、休息時間はしっかり確保されています。港での作業が集中する時期もありますが、出港後は比較的落ち着いて業務に取り組める日もあるため、メリハリをつけながら働くことができています。

良い意味でのギャップとしては、大海原や星空など、船上から眺める絶景は想像以上の素晴らしさです。ぜひ、ご自身の目でその感動を体験してみてください!

船から見る夕陽

――下船されている長期休暇中は、どのように過ごしてリフレッシュされているのですか?

私の場合は、海外旅行に行くことが多いです。「船でも海外に行っているのに、また海外に行くのか」と言われることも多いのですが(笑)、この仕事をしていると、前々から予定を立てるのではなく、思い立った時に思い立った場所に行く、という旅行ができます。

たとえば、大谷翔平選手がワールドシリーズに出場したとき、ちょうど休暇期間だったので「ちょっと行ってみようかな」と思い、その1週間後には旅行に出発するといった経験もあります。

――船上では上長やメンバーの方と寝食を共にされると思うのですが、コミュニケーションの取りやすさや、実際の船内の雰囲気について教えていただきたいです。

上長の方が変われば雰囲気もガラッと変わります。和気あいあいとした中にもビシッと規律を持たれる方もいれば、みんなで仲良く遊んだりトランプをしたりする方もいらっしゃいます。

ただ、その中でも上長の方から「バーベキューしようよ」などと声をかけていただくことが多く、船上での楽しみを見つけてくださる方が多いので、楽しく過ごせています。

クルーと一緒に

――中村さんのモットーである「旅せよ人生」という言葉は、現在の働き方や、日々の生活・キャリアにどのようにリンクしていますか?

私は知らない世界や知らないものを見に行きたいという欲が人一倍強いように思います。その例として、一歩踏み出そうと思ったとき、選択に迷ったら「人生、旅してみようかな」と考えるようにしています。先ほどの旅行の話でもそうですが、行くか迷ったら行ってみよう、という選択を取りながら生きていると思っているので、このモットーがこれまでの人生選択の基盤になっているのかなと思います。

――では次に、社会人時代のモチベーショングラフに移ります。国家試験合格後に、実際に船のメンバーとして乗船した際に感じた不安とは、どのようなものでしたか?

2年目の途中ぐらいまでは、職員候補生としてOJTのような形で船に乗っていました。周りに助けてくれる方や、パッと質問できる同期がいたのですが、いざ国家試験に受かり海技士資格を持つ一海技者として乗船すると、「自分がやらないと物事が進んでいかない」という緊張感が生まれ、職員候補生時代には感じなかった「働く」ということの重みを、改めて身に染みて感じました。

モチベーショングラフ社会人編

――社会人1〜2年目の養成期間では、どのような勉強・実習をしていたのでしょうか?

1年目は主に座学がメインになります。兵庫県の芦屋にある「海技大学校」という学校に通い、そこで自社養成コースの航海士・機関士の同期や、自社養成制度を行っている他社の同期と一緒に座学を受けます。

その後、海技教育機構の練習船や会社で実際に運航している商船に乗り、海外に行くこともありながら、実際に船に乗って手を動かしながら学んでいく、実習期間に入ります。

――その養成期間で身につけたことで、現在の仕事に最も活きている経験は何ですか?

実務に関してはもちろんですが、「人との関わり合い」というところを強く感じています。養成期間に築いた横の繋がりや、本当に困ったときに相談できる同期との絆は、今でも強く残っています。「前の乗船はどうだった?」と話をしながら、共通の不安や困ったことを共有できる海技大学校時代の同期は、今もなお最大の理解者です。

同期との写真

学生時代編

――では次に、学生時代のモチベーショングラフに移っていきたいと思います。就職活動を通じて「自分を理解できた」とありますが、具体的にどのような発見があったのか伺いたいです。

就職活動中、私は自己分析、つまり自身の理解に時間を多く割いていました。自分は何が好きで、どういったものに心が動くのか、小さい頃から思い返しながら考えているうちに、自分がどういう仕事に就きたいのかがはっきりしてきました。

就職活動時の成長という意味では、自分の心が動く場面を自覚できるようになったことや、考えをより明確に言葉にできるようになったことが、一番の収穫かなと思います。

モチベーショングラフ学生時代編

――就活の際、最終的に商船三井を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

私の決め手は間違いなく「人」でした。私が就職活動をしていたときはセミナーやインターンがすべてオンラインだったのですが、商船三井は座談会のような形でインタビューをさせてくださいました。「16時に終わります」という予定でも、その後「質問がある方は残ってください」と当時の採用担当の方がおっしゃってくださって、学生の質問がなくなるまで1時間半ぐらいみんなと話してくださったんです。

そのときに、我々を「一就活生」としてではなく、1人の社会人、1人の大人として見てくれている感じが伝わってきました。分からないことや疑問点を払拭するまで、ちゃんと話を聞いてあげようという気概を感じました。そこまで意識されていたのかは分かりませんが、「一社会人として扱ってくれた」ということが自分の中で大きく心に残りました。他の企業も見ましたが、この温かみに惹かれて、弊社を選びました。

――今後、エンジニアとして、どのようなキャリアを描いていきたいですか?

私は三等機関士として働いているわけですが、冒頭に少しお話しした通り、現時点では陸上勤務をしており、本社で働いています。この仕事の良いところの一つとして私が考えているのは、「陸上、すなわち本社でも働ける」という点です。

船で得た知見や知識を、陸で会社全体に還元していくことができる、という点が海上職の働き方の良いところだと思っています。たくさん船に乗って知見を蓄えていき、やがてはそれを陸で全社的に広めていけるようなエンジニアになりたいな、と思っています。

船の外観

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――最後に、海を舞台に働くことや、グローバルでダイナミックなエンジニア職に興味がある学生に向けて、アドバイスや応援メッセージをお願いします。

今こうして皆さんの前でお話しする機会をいただいていますが、私も学生時代は緊張しやすい性格で、面接のたびに何度も深呼吸をして挑んだことを覚えています。自分に向いていることは何か、一度きりの人生でどんな自分になりたいかと悩みながら、ここまで歩んできました。

その中で、たくさんの方に手助けをいただいてここまで来られたので、まずは「自分が何をしていきたいのか」、自分のことをしっかり見つめ直して、焦らず、自分なりに納得のいく就職活動になるよう、皆さん一歩ずつ進んでいっていただけたらなと思います。

加えて、ぜひご興味があれば、一緒に船に乗って世界中の海を皆さんと巡れたらなと思いますので、グローバルに働きたい方、海に興味がある方は、ぜひご応募ください。皆さんの新しい冒険を広い海で心よりお待ちしています!

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取材:渡部 優理絵(ガクラボメンバー) 
執筆:田中 妃音(ガクラボメンバー) 
編集:学生の窓口編集部 
取材協力:商船三井

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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