「お客様視点を絶対に忘れないこと」花王で働くマーケティング担当者が大切にしていることとは?

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ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話しを伺う企画「#お仕事図鑑」。

今回は「花王」で働く先輩社会人にインタビュー。「アクアリッチ」「アスリズム」など、ビオレの日焼け止め商品のマーケティングを担当している小原さんに、日々の仕事内容についてお話を伺いました!

PROFILE

小原 聡太郎

「アクアリッチ」や「アスリズム」などビオレの日焼け止めのマーケティングを担当。 太陽の下でもっと笑顔で過ごせる社会を目指して、日々商品・コミュニケーション開発を行う。

マーケティングに大切なことは“生活者理解”

――自己紹介をお願いします。

花王株式会社でビオレというスキンケアブランドの日焼け止めカテゴリーであるビオレUVのマーケティングを担当している小原と申します。 2014年に入社し、初期配属として営業を4年ほど経験し、5年目からマーケティング担当となり、現在に至ります。ブランドはビオレを担当しており、その中でも全身洗浄料や、今の日焼け止めを担当してまいりました。

――具体的なお仕事内容を教えてください。

マーケティングというと、企業によって担う役割が違うのですが、 花王株式会社の場合は、ものづくりの川上から川下まで幅広く行っております。商品の計画の起案から、それをどういう風に伝えるかといった広告であったり販売戦略の立案や実行、ブランドとして育成して行くためのブランディングなどを行っております。

――1日のスケジュール感を教えていだけますか?

本当に毎日新しいことをしていて、決まった事というのはほとんどないんですが、その中でルーティンとして、大きく3つのことをやっております。

朝一にまず売上の確認をすることです。花王の場合はドラックストアやホームセンターなどを介してお客様に商品をお届けしていますので、お店からどれぐらい商品を発注していただいているのか、どれぐらい店頭で売れているのかを確認し管理を行います。

2つ目がSNSでの口コミの確認を行っております。商品に対してSNS上で、さまざまなお声をいただいておりますので、それらを参考にしながら、より良い商品の開発を常に努めております。

3つ目が、近くのドラッグストアを毎日定点的に見に行く事です。お店行くと毎日売れ行きが変わっていたり、商品を陳列する新しい見せ方の発見などもあって、非常に勉強になります。

ルーティング以外は多くの方々と交わる機会、特に打ち合わせする機会が多いです。例えば、商品を開発する時にどのような中身(処方)にするか、技術情報やお客様のニーズに関する情報交換を含め研究所と打ち合わせを行います。その後、実際にお客様に使っていただいて調査を行います。他にはどのようなパッケージにしたり、どのような広告にしたらより魅力的に伝わるかをクリエイティブ部門であったり、社外の代理店と一緒になって考えたりします。また、できた商品をどれぐらいの数量をお店で扱っていただくかを生産部門や販売部門とやり取りして行きます。本当にさまざまな方々と日々打ち合わせなどをしながら進めております。

――本当に幅広いことを1日でしていらっしゃるんですね。店舗を見に行かれたり、SNSの口コミを確認するなど、お客様との接点や声を大切にされてる中で、商品や業務の改善につながったことはありますか?

ほとんど全てですね。日焼け止めなどはニーズの変化が激しいので、毎年新商品を提案しているんですが、すべてお客様の声からスタートしております。どういうものを作れば、多くの人々に自分が作った商品を取ってもらえるかというところは、常に意識しながら仕事をしております。

――競合がたくさんいる中で、自社の商品を選んでもらうために、意識していることはありますか?

競合他社さんも本当に良い商品が多いので、動向などは確認はしているんですが、あまり私たちはそこに振り回されず、花王のブランドらしさであったり、ビオレはどういった目的で商品を開発しているのか?というところに常に立ち返るようにしています。

先ほどもお話させていただいた、生活者のみなさんの声というのを大事にしながら商品開発をしております。その結果として、多くの皆さんに使っていただけるポイントになっているのかなと思っています。

――お仕事の魅力や、ワクワクする瞬間を教えていただけますか?

