無線LANと有線LANの違いやメリット・デメリットは?初心者でも分かるように詳しく解説!
これからインターネット回線を準備する方の中には、「無線LANと有線LANにはどんな違いがあるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
なんとなくイメージとしては浮かぶものの、具体的にどのような違いがあるのかよくわからないですよね。しかし、無線LANと有線LANの違いを知ることは、快適なインターネット環境を整備するうえで欠かせないことです。
そこで今回は、両者の違いや特徴、メリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。
無線LAN、有線LANの解説の前に
無線LANと有線LANの違いを解説する前に、大前提として知っておきたい点についてご説明します。
どちらも自宅で固定回線を契約すれば使える
無線LANと有線LANは、どちらも自宅で固定回線を契約すると利用することができます。
回線の契約をすると回線設置業者が機器を取り付け、パソコンなどの通信機器がある位置まで壁に沿うようにしてLANケーブルを這わせます。
固定回線の速度とWi-Fiルーターによって速さが異なる
インターネットの通信速度は、固定回線の速度やWi-Fiルーターの規格によって異なります。
また、Wi-Fiルーターにも規格があり、規格によって最大通信速度が異なります。光通信を利用する場合には、11acなどの高速通信が可能な規格を選ぶことがおすすめです。
どのWi-Fiルーターがおすすめかは一概には言えませんが、選ぶ際には利用人数や部屋の間取り、接続機器が何台あるか、利用目的などを考慮して選びましょう。
Wi-FiルーターからLANケーブルを使いパソコンなどへ有線接続する
LANポートがある場合は、LANケーブルがあればパソコンなどにつないで有線接続をすることができます。
LANポートとは、インターネットに接続する際にLANケーブルをパソコンにつなぐときの「接続口」のことをいいます。
LANケーブルの長さは余裕をもたせた長さにしておくとWi-Fiルーターからパソコンへ有線接続する際などに「短くて届かない!」といったことを防ぐことができます。
無線LANを設定して無線接続する
現在利用しているルーターやホームゲートウェイ(ひかり電話対応ルーター)をWi-Fi対応タイプに換え、モデムとつなぐことで、無線LANとして利用することが出来ます。
モデムとはADSLや光回線によるネット信号をデバイス側で認識できるデジタル信号へと変換してくれる装置のことです。
もし対応していない場合は、Wi-Fiルーターを購入し、モデムとパソコンの間のルーターと交換します。
無線LANの特徴
NTT東日本によると、無線LANは以下のように定義されています。
■無線LANについて
無線LANとは、パソコンや周辺機器(ブロードバンドルーターやプリンタなど)を、LANケーブルのかわりに電波を利用して通信を行うネットワークのことです。電波の届く範囲であれば、ご家庭内の様々な場所でパソコンからインターネットなどをご利用いただくことができます。
引用:NTT東日本 https://flets.com/ipphone/summary.html#lan
LANケーブルがいらないため、家の中ならどこでもインターネットに接続でき、わずらわしい配線に悩まされることがありません。
無線LANを利用するメリット
無線LANを利用するメリットには以下のふたつが挙げられます。
・Wi-Fiの電波が届く範囲はどこでもインターネットに接続できる
・LANケーブルが不要なので配線がごちゃごちゃせずスッキリする
無線LANを利用すると、Wi-Fiの電波が届く範囲なら家中どこでもインターネットに接続できるので、自室だけでなくリビングなどの共有スペースでも利用できて便利です。
最新のテレビは、有線LANポートやWi-Fiを搭載していて、テレビでYouTubeや有料動画配信サービスなどがすぐに見られるモデルもあります。
そもそも便利なものですし、無線LANだと配線がないので、レイアウト的にもすっきりします。また、スマホやタブレットなども無線LANに接続すると、パケット通信を介さずにインターネットに接続できるので、通信料金の節約にも役立ちます。
無線LANを利用するデメリット
一方、無線LANを利用する際には、以下のデメリットがあります。
・有線LANよりも回線が不安定
