【お仕事図鑑】食べた人を幸せにすることが何よりも楽しい。多くの人に愛されるキットカットに携わる仕事の魅力とは? #ネスレ日本株式会社

編集部:ゆう

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村田 香織さん
ネスレ日本株式会社 コンフェクショナリー事業本部 メインストリーム部
『キットカット』マーケティング担当


2004年入社。家庭用製品の営業を5年担当。その後、「ネスカフェ」ギフト製品のマーケティング担当を経て、2015年より「キットカット」をはじめとするチョコレート菓子のマーケティングを担当。

「Have a break, have a KitKat.」というフレーズでも知られる『キットカット』。もともとは海外のお菓子でしたが、今では日本でも定番のチョコレート菓子として幅広い世代に愛されています。季節に応じたフレーバーも展開しており、一番好きなお菓子に挙げる人も多いのではないでしょうか。

今回は、定番チョコレート菓子のひとつである『キットカット』に携わる仕事について、ネスレ日本株式会社の村田香織さんにお話しを伺いました。

開発からコミュニケーションまで幅広い仕事に従事

――現在担当している仕事について教えてください。

私は『キットカット』のマーケティングを担当しています。マーケティングの仕事は企業によって担当する領域が異なりますが、ネスレのマーケティングは製品を開発するところからお客様に購入いただくところまで、全ての領域を手掛けます。

――マーケティングというと、リサーチなど数字を扱うのが仕事だと思っていましたが、ネスレの場合は違うのですね。

ネスレにはリサーチを専門に行う部署があり、その部署と協力して市場の分析を行っています。

それだけではなく、消費者のニーズを踏まえた製品開発や、パッケージ・POPの開発、さらにはお客様に製品を知ってもらうためのテレビCMやデジタル広告といったコミュニケーションも担当します。製品開発からお客様とのコミュニケーションまで一貫して行うのが、ネスレのマーケティング業務の特徴です。

マーケティング担当者が中心となって関連部署と協働しながら仕事を進めていきますので、マーケティング担当者には全体を統率するプロデューサーやディレクターのような役割があります。

食品企業ならではの視点で社会課題を考える

――仕事をする上で大事にしていることはなんでしょうか?

私たちの仕事は『キットカット』を通じてお客様に幸せを届けることが目的です。そのためにも、製品に込められた思いをいかにして伝えられるかを大事にしています。

お客様のニーズを汲み取った製品を開発できても、我々の思いがお客様に伝わらないと購入していただけません。とはいえ、お客様に何を、どう伝えるのかを考えることは難しいですね。

――製品に込められた思いを伝えるためにどんな工夫をしましたか?

例えば、2019年秋から『キットカット』大袋製品の外袋を紙パッケージへと変更する取り組みを推進しています。海洋プラスチックごみが世界的な課題となっていることに着目し、それまでプラスチックだった外袋の素材を紙へと変更することで、お客様への問題提起にもつながるのではと考えました。

しかし、「紙パッケージに変更した」ことをそのままストレートにお伝えしても、取り組んでいる内容がお客様に伝わりにくいのではと考えました。

そこで、「『キットカット』の紙パッケージで折り紙を楽しんでもらい、そこにメッセージを書いて大切な方に渡してみませんか?」というコミュニケーションを展開しました。

紙パッケージで鶴や動物を折ってもらうことを足掛かりに、消費者の方に
「なぜ『キットカット』のパッケージが紙になったのか」を知ってもらうこと、
また大切な人へ想いを伝える楽しさを感じてもらいたいという狙いでした。

社会課題を真面目に伝えることもできますが、私たちは食品企業です。中でもチョコレート菓子は子供から大人まで楽しんで味わえるものですから、楽しみながら社会課題を知っていただくという流れにしたいと考えました。

製品はもちろん、展開するキャンペーンにも「楽しんでもらいたい」という思いが込められています。

お客様が幸せを見つけるきっかけになってほしい

――この仕事に携わることの楽しさや、やりがいに感じることを教えてください。

外袋を紙パッケージに変更することは大きなチャレンジでしたが、これほど大きなチャレンジはそうそうできるものではありません。

もちろん大きなチャレンジにはやりがいを感じますが、私が目指しているのは、何気ない瞬間に『キットカット』を食べていただくことで、嫌なことを少しでも忘れたり、「明日頑張ろう」と思ったりしていただくことです。私が手掛ける製品によって、お客さまが前向きな気持ちになれるきっかけになってほしいと思っています。

もしお客さまが『キットカット』を食べて幸せな気分になってくれたのなら、この仕事をしていて良かったと思えます。

――反対に難しいことは何でしょうか?

