【村田製作所】スマホの進化を“材料”から支える。材料開発職が語る仕事の面白さとやりがい #先輩ロールモデル

編集部:ぜんや

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「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。

今回は【村田製作所】の材料開発部で働く先輩社会人にインタビュー。

スマートフォンや自動車に欠かせない「積層セラミックコンデンサ」の材料開発を担い、高品質を保ちながらコストを下げる研究に取り組む宮本さんに、専攻とは異なる分野でも活きる研究経験の活かし方や、「ありのままを素直に」貫いた面接術、そして就活を“ゲームのように”楽しめるようになったコツについて詳しくお話を伺いました!

サムネイル

プロフィール:宮本 由香里さん

・スマートフォンや自動車などの電子機器に使われているコンデンサという部品の材料開発を担当。
・コストダウンテーマを担当しており、コンデンサの高品質を維持しつつ低コストで作ることができる材料を開発中。
・若手の挑戦を後押ししてくれる、挑戦しやすい環境を魅力に感じている。

INDEX

村田製作所について 具体的なお仕事内容 モチベーションについて 村田製作所の働きやすさ 学生時代 入社を決めた理由 学生へのメッセージ

村田製作所について

村田製作所は、コンデンサや通信モジュールなどを開発・生産・販売する総合電子部品メーカーです。当社の製品は、スマートフォンをはじめ、パソコン、自動車、ウェアラブル機器、産業用ロボットなど電気で動くほとんどのものに使われており、複数の製品で世界トップシェアを誇ります。経営面では、売上高1兆8309億円、営業利益率は製造業平均の約3倍にあたる15.4%と、高い収益力を10年以上にわたり維持しています。

また、売上高の8.7%(年間約1000億円)を研究開発に投資し、新技術の創出を推進しています。さらに、海外売上比率は90%を超え、常時600名以上の駐在員が活躍するなど、手を挙げればグローバルに挑戦できる環境が整っていることも大きな魅力です。

社会人編

――まずは自己紹介をお願いします。

村田製作所の宮本と申します。コンデンサという部品の材料開発を担当しています。現在新卒入社5年目で、入社以来ずっとこの仕事をしています。学生時代は高分子化学を専攻していたのですが、現在の仕事は無機化学がメインなので、学生時代とは少し異なる分野に挑戦しています。趣味は旅行で、これまでにモンゴルやアフリカにも行ったことがあります。最近では先週ベトナムに行ってきました。本日はよろしくお願いします。

――具体的にどのようなお仕事をされているのか、教えていただけますか。

現在は、積層セラミックコンデンサという電子部品に使われているセラミック材料の開発を担当しています。

積層セラミックコンデンサと言ってもあまり馴染みがないかも知れませんが、この部品は電気を蓄えたり、安定して電流を流したりする役割を持っており、スマホやパソコン、自動車など、電子機器には必ずと言っていいほど使われている部品です。私はそのコンデンサの性能を左右する材料を開発していて、品質を維持しつつコストを低減することを目指して研究開発を行っています。

この仕事を身近なもので例えると、料理のレシピ開発のようなイメージを持ってもらえるといいかなと思います。例えば少し安価な材料を使っても同じ味が出せるのか、あるいは作り方の手順を変えてみても味は変わらないのか、といったことを検証します。試作と評価を繰り返しながら、最適なレシピを探すような仕事内容になっています。

実験室での様子

――先ほどコストを下げるというお話が出てきましたが、高品質を維持しながら低コストを目指しているということだと思います。実際には、どのような視点で課題を見つけ、材料開発を進めているのでしょうか。

コストダウンのテーマに取り組む際には、まず何にお金がかかっているのかを整理するところから始めます。その上で、「なぜこの材料を使っているのか」「なぜこの量が必要なのか」というように、「なぜだろう」を繰り返して原因を掘り下げていく、いわゆる「なぜなぜ分析」を行っています。そうして見つけた課題に対して、試作と評価を繰り返しながら、より良い材料へと改善を進めています。

一方で、材料開発の難しさは、材料がモノづくりのスタート地点にあることです。材料を少し変えただけでも最終的な部品の性能がまったく違うものになってしまい、品質に大きな影響を与えてしまうことがあります。そこが難しいポイントなのですが、一方でそこに面白さも感じています。ムラタには「良い電子機器は良い電子部品から、良い電子部品は良い材料から」という考え方があります。材料は製品の土台となる存在なので、自分が開発した材料がさまざまな製品に採用され、その先で社会の役に立っている。その影響力の大きさを考えると、大きなやりがいになっているなと感じています。

