「オリエンテーション」とはどんな意味? 参加時に気をつけたいこととは?
新人向けのイベントとして入学時や入社時に行われることの多い「オリエンテーション」ですが、そもそもどのような意味かご存じでしょうか?
今回は、意外に知らない人も多い「オリエンテーション」についてご紹介します。
「オリエンテーション」とはどんな意味?
オリエンテーションは、学校、就活、ビジネス、医療で使われています。そもそもどんな意味なのでしょうか。
『広辞苑』では「オリエンテーション」を次のように説明しています。
オリエンテーション 【orientation】 (1)ものごとの進路・方向を定めること。また、それが定まるように指導すること。方向づけ。 (2)新入生や新入社員に対する説明・教育。 (『広辞苑 第六版』P.436より引用)
英単語の「orientation」は、新しい環境や考え方への「適応」「順応」という意味です。
そこから、「新入生や新入社員が「新しい環境に適応できるように教育、指導すること」が「orientation」の意味に含まれるようになりました。
日本では、この新人に対する教育、指導を行う場、あるいは会合やイベントのことをおもに「オリエンテーション」と呼ぶことが多いですね。
「オリテ」「オリエン」と略して呼ばれることもあります。
オリエンテーションの目的は内容の理解を深めてもらうこと
オリエンテーションの目的は、説明する内容に関する理解を深めてもらうことです。
高校や大学で行われるオリエンテーションは、新入生に対して学校の機能や授業の受け方について理解してもらう場ですし、就活のオリエンテーションの多くが就活生が会社について理解できるように工夫されています。
医療現場では、医学専門用語の「オリエンテーション」としての意味「意識障害の指標となる見当識」で使われることがありますが、一般的にはこの使用例で使われることはほぼありません。
ガイダンスは白紙状態の人への説明
オリエンテーションと似た意味合いで使われる言葉にガイダンスがあります。ガイダンスは全く知識を持たない白紙状態の人への説明のことです。
オリエンテーションはある程度知識のある人に向けた説明ですが、ガイダンスは何の予備知識もない(と考えられる)人向けの説明です。受けての知識の有無による違いがあります。
就活での「オリエンテーション」の形式と内容
大学生に身近なオリエンテーションといえば、アルバイトに採用されたときのオリエンテーションと就活のオリエンテーションではないでしょうか。
就活でのオリエンテーションの形式は、大きく分けて3つあります。
- ・インターンシップでの「オリエンテーション」
- ・面接での「オリエンテーション」
- ・入社前の「オリエンテーション=入社前説明会」
それぞれの内容が少しずつ違うので、紹介します。
インターンシップでの「オリエンテーション」
インターンシップに参加するにあたっての説明会としてのオリエンテーションです。
インターンシップ参加に必要なマナーや心得などが説明されます。インターンシップの概要説明の他に一緒に参加する学生との交流会という意味合いもあります。
面接での「オリエンテーション」
面接の一種としてオリエンテーションが行われることがあります。
この場合のオリエンテーションは、その企業の社員数人が就活生と顔合わせをし、業務について説明、質疑応答などを行うというものです。
新入社員候補となる就活生に教育、指導を行うという意味の「オリエンテーション」になります。
入社前の「オリエンテーション=入社前説明会」
入社前オリエンテーションは「入社前説明会」とも呼ばれ、同期の方たちと一緒に、入社予定の企業の上司などと顔合わせを行うものです。
入社前ではありますが、新人たちが早く会社に適応できるようにと開催される、説明会の一種となります。
就活での「オリエンテーション」参加時の服装やマナー
就活でのオリエンテーションは、参加時の服装やマナーに気をつける必要があります。インターンシップでのオリエンテーションがそのまま就活本番への布石になっていることもあり、どのシーンでのオリエンテーションでも気が抜けません。
一般的に企業での「オリエンテーション」に参加する場合には、スーツの着用が基本です。「服装自由」と書かれている場合は、カーディガンにシャツなどオフィスカジュアルを意識した服装にすると無難でしょう。
また、1日のスケジュールをあらかじめ把握しておくなど、事前準備をしっかりとしておくことも、大事なマナーのひとつです。
失敗しない!服装選びのポイント
オリエンテーションで失敗しない服装選びのポイントには以下のようなものがあります。
- ・シャツの色:スーツなら白色が基本、カジュアルな場合も奇抜なものは避ける
- ・カジュアルさ:カジュアルすぎるのはNG。オフィスカジュアルを意識して
- ・靴:スーツならプレーントゥ(男性)、ヒールが少しあるパンプス(女性)
- ・カバン:オリエンテーションで配布されるA4資料が入るものを
どんなパターンであっても清潔感が大切です。「この人と一緒に働きたい」と感じてもらえるような服装を意識しましょう。
「スーツではなくカジュアルでOK」という指示で困った場合は、衣料品店でオフィスカジュアルな服装を相談するのも手です。
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アルバイトのオリエンテーションは仕事内容の説明のこと
アルバイトに合格した大学生が採用後に受けるオリエンテーションは、就業規則やアルバイトの仕事内容の説明であることが多いです。
大抵の場合は店舗の責任者が規則面でのオリエンテーションを行い、一緒に働く先輩が新人教育係として服装や仕事内容についての説明をします。
オリエンテーションという単語を使わず、「初日は簡単に仕事内容を説明するから筆記用具を持ってきてください」のように指示されることも多いので、「オリエンテーションなんてなかった」という人もいます。
ビジネスでのオリエンテーションは説明会の意味合いが強い
社会人になってビジネスシーンでオリエンテーションという場合は、何かしらについての説明会という意味合いが強いです。
新入社員に対する会社のオリエンテーションもそうですが、新しく始まる事業や企画についてのオリエンテーションが開催されることもよくあります。
自分がオリエンテーションを開く立場になることもあるので、参加する際は「自分がこのオリエンを任されたらどう仕切るか」という主催者側の位置に立って考えることも大切になってきます。
学校でのオリエンテーションはガイダンスの意味合いが強い
学校で使われるオリエンテーションは、ガイダンスという意味合いが強いです。
新入生や新しく部活やサークルに所属した人に対する説明会になるので、知識0の人でもわかるような案内があります。
高校・大学でのオリエンテーションは新入生向けのガイダンスのこと
高校や大学でのオリエンテーションは特にそういった意味合いが強く、「オリエンがある」=「新入生向けのガイダンスがある」です。
学校生活を送るために必要な事項が説明される大切な説明会であり、欠席すると必須単位の取り方がわからず、留年の原因になることもあります。
新入生同士の交流会や先輩たちによる歓迎会も兼ねていることが多く、人間関係の構築にも役立つ場合が多いです。
オリエンテーションは大切な説明会であることが多い
「オリエンテーション」は「新入生や新入社員に対する説明・教育」という意味で主に使われていますが、日本では、新入生を指導するための「説明会」のことを「オリエンテーション」と呼ぶことが多いようです。
ほかにも、オリエンテーションには「進路指導」「方向付け」といった意味もあります。
どちらの意味合いであっても受け手にとって大切な情報を案内してくれるイベントに違いはありません。自分が参加者になっているオリエンテーションには必ず参加するようにしましょう。