・家の構造によって通信状況が悪いところ(デッドスポット)ができる
・セキュリティ面に不安がある
他の家電などの電波の影響や家の構造によって、通信速度が不安定なときがあります。また、部屋によっては無線LANとの接続が悪くつながらない場所(デッドスポット)ができてしまうことがあります。
さらに、たくさんの機器を無線LANで繋いで同時に使ったり、大容量のデータのやりとりを頻繁にしたりするときも回線が不安定になります。
また、無線を飛ばしているため、近隣の家にも電波が届いている可能性があり、セキュリティ面での心配があります。
とくに、Wi-Fiルーターのパスワードを0000などわかりやすいものにしている場合は、無線からパソコンに侵入されデータを抜き取られるなどのリスクが高くなりますので注意しましょう。
有線LANの特徴
有線LANは、パソコンやゲーム機器など有線LANポートを持つ端末とルーターをつないでインターネットに接続する方法のことをいいます。
設置方法は、モデムからLANケーブルを使ってLANポートに差し込み、他のLANポートから別のLANケーブルでパソコンに接続します。
有線LANを利用するメリット
有線LANを利用するメリットとして、主に以下のことが挙げられます。
・無線LANよりも通信速度が安定している
・データ量の多い通信のやりとりに適している
・パソコンやゲーム機への接続が簡単
有線LANは、実際にLANケーブルでつなぐので、パソコンとルーターが離れていても安定した通信状態を保つことができます。
有線LANを利用するデメリット
一方で、有線LANには以下のようなデメリットがあります。
・LANケーブルでつなぐ必要があるため、邪魔になる
・部屋のレイアウトに制限が出る
・ほとんどのスマホやタブレットにはLANポートがないので接続できない
LANケーブルを這わせなくてはならないため、配線をきちんと考えないと邪魔になりやすいうえに、パソコンの設置場所が限られるためレイアウトに制限が出ます。
また、無線LANはスマホやタブレットにも接続できますが、有線LANは接続できないので不便です。
無線LANをおすすめする環境
無線LANは、スマホやタブレット、ノートパソコンといった端末をメインに利用する際におすすめです。いずれもWi-Fiの電波が届く範囲なら家の中のどこでもインターネットに接続できます。
一軒家、またはファミリータイプのマンションに住んでいる場合は、無線LANを利用することをおすすめします。
複数の部屋で同時にインターネットに接続しても問題なく、パソコンだけでなく家族のスマホやタブレットでもインターネットが利用できるからです。
学生さんや新社会人の方は、一人暮らしをする方も多いと思いますが、やはり無線LANの方が便利です。
一人暮らしの方は、部屋のスペースのこともあり、パソコンはデスクトップ型ではなくノート型を利用するケースが多いでしょう。もしかするとパソコンではなくタブレットを利用しているかもしれません。
自宅にいるときはスマホも無線LANに接続できるので、通信料金の節約にもなります。
有線LANをおすすめする環境
有線LANをおすすめする環境としては、デスクトップ型のパソコンを利用する場合やオンラインゲームなどを楽しみたい場合があります。
デスクトップであれば動かす必要がないので、有線LANでも設置上特に問題はなく、安定した通信状態でインターネットに接続できます。
また、オンラインゲームのように、情報量の多いデータのやり取りがある場合は、やはり有線LANの方が安心です。
学生さんの中には、オンラインゲームに熱中している方も多いと思いますが、安定した通信状態のもとでオンラインゲームをしたい方は有線LANを検討すると良いでしょう。
ほかにも、ネットオーディオで高音質の音楽を楽しみたいときも有線LANが役に立ちます。
「WEB面接」には有線LANが安心
最近では新型コロナウイルスの感染予防の観点から、就職活動の選考をWEBで実施する企業が増えています。
就職活動には欠かせない面接も「WEB面接(オンライン面接)」が主流となっていますので、インターネット環境を整えておく必要があります。
「面接の途中で通信が不安定になったらどうしよう?」と心配されている方もいるでしょう。やはり、通信状態の影響で面接がうまくいかないと、とても悔しい思いをしますよね。
その場合は、より通信状態が安定している有線LANの用意をしておくと安心です。
