日本のスターバックスにわずか5人のみ! 「コーヒースペシャリスト」が語り継ぐグローバルなコーヒーの世界

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プロフィール:若林 茜
2009年新卒入社

コーヒースペシャリストとして社内のコーヒー教育をリードし、社外にコーヒーの知識を伝える役割を担っています。コーヒーのいれ方や楽しみ方、生産地のストーリーやエシカルな調達についてなど幅広い知識を持ちつつも、お客様や店舗のバリスタに気軽にコーヒーを楽しんでもらいたいという思いで日々活動しています。大学時代は自閉症児教育を学ぶ一方で、ひたすら演劇に打ち込んでいました。

「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。

今回は「スターバックス」で働く先輩社会人にインタビュー。コーヒースペシャリストとして社内のコーヒー教育をリードし、社外にコーヒーの知識を伝える若林茜さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!

学生時代編 演劇とスターバックスの「お客さまに感動経験を与える」という共通点

――若林さんは、どんな学生時代を過ごしていたのでしょうか?

大学では心身障害学を専攻し、自閉症児の教育などについて学んでいたのですが、4年間のうち7〜8割程度の時間を演劇のサークルに費やしていたので、単位のほうはギリギリで卒業できた感じです(笑)。あとはアルバイトや児童養護施設などでボランティアなどもしていました。

――学生時代に一番頑張ったことは何でしょう?

演劇ですね。茨城の大学に通っていたのですが、大学の近くに住んでいるメンバーが多かったので、深夜2時近くまで練習することもザラでしたし、それだけ演劇に力を注いでいました。

演劇はセリフも動きも覚えなければいけませんし、いい作品にするためには全員でコミュニケーションをしっかりと取る必要もあります。みんなで息つく間もなく集中していましたし、むしろ春休みや夏休みのほうが大変だったので、長期の休みのときは「早く学校始まってくれないかな〜」って思っていました(笑)

――仕事で役立っている学生時代の経験はありますか?

演劇って、必ず「この舞台はこのテーマで、こういうメッセージを伝えたい」っていうものが根底にあって、それを全員が理解していないといいものができないんですよ。

これは仕事でも一緒で、スターバックスの中でもプロジェクトのテーマやその中に込めるメッセージなどについて、みんなで同じ目線を持たなければいけません。でも、人によって考え方は違うので、共通の理解を持てるまで言葉でコミュニケーションを取り続けないといけないんです。このあたりの認識や重要性などは演劇で学ぶことができたと思います。

――何か、就活前にやっておいたほうがいいことがあれば教えてください。

自分の好きなことを見つけるのも大事ですが、「自分には合わないな」と思うこともきちんと見極めておいたほうがいいなって思います。就活は運もあるし、すべてが思い通りにいくものではないので、考えていたのと違うことも起きます。

そこで、例えば自分の価値観と違う進路に進むことになりそうなら、辞めるという選択肢もあったほうがいいと思うんです。私も「これだけはしたくない」ということを決めてから就活に臨みました。

――若林さんの場合、「これだけはしたくない」というのは何だったんですか?

スーツを着るのがイヤだったので、「スーツを日常的に着ない仕事がしたい」って決めました(笑)。自分らしく働きたかったんです。

――今の会社を選んだ理由を教えてください。

演劇は観にきてくれた人の1日を幸せにすることが大事なのですが、スターバックスもお客さまに感動体験を与えるという意味では同じものがあると思ったんです。あとは、説明会で飲ませてもらったコーヒーが美味しくて感動したんですよ。「こんなに美味しいの!?」って(笑)

社会人編 社内に5人しかいない「コーヒースペシャリスト」というお仕事

――今のお仕事の内容についてご紹介いただけますか?

