料理に使った油で飛行機が飛ばせる!? SMBCグループが取り組む「SAFサプライチェーン構築」を大学生が直撃!
揚げ物を家で作ると残ってしまうのが、使用済みの油。その油で飛行機を動かそう、という試みを知っていますか? 石油の代わりに植物由来等の環境負荷の低い原料から作られる航空燃料は「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」と呼ばれており、世界中で注目されています。
日本でも持続可能なエネルギーを広め、社会に貢献しようとSAFのサプライチェーン構築に取り組んでいる大手企業があります。そのひとつが、三井住友銀行などで知られるSMBCグループ。異業種と連携し、今年から千葉県にて、家庭から出る使用済みの油の回収と SAF導入推進に向けたサプライチェーン構築事業の実証実験を始めています。
そんな取り組みについて、大学生2人がSAFサプライチェーン構築に取り組む担当者にインタビューを実施! SMBCグループがなぜ環境への取り組みに力を入れるのか? なぜSAFが重要なのか? 率直な疑問を聞いてきました。

インタビュー参加者はこちら!
うめいさん
三井住友銀行法人戦略部サステナブルソリューション室所属。SAF(持続可能な航空燃料)などのバイオ燃料を主として企業の脱炭素をサポートする仕事をしている。
もくさん
文学部3年生。社会学に興味があり、現在は主にマイノリティーについて学んでいる。
もちづきさん
文学部2年生。フランスで使われている言語の成り立ちや、移民問題に関心がある。
そもそも「SAF」って? どうして必要なの?
今日はよろしくお願いします! 実はSAFという言葉をこのインタビュー前に初めて聞いて……。
私もです! サッカーチームの名前かな、って思いました(笑)。
まだまだ知らない方も多いと思います。SAFは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称です。現在飛行機では石油から作られるジェット燃料が使われていますが、これを環境負荷の低い材料から作ろうとしています。

環境負荷の低い材料?
たとえばみなさんが家で唐揚げなどの揚げ物をしたときなどに出る、使用済みの植物油。これを回収してリサイクルすると、SAFが作れます。SAFの作り方は色々ありますが、「使用済みの植物油」からSAFを作ることが注目されています。
まさか食用の油が飛行機を動かすなんて! 確かに、揚げ物のあとの油は処理が面倒なので、簡単な方法で回収・リサイクルしてもらえるのはありがたいです。
だいたいの使用済み油は、固めたり新聞紙に吸わせたりしてゴミにしてしまいますよね。日本では、まだまだ家庭で使用された食用油のリサイクルが進んでいません。そこで、SMBCグループではさまざまな企業と連携して、家庭の使用済み油を集め、今後SAFの製造を予定している企業などへの供給をサポートしています。

SAFの性能は、石油由来の燃料と同等なのでしょうか?
混合割合の上限等の制約はありますが、現在使われているジェット燃料とほぼ変わりません。しかもエンジンや機体を変えなくても、問題なく飛ばせるのです。
燃料を変えるだけで、エコにつながるのですね!
SMBCグループが環境問題に取り組む理由は?
なぜSMBCグループではSAFに注目し始めたのですか?
石油・航空業界をはじめ、さまざまな業種のお客様と対話をするなかで、SAFの重要性に気づいたからです。今後世の中では脱炭素化がますます求められていきますが、実は飛行機では、燃料を変える以外にほとんど対処法がありません。飛行機は大きく重いので、電池などほかの手段では飛ばせないんですよね。そのため脱炭素化につながる航空燃料を作り、供給するためのサプライチェーン構築が必要だと知りました。実際に今年の1月からは千葉県で実証実験を始めています。
どのような実証実験なのでしょうか?
千葉県からのサポートもいただきながら、家庭から今は捨てられている使用済み油を回収するという資源循環の流れを作るために、パートナー企業の皆さんと取り組んでいます。将来的には集めた原料をもとにSAFを作り、成田国際空港の飛行機を飛ばすためのサプライチェーンを作ることを目指しています。
<実証実験の体制フロー>

グループは、実証実験にどのような立場で関わっていますか?
全体をとりまとめるコーディネーターとして携わっています。今回のサプライチェーン構築に参加している企業は業種がバラバラなので、個別に連絡を取り合ってチームを作ろうとするとかなり大変です。そのため我々でコンセプトや全体像を考えて、業種の垣根を超えたメンバーを集めて、プロジェクトを進めています。
さまざまな業種の方をつなぐ役割なのですね!

