Google Scholar(グーグルスカラー)の使い方を紹介! 登録方法や探し方を学ぼう
Google Scholarは論文を探す際に使われる検索エンジンのことで、ネット環境さえあればだれでも使うことができます。
研究室に配属されると、論文を読む回数は増えてくるでしょう。
論文には実験手法や参考文献も掲載されており、一つの論文から多岐にわたって知見を得ることが可能です。
そこでこの記事では、論文を見つけるために使われるGoogle Scholarの特徴や、使い方などについて説明しています。
多くの論文検索エンジンが存在しますが、Google Scholarは中でも論文の見つけやすさに長けています。
使い方を確認し、自分の探している論文を見つけていきましょう。
Google Scholarとは?
「Google Scholar(グーグルスカラー)」とは、Googleがリリースしている無料の論文検索エンジンのことです。
Googleで検索するのと同様に、探したい論文のキーワードを入力すると検索された結果が一覧で表示されます。
Googleでの検索は主流となっているため、使用や閲覧方法、検索の仕方などはやりやすいと言えるでしょう。
Google Scholarの特徴
Google Scholarには以下4つの特徴があります。
- ・ほとんどの論文が無料で読める
- ・論文がダウンロードできる
- ・信頼性の高い論文がトップに表示される
- ・引用元を簡単に確認できる
ほとんどの論文が無料で読める
Google Scholarで検索した論文は、ほとんどが無料で読めるようになっています。
ほかの論文検索エンジンは有料会員登録をしなければならず、自分で探す場合出費がかかる恐れがあります。
大学のサーバーなどであれば閲覧できますが、自分の家で論文を探すときは困ってしまうでしょう。
そういった時に、Google Scholarは無料でどこでも閲覧が可能なので便利です。
しかし「ほとんど」と言っているとおり、無料で見れない論文も中にはあるので気を付けてください。
論文がダウンロードできる
Google Scholarで閲覧できる論文は、ほとんどの場合ダウンロードができます。
PDFとしてダウンロードしたあとは印刷をおこなうこともできるので、紙媒体で読みたい人にも便利だと言えるでしょう。
PDFにダウンロードするためのボタンが見つからない場合は、一度詳細を確認してみてください。
論文によっては、中で確認ができる場合もあります。
また、ダウンロードできない論文も存在するので、注意が必要です。
信頼性の高い論文がトップに表示される

Google Scholarで検索した論文は、基本的に学術誌に掲載された論文のみが結果画面に表示されます。
そのため、信頼度が高く信憑性のあるものだけが閲覧可能です。
論文は信頼性の高いものを探す必要があります。
Google Scholarを利用することで、安心して情報を探すことができるようになるでしょう。
被引用数を簡単に確認できる
引用数とは、該当の論文がどれだけ参考文献として引用されているのかを表す数字です。
この数が大きいほど、ほかの論文でも信頼度が高い物だと評価されていることになるので、非常に大切な数値だと言えるでしょう。
Google Scholarは、被引用数の数字を簡単に確認することができるので、中身を確認するよりも先に信頼できる論文かどうかを見極めることができます。
Google Scholarの使い方
Google Scholarの使い方は簡単です。
まずはホームページにアクセスしてください。
トップページには、Googleのホームページと同様に検索欄が表示されているはずです。
その検索欄にキーワードを入力し、論文を見つけましょう。
キーワードは、著者の名前や大学名、化学物質などで構いません。
関連性の高い論文をさらに見つけたい場合は、「引用元」をクリックすると見つけやすくなるでしょう。
Google Scholarに登録する方法
Google Scholarに登録すると、自分が今まで携わってきた論文を整理することができます。
学部生の方にとってはピンとこない可能性もありますが、特に修士や博士課程の方は、論文を書く機会もあるので整理すると良いでしょう。
別の研究室に入るときや海外に留学するときに、簡単に実績を説明できるので便利です。
まず、Google Scholarに登録するためには、Googleアカウントをつくる必要があります。
そのためには、Gmailのアカウントを作成しましょう。
Gmailアカウントを作成後はGoogle Scholarのホームページにアクセスし、プロフィールを登録します。
これでGoogle Scholarへの登録は完了です。
Google Scholarで欲しい論文を探すコツ
