「商品が形になる瞬間はやっぱりワクワクします」。無印良品で商品開発を担う若手社員たちが感じる仕事の魅力

編集部:ぜんや

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ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話しを伺う企画「#お仕事図鑑」。

今回は無印良品を扱う「良品計画」で働く先輩社会人たちにインタビュー。衣服雑貨部の石原さん、食品部の渡邉さん、生活雑貨部の神山さんの3人に、日々の仕事内容についてお話を伺いました!

商品開発の担当者たちが思う、仕事の魅力やワクワクする瞬間

ーーまず、簡単な自己紹介をお願いします。

石原:
衣服雑貨部で婦人のカットソーなどを担当している石原です。今日はざっくばらんにお話しできればと思っています。

渡邉:
食品部で冷凍食品や飲料の担当をしている渡邉です。今は主に清涼飲料水の商品開発や、食にまつわる売り場の設計、サービスの開発などに取り組んでいます。

神山:
化粧品やフレグランスを扱う生活雑貨部に所属している神山です。私自身はフレグランスやヘアケアの商品開発を担当しています。

ーー普段の仕事内容について教えていただけますか?

石原:
私は婦人のTシャツやスウェットのMD(マーチャンダイザー)という仕事に携わっています。現状の課題などを考えながら商品を開発し、販売計画を立てます。その後はこの商品をどのくらい発注するかを考えて、最後はどう陳列するかまで考えています。

渡邉:
私もMDの仕事をしていますが、食品の場合は口にする商品なので、安全性の担保は特に重要で、素材の生産調達や品質保証の部署と連携しながら、新商品や既存商品の見直しをしています。

神山:
フレグランスは香りを作る仕事なので、取引先様と調香師の方々と一緒に「どんな香りがいいか」「どういうコンセプトで商品を出せばいいか」を考え、何度も試作を重ねながら商品開発をしています。既存の商品の品質向上や、もっと多く売るための戦略、プロモーションを立てるのも仕事のひとつです。

ーー扱う商品によって、新商品の開発スパンは違うんですか?

石原:
衣服に関しては、春夏と秋冬で分けて商品開発を進めています。アパレルは流行もあるので、毎年違った商品を出すのが楽しいですね。

渡邉:
食品も基本は同じですが、企画を作り始めてから発売するまでの期間は衣服よりも食品のほうが短いなどの差はあります。企画は半年単位で考えていて、まずは「2023年春はこういうテーマでいこう」と全体のテーマを検討し、新商品を発売する流れになります。

神山:
生活雑貨部では、定番の品揃えに加えて、春夏秋冬それぞれに適したシーズン商品を出すよう企画しています。今なら(取材時期5月)、例えば「インテリアフレグランスオイル」ではフレッシュグリーンやフルーティーシトラスなどの、季節に合わせた商品を販売しています。

ーー商品開発の魅力や、ワクワクする瞬間について教えてください。

渡邉:
商品が形になる瞬間はやっぱりワクワクしますし、それを店頭でお客さまが手にとっているのを見ると達成感があります。現場スタッフからも率直な意見を直接もらえるので、その点も魅力かと思います。

神山:
渡邉さんの意見と全く一緒ですが、企画を形にできた瞬間は我が子を抱くような感覚に陥ります。僕に子どもはいないのですが……(笑)。

石原:
無印良品の商品の中で、一番売れているのが私の担当しているTシャツなのですが、ずっと一位が続いているのを見ると「よっしゃ!」って感じになります(笑)

ーーでは、苦手な作業や困難に感じた経験などはありますか?

神山:
商品のコンセプトを考える作業が難しいですね。自分の好きなものをただ作れば良いだけでなく、競合他社が多くいる中で、痒いところに手が届く商品を考えなければいけないので、毎回頭を抱えています。でも、それがやりがいでもあります。

渡邉:
僕も神山さんと同じです。商品企画を考え、その企画が支持されるかをマーケティングし、コンセプトを考えるという作業は、どんなベテランでも、どんな商品でも難しい業務だと思います。

石原:
全世界分の販売計画を立て、その分を発注したり、店舗に入れるためにダンボールの数を設定したりする作業は責任が大きいと感じています。やっぱり時間もかかりますし、大変ですが、責任がある分やりがいもあります。

ーーアイデア出しのコツや、アイデアを採用するときの判断基準があれば教えてください。

渡邉:
お客様の困りごとを解消する商品が圧倒的に支持されますが、それを見つけるにはアンテナを張る力が大切です。食品の場合は街で行列になっている店を見かけることもありますが、「この商品はなんで流行っているのか」「流行ったキッカケは何か」「他の商品と何が違うか」といったところまでしっかり深掘りするよう心がけています。

ーー商品開発という仕事をするうえで、もっとも重要なスキルはなんですか?

石原:
いろいろありますが、まずはお客様目線に立って店舗を見ることが大事だと思います。毎週店舗に行って「このお店ではこんな見え方をしているんだ」と確認したり、ネットストアのレビューを見たりしていますが、商品がどのように世の中のお客様に伝わっているかを広く観察する視野が大切だと思います。

ーー良品計画では入社後、まず店舗勤務を経験すると思います。当時の経験は今の仕事でも活きていますか?

