「帰宅直後」が勝負のスキンケア、どうすれば実行できる?目からウロコのアイデアとは【学生が知りたい「習慣化」のコツ】
皆さんは、自分は「三日坊主」だと思いますか? 何かを続けることは簡単なようで難しいですよね。しかし、考え方のシフトやちょっとしたコツを知れば、やりたくでもできなかったことが継続できるようになるかも⁉ 今回、習慣化アプリの開発者で『継続する技術』の著者でもある戸田大介さんが、大学生の「習慣化」にまつわる悩みに答える企画が実現しました。今回は、5回シリーズでお届けする第3回です。
今回の相談は、大切なのはわかっているけれども面倒くさい、夜のスキンケアについて。やはり打開策は「習慣化」の鉄則が関係するようです。
帰宅後すぐに洗顔したいのにできない…
就活中の大学4年生の者です。最近インターンや選考などで夜遅くまで作業していることが多く、家に帰ると疲れていて化粧を落とすのが面倒くさく、後回しにしてしまいます。帰ったらそのままソファでくつろいでしまうことが多いです。
肌のためにも家に帰ったらすぐに洗顔するのが大事だとは思っており、本当はスキンケアにしっかり時間をかけたいのですが、それができていない状況です。疲れていても面倒くさがらずにスキンケアをするために、何か良い方法はありますでしょうか?
(まえれなさん/ガクラボメンバー)
私は美容については全くと言っていいほど無知で、とてもお役に立てそうではなかったので、妻に相談してみました。すると妻も「わかる。本当に面倒なんだよね」とすごく共感はしていたものの、解決策にはあまり自信がなさそうだったので、その友だちにも知恵を借りたところ、良さそうなアイデアを教えてくれました。
帰宅直後を逃したらゲームオーバー
まず、美容だけでなくあらゆる習慣化に共通して言えることですが、同じ行動でも比較的「楽に動けるタイミング」と「苦しいタイミング」があります。
たとえばベッドで寝転がってスマホを見ているときは、ゴミをゴミ箱に捨てるのすら面倒。でも、シャワーを浴びに立ち上がったついでなら、わけなくゴミを捨てられる。こういった、「タイミングの違い」によって行動の苦しさは変わります。
そして妻の友人Mさんの話によると、化粧落としやスキンケアは「帰宅直後」で勝負が決まるとのこと。その一瞬を逃してしまったら、ほぼそこからの逆転は絶望的。疲れて家に帰った瞬間、「ソファに倒れ込みたい」という気持ちが全身を駆け巡りますが、それに屈した瞬間に、スキンケア的敗北はほぼ確定するようです。
しかし、それが絶望的に面倒でできないから、困っているのだと思います。どうしたらよいのでしょうか。
そこで教えてくれたのが、次のアイデアです。一つは「ハンドソープの横にクレンジングオイルを置いておく」。忙しくても手は洗うだろうから、そのついでに行動できる可能性を高める、という方法です。そしてもう一つのアイデアというのが――。
玄関でいきなり脱ぐ
「一刻も早くソファに横になりたい」その気持ちを抑え、スキンケアを実行するには、次の方法が有効だそうです。
家に帰ったらすぐ、玄関で服を脱ぐ。
これは決してふざけている訳ではなく、現実的に成功する可能性を最大化することを考え、ある女性Rさんがたどりついた方法。聞いてなるほどと思ったのですが、これは習慣化の観点からも非常に合理的と言わざるを得ません。
人間は何か行動を起こすとき、「イメージしている作業量」が大きいほど、面倒に感じます。スキンケアが面倒なのは、化粧を落とし、何工程にも及ぶスキンケアをするだけでなく、それとあわせてシャワーを浴びたり、髪を乾かしたりと、たくさんの作業を同時にイメージしてしまうためと思われます。
そのようなたくさん作業をイメージすると腰が重くなるので、「ほんの小さな行動」だけを意識すると、行動のハードルがグッと下がります。それが「服を脱ぐ」ということです。(帰宅する瞬間、「服を脱ぐ」「服を脱ぐ」と、その一点のみに意識を集中させます)
そのあとは、すべて自由。何の制約もありません。そのままソファに倒れこんでも大丈夫です。しかし実際には、帰宅して服を脱いだ人間はたいてい自動的にシャワーに向かうので、そうなれば化粧を落としたり、スキンケアをするといった行動は連鎖反応的に起こる――ということなのだそうです。
習慣化の鉄則である
・目標を極限まで小さくする
・動きやすいタイミングを狙う
という要点を抑えた、実に鮮やかなソリューション。もしかしたら人間としての方向性によっては、「誰も見ていないとはいえ、玄関で服を脱ぐのはちょっと......」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その覚悟 (?)に見合うだけの効果は期待できそうです。
もし抵抗がないようでしたら、ぜひお試しください。
文/戸田大介
編集/学生の窓口編集部
『継続する技術』
元・筋金入りの三日坊主が開発した、日本で一番使われている習慣化アプリ「継続する技術」。その開発過程やユーザーの行動データから、「継続する」ために重要な三原則がわかりました。
原則1:すごく目標を下げる
原則2:動けるときに思い出す
原則3:例外を設けない
とてもシンプルですが、この原則を守った人は、
筋トレや勉強などの「30日間継続成功率」がなんと8.23倍。
「なぜ、ここまで大きな差が生じるのか」
「具体的に何をすればいいのか」
本書は、その答えを客観的な事実にもとづいて示していきます。
著者:戸田大介
発売:2024/10/18 定価:1870円 (税込み)
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
詳細ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3099-9