コロナ禍でも活発に団体活動を行う秘訣とは? 中学校のプロモーション動画プロジェクトを成功させた「武蔵大学 映画研究会」にインタビュー!
大学生の皆さんこんにちは!学生の窓口学生ライターの家塚彩夏です。
皆さんは何か課外活動に取り組んでいますか?!
「大学生になったらこんな事がしてみたい!」と新たな挑戦に胸を膨らませたものの、ありとあらゆる活動が制限されてしまうこのご時世で、思うように一歩踏み出せていないという方も多いのではないでしょうか・・・?
今回ご紹介する武蔵大学 映画研究会の皆さんは「コロナ渦でイベントの数々がなくなってしまった中学生に、映像制作を通じて思い出を作ってもらうプロジェクト」を実行されたそうです!
コロナ渦という状況だからこその企画を立ち上げ、強い想いを胸に課外活動に取り組む熱い学生たちのリアルな姿をこの記事ではお届けします!
<取材を受けて下さった武蔵大学 映画研究会の方々>
部長・監督:石田瑞樹さん(写真左上)、構成・制作主任:新谷功貴さん(写真右上)、助監督:山下笑佳さん(写真左下)、副部長・監督助手:丸山雄生さん(写真右下)
【プロジェクトの全貌と企画立案について】
武蔵大学 映画研究会さんが今回取り組んだのは、実際の中学校を舞台に、現役中学生を演者として募って映像作品を撮るプロジェクト。
学校のイベントがことごとく中止となり、日に日に中学生の顔から笑顔が消えていく様子を見た石田さんが、この状況を打破したいと思い立ち始まった企画だそうです。
映像制作を通して「“非日常の体験”をしてほしい」また「“クラスメイトと一緒に何かを創る時間”を提供することで、思い出となる出来事をひとつでも提供したい!」という想いから、20校の中学校に企画書を送りました。すると、練馬区立開進第二中学校から「ぜひ学校PRとなる映像作品を作ってほしい」と手があがり、この企画はスタートしたそうです!
「学校紹介作品になる以上、いつまでも残る作品になるように。また、学生が創ると言っても、世の中に出回る作品と同じであることに変わりはない。」その想いで脚本や構成を練り、中学校側との打ち合わせにカメラの手配など抜かりなく準備を進めました。
【撮影現場を覗いてきました!】
いよいよ撮影当日!
撮影現場である中学校にお邪魔すると、そこでは複数の中学生と大学生が和気あいあいと撮影の準備をしていて、とても楽しそうな雰囲気!初の映像制作に、目を輝かせる中学生の姿が印象的でした。
後日談として、武蔵大学 映画研究会の皆さんにお話を伺うと、撮影中はハプニングの連続だったのだとか・・・!
バスケットボールをシュートさせるシーンを撮る際、想像以上にシュートが決まらず撮影時間が大幅に伸びてしまったり、決まったときには作品に入れることのできない「よっしゃー!」という歓声を皆であげてしまったり(笑)
また、教室の装飾に使おうと前々から部員たちで準備していた花やわっかの飾りを当日電車に忘れてきてしまったという大ハプニングも!