――実験を通して培った考察の仕方やPDCAの回し方が仕事に活きているということですが、実際の仕事でそれが役立った具体的なエピソードがあれば教えていただきたいです。

材料開発では日々多くの実験を行いますが、思い通りの結果が得られないことは珍しくありません。そのときに「結果が悪かったな」で終わるのではなく、「なんでこの結果になったのか」「どの条件がこの結果に影響しているのか」といったことを一つひとつ整理して考える必要があります。これは学生時代の研究活動と共通しており、実験結果が予想と違ったときに原因を考えて次の実験計画を立てる、というところがそのまま活きているかなと思います。

学生の皆さんには、研究テーマの内容そのものよりも、「どのように課題を整理し、仮説を立て、解決に向けて行動したのか」という経験を大切にしてほしいと思います。そうした力は、社会人になってからもさまざまな場面で活かせると感じています。

仕事の様子

――では次に、モチベーショングラフに移りたいと思います。新しいテーマに取り組むにあたってモチベーションが低下するタイミングがあると思うのですが、ここからどのようにモチベーションを回復したのでしょうか。

モチベーションが回復した一番の要因は、周囲のサポートだったと思います。私自身、困ったときには自分から相談することもありますが、相談する前に周りの人が気づいて声をかけてくださることも多く、その存在に何度も助けられてきました。

特に印象に残っているのは、モチベーショングラフの中で最も落ち込んでいた「実験のしすぎ」の時期です。当時は実験を数多く進めていたのですが、結果の整理や考察が追いつかなくなり、自分では忙しく働いているつもりでも、なかなか成果につながっていないという感覚がありました。そんなときに上司が声をかけてくださり、「この実験の目的は何か」「今本当に取り組むべきことは何か」を改めて考える機会をいただき、仕事の進め方を見直すことができました。

また、目の前の課題が解決しただけでなく、優先順位の付け方や効率的な仕事の進め方についても学ぶことができました。今振り返ると、この経験は自分自身の成長につながる大きな転機だったと感じています。

ムラタには、困っている人に単に答えを教えるのではなく、一緒に考えながらその人の成長を後押しする人が多いのかなと感じています。そうした環境の中で、少しずつできることが増えていくことが、結果的にモチベーションの回復につながり、次への挑戦の原動力にもなっていると感じています。

モチベーショングラフ社会人編

――村田製作所には、風通しが良くて若手でも意見を言いやすい環境があるとお伺いしていますが、実際に若手の立場で挑戦できたことや、自分の意見が活かされたなという経験があれば教えていただきたいです。

若手のうちから挑戦できる環境は、本当にあると感じています。例えば、若手育成の一環として、入社1年目から特定のテーマを担当し、自分が主体となって進めていく取り組みがあります。これはすごく大きな挑戦だったなと思います。

もちろん、ただテーマを任せるだけではなく、しっかりとサポート体制も整っています。私の場合は、その分野で長年経験を積まれたベテラン社員の方が関係者としてアサインされていました。
その方々と議論を重ねる中で、「私はこう考えているのですが、どうでしょうか」と意見を伝えると、「その考え方は面白いね」「それで進めてみよう」と受け入れていただけることも多く、自分のアイデアが実験計画やテーマの進め方に反映されていきました。

そうした経験を通じて、年次に関係なく意見を発信できる環境があることを実感しましたし、自分の考えが実際の開発に活かされることに大きなやりがいを感じました。

また、若手のうちからさまざまな仕事を任せてもらえるため、受け身でいるのではなく、自分なりの考えを持って行動することが求められます。だからこそ、日頃から自分はどうしたいかを意識しながら仕事に取り組んでいます。

会議室での様子

学生時代編

――では次に、学生時代のモチベーショングラフに移りたいと思います。この中に「優秀そうな人の挙動を観察」というのがあると思うのですが、観察した結果どんなことが分かって、自分にどう活かされたのかを教えていただきたいです。

「優秀そうな人」と言うと少し大げさかもしれませんが、私が注目していたのは、グループワークの中で「この人、印象的だったな」と感じた人たちです。就職活動では、採用担当者の方に印象を残せることも大切だと思っていたので、そうした人たちにはどのような共通点があるのかを意識して観察していました。

その中で感じた共通点は、大きく二つありました。一つは、結論ファーストで話し、何を伝えたいのかが明確だったこと。もう一つは、知識や経験を自分の言葉で分かりやすく説明できていたことです。そこで私自身も、話すときにはまず何を伝えたいのかを明確にすることを意識するようになりました。また、話が長くなったと感じたときには、「つまり私が言いたいのはこういうことです」と最後に要点をまとめるようにしていました。

