こんにちは！出版甲子園実行委員会です。

今回は「一生推したい本」として、村田沙耶香さんの短編集『丸の内魔法少女ミラクリーナ』をご紹介します！

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『丸の内魔法少女ミラクリーナ』著：村田沙耶香

村田沙耶香さんといえば2016年に『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した実力派作家。
現代社会を舞台にしながらも独特な世界観の中で“人間”のあらゆる面を描いた作品は、読む人を惹きつけます。

本作『丸の内魔法少女ミラクリーナ』もそんな村田節を十分に堪能できる一冊。
ポップなタイトルに惹かれて手に取ると、1ページ目からこんな“ゆめかわ”な世界観が広がっています。
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「私の名前は茅ヶ崎リナ！ 小学校3年生のとき、魔法の国から不思議な動物ポムポムがやってきて、私にこの魔法のコンパクトをくれたの。」
「コンパクトに向かって呪文を唱えれば、魔法少女ミラクリーナに大変身！」
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という「設定」の魔法少女ごっこを小学校3年生から27年間続けてきた主人公のリナ。
仕事のストレスも「変身」することでなんとかやり過ごしているリナだが、親友の彼氏であるモラハラ男が魔法少女ごっこに参加することになってから少しずつ日々が狂っていって──。

現実ではありえないとは思いつつも「ありえない」とは言い切れない絶妙な設定。
軽妙なタッチながら、ごっこ遊びなんてとうの昔にやめてしまった大人たちにまっすぐに突きつけられる「本当の魔法ってなに？」という問い。

ストレス社会の中に、自分の愛するものをがむしゃらに追いかけることの輝きを見ることができる作品です。
落ち込むことがあっても、あの日憧れたヒーローに「変身」すれば最強かもしれない！と思わせてくれるこの作品は、忙しい毎日の傍らに常に置いておきたい一冊。

表題作のほか、性別が禁止された学校で恋に落ちた高校生の、揺らぐ心模様を描く「無性教室」など全4篇を収録。
あなたも村田ワールドにどっぷりハマってみませんか？

書籍情報
『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
著：村田沙耶香
出版社：KADOKAWA
ISBN：978-4041084236