予備の材料を使って、中学生と共に飾りを作り、なんとか撮影に間に合わせたそうです。
そのハプニングがあったからこそ、より一層中学生との交流も深められ、良い雰囲気で撮影ができたのかもしれませんね。また、“中学生のアドリブが上手すぎる”という嬉しい想定外もあったそうです。
【企画を通して感じたこと】
今回の企画を通して、中学生は一体何を感じたのか。主演をこなした生徒会長さんにインタビューをすると、「撮影に関わる人の数がこんなに多いとは思っていなくて、まるでテレビの撮影みたいで驚きました」と。
また、大学生にサポートしてもらいながら作ったこの作品を多くの小学生に観てもらい、沢山の新入生を迎えたいと仰っていました。
そして、撮影現場で大学生を驚かせた「アドリブの上手さ」については、「撮影前からアドリブをみんなで考えたり、表情の練習をしたりしました!」と生徒会長さん。
中学生の熱意とワクワクした気持ちが伝わってきますよね! 「楽しんでもらいたい」と企画を練ってきた武蔵大学 映画研究会の皆さんの想いがしっかりと伝わっていたということですね。中学生にとっても、大学生にとっても、貴重な思い出になったと思います。
武蔵大学 映画研究会の皆さんからもお話を伺いました。
監督助手を担当した丸山さんは、「限られた時間のなかで本物により近い作品を制作する経験ができた。」とプロジェクトを振り返りました。
助監督の山下さんは、「中学生の皆さんの喜ぶ姿を見ることができたこの企画は自身の糧になった」と言います。
また、石田さん(部長・監督)は、中学生がぽろっと呟いた「映像ってこんな風に作っているんだ」という言葉がすごく嬉しかったそうです。
映像制作はチーム戦であり、多くの人が関わってひとつの作品ができあがる。
そのことの素晴らしさと魅力を間近で感じてもらうことができ、自分たちがこうした企画で映像制作をする目的を今一度感じることができたそうです。
【プロジェクト成功の秘訣は団体運営にあり?】
このように、しっかりとした企画立てから作品の完成まで一連のプロジェクトを成功させた武蔵大学 映画研究会さんですが、実は1年前までは廃部寸前の研究会でした。
石田さんは、サークルとして映像制作の団体を立ち上げていましたが、学校から部をなんとか存続させたいとの依頼を受けて、サークルをそのまま映画研究会に鞍替えしたそうです。
プロジェクト成功の秘訣は?と聞くと、「助監督、カメラ、脚本など一人ひとりの役割決めを行い、どの役職が映像制作の何を担うのかをしっかりと部員に伝えることで、その後の活動をスムーズに進めることができた」と石田さんは語ります。
コロナ渦で活動時間に制限がある今、部員たちの共通認識の基盤をしっかりと作っておくことが、団体活動の鉄則かもしれませんね!
【新大学生に向けて一言】
最後に、このようなプロジェクトを成功させた武蔵大学 映画研究会の部長・石田さんに、大学生に向けて大学生活を送る上で大切なことを3つ語って頂きました!
まずは、「自分の好きなことに立ち返ろう」。
自分の好きな事ってなんだっけ?改めて自分の過去や現在に向き合うことで、自分の好きなことや大切にしていることが見えてきますよね。
武蔵大学 映画研究会も「映画が好き!」ということから「じゃあ、映画を自分で撮ってみよう」と動いてきました。「好き」の気持ちを、目的にして活動することで、大学生活を有意義にすることができそうですね!
次に、「大学生の今だからこそできることを」。
大学生には、時間があります。全員に与えられた同じ時間をどう使うかは、あなた次第。何に時間を使いたいか、改めて考えてみると良さそうですね。
また、大学生活は出逢いも広がりやすい期間でもあります。自ら機会を作っていくことで、多くの新たな出逢いが生まれます。その出逢いを楽しみながら、大切にしていけるときっと得るものの多い大学生活になりそうですね!
3つ目は「失敗しても大丈夫。恐れずに挑戦することが大事!」。
「こんなことがしてみたい!団体を作ってみたい!」そう思っても、案外足は前に進まないものだったりする。それは、失敗への恐れなのかもしれません。
しかし、失敗はつきもの!誰でも失敗はするものです。それを恐れずに一歩足を踏み出せば、きっと見える世界は広がります!この春、勇気を出して挑戦をしてみたいものですね!
【おわりに】
今回、私も現役大学生として、同じ世代の学生たちの熱い姿に非常に刺激をもらいました! 大学生のこの時間を、有意義にしていきたいですね!
私は、こうした「何かに打ち込む人びと」を取材したり、そうした方々の記事を書いたりすることに喜びを感じます!
学生の窓口では、何かに取り組む団体や学生を常に応援しています。「ぜひ取材を!」という方々は、ご連絡ください!いつでもお待ちしております。
文:家塚彩夏(学窓ラボ)