自分が携わった商品は本当にわが子のように可愛くて、それを流通やメディアの皆さんに紹介したり、お店に並んだ時というのは本当にワクワクします。本当に毎日、週末もお店を見に行っていて、お客さんからしたらちょっと嫌かもしれないですけど(笑)、自分が作った商品を手にとってもらって、カゴに入れてもらう瞬間は本当にたまらなく嬉しいですし、心がワクワクしますね。

――これまでのお仕事の中で、失敗や挫折経験があれば教えてください。

私が2018年に営業から異動後はじめて全身洗浄料のマーケティングを担当した頃に、技術力を全面に押し出した新商品の打ち出し方をしてしまい、自分が思っていたようにお客様には受け入れてもらえない、という経験をしました。
生活者のみなさんのこと見ていなかったというその頃の反省があるので、今は一度悩んだら常に生活者の想いに立ち返るようにしております。

――小原さんが思う、マーケティングの仕事に求められるスキルを教えてください。

マーケティングで必要なスキルは、大きく分けると3つかなと思っています。
1つ目が、川上から川下まで、ものづくりのすべてに携わるので、それをひとつずつ進めていく推進力が必要だと思います。推進する上でリーダーシップも重要になってくるかと思ってます。

2つ目が、ブランドのオーナーとして、しっかり責任感を持ってやることも非常に重要だなと思っています。商品が売れなくてもその理由を外的要因だけのせいにせず、しっかり自分事化して責任感を持ってすすめることが重要だと思ってます。

3つ目が、生活者の理解というところが、特にマーケティングにおいては重要かなと思っております。やはりお客様のことを知らないと手にとってもらえないので、生活者を理解するということはとても重要だと思っています。

楽しく仕事ができる雰囲気が魅力

――花王に入社を決めた理由を教えてください。

誰もが毎日使うものが花王の商品には多いと思うんですが、自分たちの商品やサービスを通して生活者の暮らしが少しでも便利に楽しく、そして豊かになっていく、そんな仕事って面白いんじゃないか、と思ったのが一番大きな入社理由かなと思います。また、様々なブランドに携われるのは魅力的だなと思ったことも入社理由の一つです。

――チームメンバーの特徴や雰囲気を教えてください。

チームメンバーは6人いて、本当にみんな明るくてパッションがあって、すごい楽しく仕事ができるメンバーがいます。また、上司もとても責任感の強い方で、自分がやりたいことや思うことを突き進められるように導いてくれます。そんな素晴らしチームだと思っています。
会社全体で見ても明るくて優しい、それでいて自分の仕事に強いこだわりを持っている人が多いのかなと思ってます。

――小原さんご自身の現在の課題や今後の展望があれば教えてください。

日焼け止め事業においては2021年から日本国内においてはNo.1ブランドになることができました。No.1だからこそ、お客様にさらにより良い商品を届けたいという思いがありながら、まだまだグローバルでは課題があるなと感じているので、世界でも一番使われる日焼け止めになれるよう、チャレンジをして行きたいなと思っております。

※「インテージ」SRI+日焼け止め市場 2021年1月~2022年12月 累計販売金額

学生からの質問コーナー

――マーケティング職を志したきっかけを教えてください。

自分が携わった商品やサービスによって、多くの人に影響を与える仕事ってかっこいいなと思ったことがきっかけですね。大学でマーケティングを専攻していたというのも、大きなこと要因かなと思ってます。

――私は文学部ですが、商学部や経営学部出身でなくても活躍されている方はいらっしゃいますか?

花王だけではないと思うんですが、学歴や学部などは社会人になってほとんど問われないなと思って、気にせずにチャレンジしてもらうのが一番いいことかなと思ってます。

――パッケージも考えるとお話がありましたが、デザインの勉強もされているのでしょう?

その道のプロの方に色々聞いたり、本を読んだりして勉強しています。上司から「美術館に行くと感性が磨かれるよ」とアドバイスをうけて、たまに行って勉強したりもしています。

――海外で働ける機会はあるのでしょうか?

日本だけでなく、海外で働いているマーケターや、各関連部門の担当者が多くいます。チャレンジプログラムのようなものもあったりしますし、グローバル企業として、海外で働く機会というのは、今後さらに増えていくのかなと思ってます。

学生へのメッセージ

――学生に向けてメッセージをお願いします。

就職活動において自分がこれを心がけてよかったなと思うことのひとつをお伝えしたいなと思います。それは、とにかく自信を持って話してほしいということです。

例えば、自分が自動車買うときに営業マンからあまり自信なさげに「どうですか…?」と言われるよりも、すごく自信を持って「この車めちゃくちゃいいんですよ!」と、お話していただいた方が買いたいなと思いますよね。まずは、自己分析を徹底的に行い、そして自信を持って自分のことを話してほしいなと思います。

そして、色々チャレンジしながら自分に自信を持ってほしいなと思っています。


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取材:清水 碧
編集:学生の窓口編集部
取材協力:花王株式会社

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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