また、難しい言葉を使うのではなく、自分なりに噛み砕いて分かりやすく伝えることや、笑顔で話すことも意識していたかなと思います。

モチベーショングラフ学生時代編

――モチベーショングラフを見ていても聞かずにはいられなかったのですが、「面接をゲームのように感じ始め、楽しさを感じるようになる」とあります。学生はどうしても「就活が嫌だな」という気持ちで取り組んでいることが多いのかなと思うのですが、その考えにたどり着くまで、どういうことを乗り越えればたどり着けるのでしょうか。

最初から面接を楽しめていたわけではなく、私も就職活動を始めた頃は「何を答えればいいんだろう」「うまく話せるかな」と不安ばかりでした。

ただ、面接を重ねていくうちに、「こういう質問はよく聞かれるな」「この質問は自分の考え方を見ようとしているんだな」といった傾向が少しずつ分かるようになってきました。また、自分なりに準備したことがうまく伝わったり、面接官の反応が良かったりすると、「次はもっとこうしてみよう」という改善点も見えてくるようになりました。

そうして経験を積むうちに、面接を単なる選考の場としてではなく、「自分の考えをどう伝えれば相手に伝わるのかを試す場」のように捉えられるようになったんです。もちろん緊張はしていましたが、少しずつコツを掴みながら改善を繰り返していく過程が、結果的にゲームのような感覚につながっていったのかなと思います。

なので、最初から面接を楽しもうとする必要はなくて、まずは一つひとつ経験を積み重ねることが大切だと思います。その中で自分なりのやり方や手応えが見つかると、就職活動に対する見方も少し変わってくるのではないでしょうか。

――就活ではBtoBのメーカーを中心に見ていたとお伺いしました。どのような軸で就活をしていたのか、そしてその中で最終的に村田製作所に決めた決め手を教えてください。

就職活動では、大きく三つの軸を持っていました。一つ目は、幅広い人と関わりながら成長できる環境があることです。社員数が多く、さまざまなバックグラウンドを持つ人と一緒に働ける企業であれば、自分自身の視野も広がるのではないかと考えていました。

二つ目は、BtoB企業であることです。BtoB企業は普段なかなか目にする機会はありませんが、社会や産業を根幹から支えている存在だと感じており、そうした仕事に魅力を感じていました。

三つ目は、長期的に安心して働ける環境があることです。仕事を続けていく上では、働きやすさや職場の雰囲気も大切だと考えていたため、その点も重視していました。

その中でムラタを選んだ決め手の一つが、ジョブローテーションを通じてさまざまな経験ができる環境です。私は新しいことに挑戦することが好きなので、一つの仕事だけにとどまらず、異なる業務や分野に挑戦できる点に魅力を感じました。

また、インターンシップを通じて接した社員の方々の人柄も大きな決め手でした。真面目で温厚な方が多く、自分自身もその環境で働く姿をイメージすることができました。こうした環境であれば、自分らしく成長しながら長く働けるのではないかと感じ、最終的にムラタへの入社を決めました。

ムラタセイサクくんと一緒に

――長所として「ありのままを素直に」挙げられていると思うのですが、就活中に素直で臨んだ結果、良かったなという点と、ちょっとうまくいかなかったなという点があれば教えてください。

良かった点としては、入社後のミスマッチを減らせたことだと思います。就職活動では、「入社後にどんな仕事がしたいですか」と聞かれる機会が多くありますが、本当はやりたくないことを無理に「やりたい」と答えてしまうと、入社後にギャップが生まれてしまう可能性があります。私はできるだけ自分の考えや希望を正直に伝えることを意識していました。

また、自分の言葉で素直に話しているので、無理に取り繕う必要がなく、自然体で面接に臨めたことも良かった点だと思います。

一方で、素直さだけではなく、伝え方も大切だということは就職活動を通じて学びました。
実際に他社の面接で、「弊社は第一志望ですか」と質問された際、私は正直に「第一志望ではありません」と答えたことがありました。もちろん嘘をつくつもりはなかったのですが、今振り返ると、相手への伝え方や配慮という点では改善の余地があったと思います。

この経験を通じて、素直であることは大切ですが、相手にどう伝わるかを考えながらコミュニケーションを取ることも同じくらい重要だと学びました。現在の仕事でも、お客様や社内の関係者とやり取りをする際には、そのバランスを意識しています。