Google Scholarは論文の検索エンジンで有名なPubMedでは見つからない論文も、検索すると表示される可能性が高いです。
ここでは、Google Scholarで欲しい論文を探すコツについて説明します。
- ・引用元を見てみる
- ・ランキング上位の論文を見てみる
- ・検索ワードを効果的に使用する
- ・他の論文検索サイトと併用する
引用元を見てみる
キーワードを入力し検索したあと、引用元を確認してみましょう。
自分の探している内容の論文を見つけるには、キーワードの検索だけではなく関連性の高い論文を探すことで、見つけやすくなります。
とくに参考文献の欄は、探している内容の論文だけではなく関連性の高いものも豊富に存在している可能性もあります。
このことから、目当てのものが見つかるまで画面を見つめるよりは、引用元を探す方が見つけやすいです。
ランキング上位の論文を見てみる
Google Scholarの検索結果は、通常関連性の高いものから表示されます。
そのためキーワードを入力し結果が表示されたものは、上から順番に関連性が高いものと考えて大丈夫です。
欲しい論文を見つけるのであれば、検索結果の上から確認すると、該当の論文を見つけやすくなるでしょう。
効果的な検索ワードを入力する
検索するときに入力するキーワードは、効果的なワードを使うと良いでしょう。
例えば、検索するときは以下の点において気を付けてください。
- ・ひらがなとカタカナは違いがある(がんとガン)
- ・アルファベットの大文字と小文字に違いはない
- ・複数のキーワードがある場合は「””」で囲む
- ・出版年を付け加えて検索する
上記の事柄に気を付けて検索すると、目当ての論文が探しやすくなります。
他の論文検索サイトと併用する
Google Scholarだけではなく、ほかの論文検索サイトと併用する方法もあります。
ほかの論文検索サイトは、具体的には以下の通りです。
- ・PubMed
- ・CiNii
- ・J-STAGE
Google Scholarは、上記の検索サイトでは検索できなかった論文も表示されます。
しかしすべてが表示されるわけではないので、一つだけではなく複数の検索サイトを併用すると良いでしょう。
Google Scholarに関する質問集
Google Scholarを使う上で、よく頻出する質問について答えます。
- ・巨人の肩の上に立つってどういう意味?
- ・引用が反映されていない気がする
- ・突然使えなくなった
巨人の肩の上に立つってどういう意味?
「巨人の肩の上に立つ」という言葉は、ニュートンが好んでいた言葉として知られています。
ニュートンが、同じ科学者であるロバート・フックにあてた手紙には「If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.」と書かれていました。
訳すと、「私がかなたを見渡せるのは、巨人の肩の上に立ったからです」になります。
これは、偉人やこれまでの先駆者たちが積み上げていた知識、実績、結果などを巨人と表現し、「それらの成功の上で今の自分がいるからここまでの結果を出すことができたのだ」という意味になります。
Google Scholarだけではなく、科学的な場面ではよく聞く言葉です。
ニュートンが好んでいた言葉だからだけではなく、これまでの結果があるから成果が表れる科学の根本的な考えに近いからでしょう。
我々も「巨人の肩の上に立つ」意識を忘れずに、多くの論文を読んでいきたいですね。
引用が反映されていない気がする
引用が反映されるには時間がかかります。
すぐに反映されることもありますが、ほとんどの場合は時間を要するでしょう。
次の日以降、改めて確認するようにしてください。
突然使えなくなった
突然使えなくなった場合は、一度ログアウトするか、パソコン自体をシャットダウンしてください。
それでも解決できない場合は、Googleのサポートにアクセスしましょう。
Google Scholarで効率的に論文を探そう!
Google Scholarは無料で利用が可能な、論文の検索エンジンです。
論文はGoogle Scholarだけではなく多くのサイトで検索することが可能ですが、Google ScholarはGoogleがリリースしているサービスなので使いやすいと感じる人が多くいます。
検索ワードを変えるだけで表示される論文の種類が異なるので、いろいろな方法で試してみてください。
もしも海外の研究室に進みたいと考えている方がいるのであれば、Google Scholarに登録して論文を整理することも考えましょう。
Google Scholarは研究者の履歴書代わりにもなります。
また、論文は研究をする上で必ず読み進めていくものです。
使いやすいGoogleで簡単に論文を見つけて、自分の研究にあてる時間を増やしてください。