忙しくて学習時間が取れない人、必見!繰り返し予定機能で先々までスケジュールを確保してみて【学生が知りたい「習慣化」のコツ】
「継続は力なり」と言いますが、毎日何かを続けるのは意外と難しいもの。「三日坊主」という言葉もあるとおり、多くの人は「習慣化」の悩みを何かしら持っているのでは? 今回、習慣化アプリの開発者で『継続する技術』の著者でもある戸田大介さんが、大学生の「習慣化」にまつわる悩みに答える企画が実現しました。今回は、5回シリーズでお届けする最終回です。
今回の相談は、忙しい中で学習を習慣化できないという悩みです。時間を短縮することが難しい場合に何か方法はあるのか――戸田大介さんのアドバイスとは?
忙しさの中で学習の習慣を確立できない…
私は現在、留学に向けてIELTSのスコアを上げるための学習を進めています。具体的には、単語学習(アプリで1日50語)とChatGPTを活用したライティング練習(1日1トピック)に取り組もうとしました。しかし、単語学習は継続できているものの、ライティングは1週間で挫折してしまいました。その理由は、もともと飽き性で長時間同じ作業を続けるのが苦手なこと、また、大学・バイト・課外活動などで日々のスケジュールが過密で、帰宅後にまとまった時間を確保できなかったことです。
特にライティングは、試験本番と同じ40分間をかけて取り組んでいるのですが、疲労や多忙の影響で続けるのが難しくなりました。その結果、再び「計画通りに継続できなかった」という自身への落胆と、留学が決まっているにも関わらず学習習慣を確立できないことへの焦りを感じています。
やるべきことが明確でありながら継続できない状況を改善するための、多忙な中でもできる学習計画の立て方や継続のハードルを下げる工夫など、何かいい方法はないでしょうか。
(ぽちゃまさん/ガクラボメンバー)
隙間時間でできないこと
英語学習、お疲れ様です。私も以前TOEFLの勉強をしていたので、その道のりの大変さを勝手ながら想像しております。
さて、単語学習は続くのにライティングは続かない、というお悩み。その違いは「隙間時間でできるかどうか」にあるかもしれません。
単語学習は比較的短い時間でできるので、空いた時間にパッとアプリを開いて達成できてしまう。一方でライティングは(試験方式や勉強法にもよりますが)PCを開いたりと、何かと準備も必要になって、隙間時間でパッと済ませる、というわけにはいきません。
こういった違いによって、ライティングの方が続けにくい傾向にあるのかもしれません。
一般的には「すごく目標を下げる」というのが継続の鉄則ではあるのですが、「IELTSの試験時間40分に合わせる」というのはすごくいいことだと思うので、これはぜひ確保したい。そこで、それを前提とした対策を一つご紹介させていただきます。
先にスケジュールを確保する
前述の通り、単語学習は隙間時間でできるので、どこか生活の隙間にそれを入れ込める余地があります。しかし、40分のライティングはそうはいきません。実際には40分だけでなく、準備や採点などの時間も必要になると考えると、少なくとも1時間はかかると思います。
これは「どこか生活の隙間に入れ込める」ような小さな時間ではないので、そのための時間を確保しなければ行動できません。そこで有効なのが、先にスケジュールを確保しておくという方法です。
具体的には、あらかじめスケジュール帳に繰り返し予定を入れておきます。アプリやオンラインのカレンダーを使っている場合は、「7:00~8:20 ライティング」というように毎日繰り返し予定を入れてしまいます。
こうすると、
・バイトや課題以外の時間で、ライティング勉強をする
という状態から
・ライティングの時間は事前に確保されており、それ以外の時間にバイトや課題の時間が入る
という風に、常にライティングの時間は確保されるようになります。つまり、優先順位の高いものほど先に時間を確保する、という方法です。
もちろん時間が増えるわけではないので、それによってバイトや課題の時間が圧迫されることは考えられます。しかし、もしそれで「バイトや課題ができない」というようであれば、元々やろうとしていたことが多すぎて現実的ではなかった、ということになると思います。そこで何かを諦めたり調整したりする必要が出てくるかもしれませんが、全てが中途半端になってしまわないように、優先度をハッキリとつけることが重要だと言えそうです。
文面から、とてもお忙しい印象を受けましたが、そういう時こそ優先順位の高いものが守れるように、とことん現実的なスケジュールを考えてみてはいかがでしょうか。
文/戸田大介
編集/学生の窓口編集部
『継続する技術』
元・筋金入りの三日坊主が開発した、日本で一番使われている習慣化アプリ「継続する技術」。その開発過程やユーザーの行動データから、「継続する」ために重要な三原則がわかりました。
原則1:すごく目標を下げる
原則2:動けるときに思い出す
原則3:例外を設けない
とてもシンプルですが、この原則を守った人は、
筋トレや勉強などの「30日間継続成功率」がなんと8.23倍。
「なぜ、ここまで大きな差が生じるのか」
「具体的に何をすればいいのか」
本書は、その答えを客観的な事実にもとづいて示していきます。
著者:戸田大介
発売:2024/10/18 定価:1870円 (税込み)
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
詳細ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3099-9