風吹ジュン「(コロナ禍の今)自分の価値観は自分で持っておくことが大事」#ボクらの時代コラム
様々なジャンルで活躍する著名人の方々によって繰り広げられるトーク番組『ボクらの時代』。あえて司会者を置かない本番組では、ここでしか聞けないトークが盛りだくさん。人生の先輩であるみなさんのお話は、きっと学生のみんなにきっかけやヒントを与えてくれるはずです。
フジテレビ提供
8月29日(日)に放送された『ボクらの時代』では、2017年にドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)で共演した女優の草刈民代さん、浅丘ルリ子さん、風吹ジュンさんが登場。草刈さんたっての希望で実現した今回の鼎談では、長年にわたり第一線で活躍する3人が、女優になったきっかけやそれぞれの結婚観・恋愛観、コロナ禍に思うこれからの生き方についてなど、幅広いテーマで語り合いました。
「女優になろうなんて(最初は)思ってなかった」
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14歳の頃に女優業をスタートさせ、以来これまで66年間女優一筋で順調に仕事を続けることができたという浅丘さんは、「そのことは本当にありがたいことなんですけど、波乱万丈が全然ないんです」と明かします。石坂浩二さんと結婚したとき、「あなたは家庭に入らなくていいです。女優を続けてください」と言われたことが本当に嬉しかったといい、「30年目に離婚しましたけど、石坂さんのおかげで落ち込んだりダメになったりすることがなかった。こんなに幸せなことはないし、結婚して本当によかったと思ってるんです」と、にこやかに当時を振り返ります。
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一方、バレリーナから女優へと転身した草刈さんは、「映画監督の夫と結婚していなければ、女優になっていなかったと思う」と打ち明けます。現役時代にも何度か映画やドラマへの出演オファーを受けていたそうですが、自身を「女優には向いていないし、自分がやることじゃない」と感じていたことから、バレエ以外やる必要がないと思い、断っていたんだとか。
ただ、映画『Shall we ダンス?』のときだけは、周りからも勧められ、また役柄が踊れる人でないとできない役だったことから引き受けたそうですが、女優をやろうと思ったのは(バレエの)引退を決める1カ月前だったといい、「それでバレエに踏ん切りをつけられた」といいます。
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「女優になろうなんて思ってなかった」という風吹さんは、たまたま出会った人の紹介で芸能界に入ったんだそう。最初は写真やCMの仕事をしていた風吹さんですが、2年目に歌手の仕事が飛び込んできて、やってはみたもののついていけないと感じ、やめるしかないと思っていたところ、たまたま『寺内貫太郎一家』(TBS系)というドラマから出演オファーがあったそうで、そこで共演した樹木希林さんに出会ったことが「女優として変わっていこう」と思ったきっかけになったと明かします。
そんな風吹さんは、「子育てが終わったので、とにかく一度、自分の好きなことをやってみたい」と思い、50代で中国への茶葉(の畑)を巡る旅にハマったといいます。さらに60代で登山も始め、「『60代のうちに何ができるだろう』と思ったときに、剱岳(つるぎだけ)を目標にしようと思って。ちょっとずつ足を慣らしていったんですけど、そうすると体ってどんどん変わっていくんですよね」と実感を込めて話していました。
「自分の価値観は自分で持っておくことが大事」
また、“コロナ禍で思うこと” に話が及ぶと、「自立していくことと、自分の価値観は自分で持っておくことがとても大事」と話す風吹さん。「今、もうサバイバルの時代になってきてるような気がするんですよね。これからの若者はもっと強くたくましくなっていくだろうし、自分の意思で物事を選んでいくだろうなと思う。私はそう期待してます」と風吹さんが話すと、草刈さんも「以前よりも自分の考えをしっかり持って、意思もはっきりさせていかないと難しい世の中になってきていますよね」と言います。
女優一筋で生きてきた浅丘さん、何歳になっても新しいことにチャレンジし続ける風吹さん、世界的なバレリーナとして活躍し、引退後に女優への転身を決意した草刈さん。一口に女優といってもそのスタンスや生き方は三人三様です。
大学生のみなさんも、この先いろんな選択をして自分の道を進んでいくことと思いますが、どんな道を選んだとしても、その道は唯一無二の自分だけの道であることを意識して、強く、たくましく、そして楽しく自分の道を突き進んでいってくださいね。
『ボクらの時代』フジテレビ系(毎週日曜7:00~7:30)
放送日:8月29日(日)
草刈民代×浅丘ルリ子×風吹ジュン
『ボクらの時代』公式ホームページ
<次回の放送>
9月5日(日)7:00~7:30
中谷美紀×草笛光子×土屋太鳳
文:落合由希
編集:学生の窓口編集部