土屋太鳳「中谷さんの姿を見て、努力していいんだなと思えた」#ボクらの時代コラム
様々なジャンルで活躍する著名人の方々によって繰り広げられるトーク番組『ボクらの時代』。あえて司会者を置かない本番組では、ここでしか聞けないトークが盛りだくさん。人生の先輩であるみなさんのお話は、きっと学生のみんなにきっかけやヒントを与えてくれるはずです。
フジテレビ提供
9月5日(日)に放送された『ボクらの時代』では、女優の中谷美紀さん、草笛光子さん、土屋太鳳さんが登場。ドラマや舞台で共演し、プライベートでも親交があるという3人が、女優になったきっかけや演じる上での心構えについて、さらにプライベートでの交流エピソードなどを語り合いました。
名女優3人の女優になったきっかけとは
母娘役での共演がきっかけで、以来草笛さんのことを「お母さん」と呼び慕っている中谷さん。そんな中谷さんは、好きが高じるあまり草笛さんの弔辞を書いたといい、「先に書いちゃった(笑)」と茶目っ気たっぷりに明かします。すると草笛さんは「すごく立派な文章で。だから私、死ななきゃいけなくなっちゃった」と笑わせていました。
そんなお二人に土屋さんが女優になった経緯を聞くと、「なりゆき?」と話す中谷さん。草笛さんも「知り合いに勧められて受けたオーディションに受かっちゃったから」と、決して積極的ではなかったんだそう。
ですが、草笛さんはあるとき名優・小林桂樹さんに「君は、今日までどうして生きてこられたと思う? きれいでもないし、うまくもない。あるのは人柄だけ」と言われたことがあったそう。「それで、ガーンと打たれたというか。そうだ、私、本当は女優に向いていないんだ。あとは腕を磨くしかない」と腹をくくったと言い、「桂樹さんに心の中で拝んだわね、ありがたくって」と、気づかせてくれた小林さんに感謝したといいます。
また、演じる上でいつも「上手くやろうと思うな」と自分に言い聞かせているという草笛さん。一見、「腕を磨く」ことと「上手くやろうと思わない」ことは矛盾しているようですが、「要はただ、『心でやれ(演じろ)』ってことよね。それが難しいんだけど」と明かします。
中谷さんから「太鳳ちゃんはどうして女優になろうと思ったの?」と聞かれた土屋さんは、「私は姉と弟がいて、3歳からクラシックバレエと日本舞踊を一緒に習っていて。姉と弟は日本舞踊がすごく上手くて、よく全国大会に出て入賞していたんですけど、私だけ決勝に行けなくて、常に次点だったんです。だから『自分はなんにもできないな』と思っていて。でも小学校の時にあった“劇の会”というもので4年生の時に酔っ払いの役を演じたら、『面白かったよ』『よかったよ』と言ってもらえて。それで、『舞台って人と人の心をつなげられるのかな』と思って。お芝居をやりたいと思ったのはそれがきっかけです」と話し、「小学4年生でそんなこと思ったの!? すごい」と草笛さんに感心されていました。
中谷さんの姿を見て「努力していいんだな」と思えた
現在、1年の半分をオーストリアで過ごしているという中谷さんに、土屋さんが「仕事のスタンスは変わりましたか?」と尋ねると、「やはり家族がいるので、家族も大事になりますよね。これまでは仕事のために生きてきたので、仕事しかない人生だったけれども。よく夫に『人生は短かすぎる』って言われるんです。『人生は短いから、めいっぱい楽しみなさい』って」と明かす中谷さん。すると草笛さんは「いいところにお嫁にいったわね」と、お母さんらしい言葉をかけていました。
そんな中谷さんとジムが一緒で、よく会うという土屋さん。「『運動しなきゃ』と思ってジムに行ったら、美紀さんもいて。私が走っているときに、後ろからブツブツ言ってるのが聞こえてきて。なんだろうと思ったら、中谷さんが台本見ながらずっと(トレーニングを)やっていて」と土屋さんが言うと、「あ、ごめん! 聞こえてた?」と恥ずかしそうな中谷さん。
でも、「すごく素敵でしたよ。私としては『努力していいんだな』と思えたというか。いろんな方に『そこまで考えすぎないで演じていいんだよ』とか『もっと自然にやりなよ』とアドバイスしていただくこともあるけど、美紀さんを見ていると『(役を)作っていいんだな。ちゃんと工夫して、作り込んでいいんだな』って思えたんです」と、中谷さんの姿に共感し、学ぶものがあったと明かす土屋さんでした。
世代は違えど、常に立ち居振る舞いが上品で、ナチュラルな美しさを感じる草笛さん、中谷さん、土屋さんの3人。そのすべてが生まれ持った天賦の才かと思いきや、たくさん舞台を観て腕を磨いたり、ジムに通いながら台本を覚えていたりと、仕事を続けていく上での努力を欠かさない姿が印象的でした。
大学生のみなさんの中にも、周りと自分をつい比較してしまって落ち込む方がいるかもしれませんが、落ち込む前に、まずは「自分はちゃんと努力できているか?」と自問自答してみませんか? 難しいことかもしれませんが、常に恥ずかしくない自分でいられるように努力を続けることで、いつの間にか落ち込むことも少なくなっていくのではないでしょうか。
『ボクらの時代』フジテレビ系(毎週日曜7:00~7:30)
放送日:9月5日(日)
中谷美紀×草笛光子×土屋太鳳
『ボクらの時代』公式ホームページ
<次回の放送>
9月12日(日)7:00~7:30
長澤まさみ×木村佳乃×麻生久美子
文:落合由希
編集:学生の窓口編集部