――志望動機に戻りますが、「その会社にときめいたポイントを具体的に伝える」というのがとても印象的でした。村田製作所のときめきポイントはどんなところだったのか、そしてそれを志望動機にしていた理由を教えてください。

ときめきポイントは、大きく二つありました。一つは技術面、もう一つは会社の雰囲気です。まず技術面では、電子部品の進化が社会や製品の進化を支えていることに強く魅力を感じました。例えば、昔の携帯電話は機能も限られているにもかかわらずサイズが大きかったのに対し、現在のスマホは手のひらサイズでありながら多くの機能を搭載しています。

就職活動中に見た会社説明資料の中で、ムラタの電子部品が小型化と高性能化を続けてきた歴史を知り、「こうした電子部品の進化がなければ、今のスマホの進化も実現できなかったのではないか」と感じました。目立つ存在ではありませんが、世の中の技術革新を根底から支えているところに大きな魅力を感じたんです。

もう一つのときめきポイントは、会社の雰囲気でした。インターンシップを通じて接した社員の方々は、真面目で温厚な方が多いという印象を受けました。特に印象に残っているのが、「ムラタの良いところを教えてください」と質問したときのことです。多くの社員の方が、「食堂が安くておいしいところですね」と笑顔で答えてくださったんです。その様子を見て、「なんて平和で温かい会社なんだろう」と感じたことを覚えています。

私は仕事内容だけでなく、「どんな人と働くのか」も大切にして就職活動をしていました。そのため、技術力への魅力と社員の方々の人柄、その両方に惹かれたことが、最終的にムラタを志望した大きな理由になりました。

ESについて

――今までお話を聞いてきて、モチベーショングラフも含めて全体を通して、人生においてその時々を楽しもうとするポジティブさが伝わってきました。そのように物事を考えられるようになったきっかけはありますか。

正直なところ、もともとの性格による部分もあるのかなと思っています。ただ、振り返ってみると、昔から「せっかくやるなら楽しんだほうが得だよな」という考え方は持っていたように思います。もちろん、新しい環境に飛び込んだときや大きな変化があったときは、不安を感じたり、思うようにいかなかったりすることもあります。「あのとき、こうしておけばよかったな」と後悔することもありました。

それでも、そのときの環境でできることに前向きに取り組んでいると、後になって振り返ったときに「あの経験があったから今があるな」「あの選択をして良かったな」と思えることが多かったんです。

そうした経験を重ねるうちに、完璧な状態になるまで考え続けるよりも、まずは挑戦してみることや、その環境の中でできることに一生懸命取り組むことを大切にするようになりました。だからこそ今も、「とりあえずやってみよう」「まずは楽しみながら取り組んでみよう」という気持ちで、仕事や新しい挑戦に向き合っているのだと思います。

仕事中の様子

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――最後に、メーカーや材料開発の仕事に興味がある大学生に向けて、学生時代にやっておくといいことや就活へのアドバイスなどを交えて、メッセージをお願いします。

学生時代というと、専門知識を身に付けることが大切だと思われがちですが、もちろんそれも重要であるものの、一方で、社会人になってから本当に活きるのは、知識そのものだけではなく、そこにたどり着くまでの過程だと感じています。

例えば、研究活動の中で培った考察力やPDCAを回す力、目標達成に向けて試行錯誤する経験、自分の考えを相手に分かりやすく伝える力、そしてさまざまな人と協力しながら物事を進めるコミュニケーション力。こうした力は、どのような仕事に就いても必ず役立つものだと思います。

だからこそ、研究や部活動、アルバイトなど、今取り組んでいることに真剣に向き合い、その中で得られる経験を大切にしてほしいです。その積み重ねが、自分自身の成長につながり、社会人になってからも大きな力になると思います。

また、就職活動に対して不安を感じている方も多いと思います。私自身も最初はそうでした。しかし、経験を重ねるうちに、就職活動は自分自身を知り、さまざまな企業や人と出会える貴重な機会だと感じるようになりました。面接も、「自分を試す場」「成長する場」と捉えることで、少しずつ楽しめるようになるかもしれません。ぜひ重く考えすぎず、自分らしく、そして真剣に取り組んでみてください。

皆さんが納得のいく進路と出会えることを、心から応援しています。

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取材:渡部 優理絵(ガクラボメンバー) 
執筆:田中 妃音(ガクラボメンバー) 
編集:学生の窓口編集部 
取材協力:村田製作所

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編集部:ぜんや

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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