お客さまのインサイトを探ることは非常に難しいですね。実際は求めていることとギャップがあることも少なくありません。一筋縄ではいかないことも多い仕事です。

受験キャンペーンが『キットカット』を国民的お菓子にした

――日本で『キットカット』が愛されている理由は何でしょうか?

『キットカット』は1935年にイギリスで生まれたお菓子で、朝から晩まで働く労働者の栄養補給用のお菓子でした。もともとは社会課題を解決するために生まれたものなのです。

その後、1973年から日本での発売が開始されましたが、1990年代に入ると特売で販売される大袋製品というイメージが定着していました。また製品の主な購入者であった母親世代に加え、特に若い世代から認知・支持されるブランドへ育成していくことが当時のネスレにとって大きな課題でした。

――若い世代に大きく支持されるようになった時期、ブレイクスルーのポイントは何だったのでしょうか?

90年代後半以降、受験生のお守りとして『キットカット』が買われるという現象が起きました。これがブレイクスルー、大きな転換期でした。当時はネスレでもなぜそんなムーブメントが起こっているのか分かっていませんでした。調査してみると、九州地方の受験生が『キットカット』をお守りとして使っていることが判明したのです。

九州の方言「きっと勝っとお」と音が似ている『キットカット』をお守りにしていたようなのです。そこで、多大なストレスを抱えている受験生のお守りのような存在に『キットカット』がなれたら素晴らしいと考えました。

ブランドとしての新しい価値を生みだすべく2003年から「受験生応援キャンペーン」を開始したことで、『キットカット』は受験生の間で「ゲン担ぎアイテム」として親しまれると共に、“頑張る人を応援するブランド”という位置づけを確立してきました。

――今でも『キットカット』は受験生の必須アイテムですね。

色々なお菓子がありますが、受験生にとってのお守りの役割を担うような、心理的な結び付きのあるお菓子は他に見たことがありません。「受験生応援キャンペーン」はブランドの大きな価値となりました。こうしたキャンペーンだけでなく、製品自体の魅力もあると考えています。例えばフレーバーの多さ。日本の『キットカット』は色々な味わいが楽しめることでも有名です。

――毎年どれだけの新しい味が生まれているのでしょうか?

毎年20~30種類ほどの新しい味を生み出しています。発売開始以来、フレーバーの種類は累計400以上です。海外のネスレ担当者からも「なぜそんなに出すの?」と聞かれることもあるほどです(笑)。日本人は新しいものが好き、旬のものを試したいという国民性があるので、たくさんの味が楽しめることも、『キットカット』が愛されているポイントだと思います。

お客様を支える何かを発信したい気持ちに応える企業

――ネスレで働くことの魅力はどんなことでしょうか?

ネスレ日本の社風として「イノベーションカルチャー」が挙げられます。私たち社員はイノベーションを起こすには何が必要なのか、何をすべきなのかを自分で考えるよう教えられてきました。イノベーションといっても独り善がりのものではありません。お客様がどんな課題を抱えているのかを見つけ、それを解決できるものを生み出すことこそイノベーションだと私たちは考えています。そのため、「お客様のためにこんな活動をしたい!」という社員の思いに対しては、ものすごくサポートしてくれる会社です。

――今回の記事を読んでネスレに入りたいと思った学生もいるかと思いますが、そうした若い世代にメッセージをお願いします。

若いうちから自分がしたいことや目標がしっかり見えている人もいますが、そうではない人も多いと思います。目標がないことで焦ることもあるかもしれませんが、さまざまな人と触れ合い、さまざまな考えを知れば、おのずと目標が見つけられるのではないかと思います。実際そうした人も多くいます。

学生の皆さんには、学生のうちにぜひ色々な人に会い、色々な経験を重ねてもらいたいと思います。そうすることで自分の世界が広がり、自分がしたいことや目標が見えてくるかもしれません。

私も学生時代はとにかく色々なアルバイトをしたり、インターンに参加したりした結果、自由で開放的で、色々なことに挑戦できる社風のネスレ日本を選びました。現在はニューノーマル下で、これまでのように多くの経験をすることは困難かと思いますが、できる限りのことに挑戦してもらいたいです。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

編集後記

『キットカット』のマーケティングの仕事内容や面白さ、また『キットカット』に込められた思いを伺いました。『キットカット』は誕生から80年以上の長い歴史を持つお菓子であり、受験生にとってのお守りとしても活用される、唯一無二の個性をもったお菓子です。こうした多くの人に愛されるブランドになったのは、「お菓子を通じてお客様を幸せにしたい」という思いが込められていることも大きいのかもしれませんね。

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:ネスレ日本株式会社

『キットカット』オフィシャルサイト

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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