石原:
5年ほど店舗にいたので、スタッフ目線で「もっとこんなふうにしたら売れるんじゃないか」と考えたり、見せ方や陳列方法などを考えたりするうえでも店舗での経験が活きていると思います。

神山:
マネジメント力と決断力という点で活きています。いい商品を作るためには、周囲の人間や自分のマインドのマネジメントも重要ですし、私たち開発担当者が決断を下す場面も多いので、舵を切る決断力はすごく重要だと思っています。

渡邉:
私たちは作り手の都合ではなく、常にお客様目線で物事を考えなければいけません。店舗を離れれば視野も狭くなってしまいがちなので、やはり実際にお客様の声を聞くのは大事なことだと思います。

商品開発に向いているのは「広い視野を持った人」

ーー商品開発という仕事は、どういう人が向いていると思いますか?

神山:
いろいろなことに興味を持って、楽しそうに業務に当たれる人だと思います。お客様目線を持ちながら、「これを買ったお客様はどう喜んでくれるか」「どう暮らしがよくなるか」といったことを毎日考えながら、楽しく仕事をすることが大事だと思います。

渡邉:
市場やお客様の生活をしっかり観察できる、視野が広い方が向いていると思います。観察だけでなく、「こういう食感が流行っているなら、あの商品でも活かしたら支持されるのではないか」と仮説を立てて行動する能力や、ひとつの仕事に最後まで熱心に取り組める職人気質を持った人も向いていると思います。

石原:
やはり私も、広い視野を持ち、お客様や世の中の人がどんな服を着ているかを観察して、商品開発に活かせる人が向いていると思います。また、多くの人と関わる機会があるので、いろんな部署の意見を聞いたうえで周りを巻き込める人も向いていると思います。

ーーなぜ良品計画に入社したのか、その決め手について教えてください。

渡邉:
入社前から無印良品が大好きだったので、自然な流れで企業分析をはじめました。その結果、ものづくりの考え方にもすごく共感できましたし、より大きな魅力を感じることになりました。

神山:
私も消費者として無印良品の雰囲気や商品が好きでしたし、無駄を省きながらも妥協せず、お客様の生活の課題を解決しながら暮らしをよくする、といった理念に共感しました。社員の皆さんがみんな前向きで優しかったのも入社を決めるきっかけになりましたね。

石原:
私は日本のものづくりを海外に広げたいという思いで就活をしていました。大学在学中にオーストラリアでワーキングホリデーをしていたのですが、そのときにちょうど無印良品がオープンしたんです。世界中の人が日本のブランドを求めているのを見て、すごく誇らしく思いました。

ーー部署によって職場の雰囲気は違いますか?

渡邉:
食品部は安全にすごく気を使っています。原料に含まれるものなどのちょっとした取りこぼしが事故につながるので、真面目な社員が多いと思います。

石原:
衣服雑貨部は考え方が若い人が多い気がします。ファッションが好きな人が多いからみんなオシャレだし、上司も流行に敏感ですね。

神山:
フレグランスは嗜好品に近い要素もあるので、みんな好奇心旺盛ですし、「この香りいいじゃん、やっちゃおうよ!」というチャレンジ精神にも溢れている気がします。

ーー現在の課題や今後の展望などがあれば教えてください。

渡邉:
冷凍食品や飲料は、まだ挑戦できていない領域が多くあるので、既存の考えに囚われず、新しい価値観を見出していく必要があると思っています。「新しい挑戦をしたい」というのが今後の展望になりますね。

神山:
個人的には、商品開発に配属されてまださほど時間が経っていないので、まずは足りていない知識をしっかり補っていきたいと思います。また、今後は無印良品の象徴となるようなフレグランスを開発して、多くの方を癒やし、前向きな生活を送れるようにしたいと思っています。

石原:
商品の知識や繊維業界の知識、アパレル業界の知識が足りていないのが個人的な課題です。そのうえで、自分たちが納得する服づくりもしていきたいと思いますし、今より多くの人に「無印良品に服を買いに行こう」と思ってもらえる存在にしたいとも思っています。

志望の部署に行ける? 商品開発に資格は必要? 学生からの質問コーナー!

ーーここからは学生たちの質問にお答えいただければと思います。無印良品は、自分で志望した部署に行けるのでしょうか?

石原:
私は配属希望を出して、現在の部署に異動しました。入社当初は「異動するのに10年くらいはかかるかな」と心配していましたが、最近は入社から5年が経たずとも、本社勤務を希望する人がいればその気持ちが尊重されるような流れになっているかと思います。

ーー商品開発をするうえで、何か資格は必要でしょうか?

神山:
必要ないと思います。もちろん知識があるに越したことはありませんが、配属後にサポートしてくれる人もたくさんいますし、業務を行ううえで成長する環境も用意されています。時間を作って勉強するのも大事ですが、入社前から不安に思う必要はありません。

ーー最後に、学生の皆さんにメッセージをお願いします。

渡邉:
良品計画は、無印良品の店頭だけでなく、商品開発を筆頭にかなり幅広い領域の業務がある、面白い会社です。商品の幅もすごく広く、いろんな挑戦ができる企業だと思いますので、ぜひ気にかけてみてください。

神山:
これからどんな仕事をしようかと迷っている方も多いと思いますが、自分がどんなことしたいかを明確にすることがすごく重要だと思います。簡単なことではありませんが、今から多くのことを経験し、さまざまな価値観に触れれば、自ずと自分のしたいことも見つかると思います。ぜひ、自分の好きな仕事を楽しんでください。

石原:
私も就活中は自分のやりたいことがわからずに悩んでいましたが、自分の好きなものをいろいろと思い浮かべて、実際にやってみることでわかることもあります。ぜひ、就活しながらいろんな企業を見て、自分を知って、自分像というものを作ってほしいと思います。


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取材:清水 碧
文:猿川 佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:株式会社良品計画

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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