SMBCグループは大きな資産でもあるお客さま基盤があって、産(産業界)・官(行政)・学(大学や研究機関)・金(金融機関)のさまざまな業種のお客さまとのお取引があります。また、SMBCでは、お客さまの課題解決や事業の成長のために、お客さま同士を紹介するビジネスマッチングにも力を入れていて、銀行全体では年間約1万件の紹介実績もあります。そのため業種の壁を越えてメンバー集めができるのです。私自身、SMBCグループには「4つの壁」を越えられる力があると思っています。
4つの壁?
1つ目は先ほどもお話しした業種の壁。2つ目は規模の壁です。スタートアップから大企業まで規模に関係なく、幅広く事業をサポートしています。3つ目は官民の壁。民間企業だけでなく国や地方公共団体などの行政とのプロジェクトも行えます。4つ目は地域の壁です。東京だけでなく、日本全国、さらに海外にも拠点があるのでグローバルに活動できます。

SMBCグループは、金融以外の分野でも社会を支えているんですね!
そうですね。4つの壁を越えてお客様とともに環境に関するプロジェクトを進めることで、社会に大きなインパクトを与えられると思います。SMBCグループでは「社会的価値の創造」を経営の柱のひとつに掲げ、会社全体で、お客様とともに社会課題を解決するために何ができるかを普段から考えており、脱炭素、デジタル、農業などさまざまな分野に挑戦しています。
金融系の企業はお堅いイメージがあったので、ここまで広い分野に対して柔軟に動いていることに驚きました!

SMBCグループは「突き抜ける勇気。」をスローガンに掲げていて、お客様のために、固定概念にとらわれず、新しいことにチャレンジする風土があります。ですから社員が社内でベンチャー企業を立ち上げたり、さまざまな分野で挑戦したりしているのです。
実際、千葉県でのSAFサプライチェーン構築を始めてから反響はありましたか?
「SMBCグループはそんなことまでやっているんだ!」と多くの方に関心を持っていただけました。家庭からの使用済み油の回収も順調に進んでいて、「こんなに便利なサービスがあるならほかの地域でもやってほしい」といったお声もいただいています。今後もさまざまな場所でSAFの認知度向上や普及に向けた取り組みをしてみたいですね。またコスト面などの課題は残っているので、技術革新に関するサポートなどもしていきたいと考えています。

僕は今「企業の社会貢献度」を軸に就職活動をしていて。大きな影響力のあるSMBCグループがこうした取り組みをしていると知り、興味がわきました。
そう言っていただけて嬉しいです! 実は私も大学生のときに、社会的課題の解決や新しい産業のサポートをしたいと思い、SMBCグループに入社しました。入社後は公共インフラの運営に関するサポート、航空業界のパイロット志望者を支える仕組み作りやスタートアップ支援のためのプラットフォームの立ち上げ・運営など、さまざまな角度から社会に貢献できていると感じています。
ビジネスと社会貢献は相容れないと思っていたので、SMBCグループの取り組みを聞いて驚きました! 大企業であることを活かし、幅広い業界にアプローチして社会貢献をリードしているのですね。

未来を支えていかなければいけない私たちの世代にとっても、心強い存在だと思いました。私たちも微力ながら協力できることがあるのかな、と希望が見えた気がして。さっそく身近な人に、「使用済み油の回収をしているところがある」と伝えたいです。

僕も自分が住んでいる場所でSAFの取り組みが始まったら、ぜひ参加したいと思いました!
こちらこそ、お話しできて新鮮な気持ちになりました。ぜひこの記事を機会に、自分に何ができるのかを考えていただけると嬉しいです。私たちも幅広い世代の方と協力してSAFサプライチェーン構築に取り組みたいので、今後もさまざまな角度からの取り組みや情報発信をしていきます。
今日は貴重なお話、ありがとうございました!

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今回「SAFサプライチェーン構築事業」の立ち上げに携わった、まつばらさんからもコメントをいただきました。
――「SAFサプライチェーン構築」のような、次世代に向けた持続可能なインフラ整備に対する想いをお聞かせください。
――「SAFサプライチェーン構築」などの活動に関する、今後の意気込みを教えてください。
持続可能な社会を実現するために
環境問題は規模が大きすぎて、自分にできることなんてない。そう感じていた人もいるかもしれません。しかし家庭で出た油を回収ボックスに持っていく、といったひとりひとりの行動が、環境問題の解決につながっていくのです。また、SAFサプライチェーン構築のような企業の取り組みを知り、周囲に伝えることも持続可能な社会に向けた第一歩になります。
SMBCグループでは「シャカカチ(社会的価値の創造)」と題して、環境以外にもさまざまな社会問題に取り組んでいます。興味を持った方は、ぜひ特設サイトでチェックしてみてください!






