今はコーヒースペシャリストとして仕事をしています。コーヒースペシャリストというのはスターバックスの社内資格で、現在は5人しかいないのですが、社内外のコーヒーに関する啓蒙や啓発に関する業務を担っています。

例えば、社内で行われる「コーヒーアンバサダーカップ」を運営したり、コーヒーの学習プログラムの内容を考えたり、コーヒーに合うフードの開発などを行っています。また、コーヒーのエシカル(倫理的)な調達などにも力を入れています。

――このお仕事ならではの特徴的な作業について教えてください。

「コーヒーの生産地で働いているみなさんとコミュニケーションを取る機会がある」というところが大きな特徴かと思います。スターバックスの本社はシアトルですが、世界中に10ヶ所ほど生産者をサポートする施設も持っているんです。

生産地のことをより深く知るために、生産地での困りごとやコーヒー豆の収穫状況、気候変動による悪影響などについて日々コミュニケーションを取って、そこで得た情報をお客さまに言葉で伝えています。

――実はあまり知られていない仕事の「秘密」は何かありますか?

スターバックスには、パートナー(従業員)同士で渡し合う「グリーンエプロンカード」という仕組みがあるんです。「今日はこんなところが素敵だったよ」「あのときの一言が嬉しかったよ」「さっきのドリンク美味しそうだったね」といった感じで、感謝や賞賛のメッセージをカードに書いて渡し合う文化ですね。これは一般的にはほとんど知られていないのではないでしょうか。

――今の仕事のやりがいをどういうときに感じますか?

「お客さまとパートナーと生産地を繋ぎたい」とずっと考えてきたので、それを実感できたときはやりがいを感じますね。例えば、オンラインで生産地で働く人々とパートナーを繋ぎ、パートナーから彼らへ「いつも素晴らしいコーヒーをありがとう」「お客さまもこんなに喜んでいる」と日頃の感謝を伝えたりもしています。時に生産地にいるメンバーが涙を流して喜んでくれることもあって、そういった瞬間に立ち会えると本当に感動しますね。

――この仕事の面白いと思う点や魅力について教えてください。

人が成長する姿を見ると、やっぱりモチベーションにつながります。全国に約5万人のパートナーがいるので、お客さまから「お店でこんなに素晴らしい接客を受けた」という声が届くと自分のことのように嬉しいですね。

――この仕事に求められるスキルは何でしょう?

コミュニケーション能力ももちろん大切ですが、コーヒースペシャリストは人前に立って話をすることも多いので、プレゼンスキルもかなり必要かと思います。あとは新しいプロジェクトを考えたり、動かすこともあるのでマネジメントスキル、リーダーシップも問われてくると思います。

――これまで一番印象に残った仕事は何ですか?

スターバックスは毎年9月9日を「エシカルなコーヒーの日」に指定して、コーヒーの生産地のことを知っていただくキャンペーンを全国の店舗で実施しているんです。

年に一度のお祭りなので、その日に向けてマーケティングやデジタルのチームの力を借りながらしっかりした準備をするんですけど、実際に店舗に行ってみると、コーヒーの生産地に関する情報をボードに書いたり、クイズ形式で紹介したり、どの店舗も自分たちなりの方法でしっかり伝えようと努力しているんですよ。その姿はいつ見ても本当に印象的ですね。


プライベート編 プライベートの旅行でも中南米の生産地を訪問!

――オフタイムはどのように過ごされているんですか?

阪神タイガースの試合を観戦したり、海外旅行をすることが多いですね。旅行では中米、南米、アフリカなど、コーヒーの産地に行くことも多々あって、コーヒーを飲みながら現地の食べ物や文化を楽しんでいます。

――プライベートの旅行で何か仕事に活かされている部分はありますか?

仕事でコーヒーのアレンジ方法を提案することもあるので、コーヒーの生産地ならではのコーヒーの楽しみ方を取り入れたりしています。また、旅行中は生産者と話す機会も多いので、自分の見聞きしてきたものをダイレクトに日本で伝えられるという点でも活きていると思います。

――最後に、学生のみなさんにメッセージをお願いします。

大学時代にしかできないことはすごくたくさんあるので、「自分はこれしかできない」「これはやりたくない」と決めつけず、幅広くいろんなことにチャレンジしてほしいと思います。一方で、社会人になっても道は一本ではなく、選択肢は無限に広がっているので、あまり思いつめずに学生生活を楽しんでほしいと思います!


文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:スターバックス コーヒー ジャパン株式会社

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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