ただし、設置場所が制限される可能性がありますので、家族などほかの人が入り込まないようにしたり、背景を無地にしたりするなど、面接らしい環境を整えることも忘れないでおきましょう。
リモートワークでも役立つ
同じく新型コロナウィルス感染予防のために、リモートワークが推奨されていますが、自宅がメインの仕事場になる場合は、有線LANの方が通信の安定性からみるとおすすめです。
打ち合わせや会議などでZOOMやTeamsなどのオンライン会議ツールを利用することが多くなるので、データ量が多くなることも多々あります。
また電波の影響や容量の都合でひとりだけ画面がフリーズしてしまうと、会議に支障を来たし、ほかの社員からの心証も悪くなるかもしれません。そうならないためにも安定した通信環境を整えておく必要がありますね。
無線LANと有線LANは併用可能
無線LANと有線LANは併用することができます。
前章でご紹介したように、無線LANと有線LANにはそれぞれのデメリットがありますので、それらを補う形で利用すると便利です。
無線LANと有線LANを併用する注意点
無線LANと有線LANを併用する際には、以下の注意点に気を付けてください。
・パスワードを強固なものにする
・Wi-Fiルーターは性能が大事
ではそれぞれの注意点について確認していきましょう。
パスワードを強固なものにする
無線LANと有線LANを併用する場合も、安全性に十分気をつけなければなりません。というのも無線LANのセキュリティが不十分だと誰にでもアクセスされてしまうためです。
もちろん、有線LANも併用でつなげていると、本来セキュリティ面では安心のはずの有線LANにも自由にアクセスされてしまう可能性があります。
そのような事態を防ぐためには、無線LANのセキュリティを高くする必要があります。パスワードを安易なものにせず、解読しづらい強固なものにすることをおすすめします。
Wi-Fiルーターは性能が大事
ルーターの性能によっては、通信速度が低下することがあります。
この問題を解決するためには、同時接続が可能な、対応台数が多いよりハイスペックなWiFiルーターに買い替える方法があります。
ちなみに、すでにルーターがあるところに追加でルーターを増やすことは無意味なのでやめましょう。速くなるどころか、二重ルーター状態になるため、より速度が遅くなる可能性があるからです。
回線の速度を安定させるなら光回線を用意しよう
ここまで、無線LANと有線無線LANについてメリットやデメリット、併用する際の注意点などについて解説してきましたが、実は一番おすすめしたいのは、「光回線」でインターネットに接続する方法です。
光回線とは、光ファイバーケーブルを利用して通信する回線のことで、電磁波の影響などを受けずに大容量のデータを長距離間でも送受信できるものです。
快適にインターネットを使うためには、まず固定回線の速度が大事です。また、ルーターの性能がどれほど優れていても、回線が遅いとその性能を十分に生かしきれません。
光回線は安定した通信が確立されていますので、動画や音楽はもちろんのこと、オンラインゲームもストレスフリーで楽しめます。
一から工事をする場合に手間がかかることはありますが、インターネット環境を快適にするためには、メリットの方が上回っているといえますので是非光回線でインターネットに接続する方法を検討してみてください。
まとめ
無線LANと有線LANの違いと特徴を中心に解説しました。
無線LANのメリットとして、Wi-Fiの電波が届く範囲ならどこでもインターネットに接続できる点と、LANケーブルが不要なので配線がごちゃごちゃせずスッキリする、といった点があります。
一方、有線LANのメリットとしては、無線LANよりも通信速度が安定しているのでデータ量の多い通信のやりとりに適している、設置が簡単といったことがあります。
光回線は高速で安定した通信となっているため、有線LAN、無線LANどちらも併用で利用できるのでおすすめです。
インターネット環境を整える際には、ぜひ安定した高速通信が可能の光回線を検討してみましょう。
教えてくれたのは…
砂流 恵介さん
秋葉原でパソコンショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年に同社を退職後はパソコンを含むガジェットのレビューを様々なWEBメディアで執筆。また、BtoC企業を中心にPR業務やコンサルタント、ゲーム実況配信など、多方面で活動している。
構成・文:Media Beats
編集:マイナビ学生の窓口編集部
協力:東日本電信電話株式会社