【連載】『あの人の学生時代。』#25:上白石萌音「旅をすべし!」

学生の窓口編集部
2018/06/20
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著名人の方々に大学在学中のエピソードを伺うとともに、今の現役大学生に熱いエールを贈ってもらおうという本連載。今回は6月8日(金)より公開中の映画『羊と鋼の森』で、ピアニストの姉妹の姉・佐倉和音役を演じ、作中では美しいピアノの音色を奏でている上白石萌音さん。現役大学生である上白石さんに大学生活についてお聞きしました。

――上白石さんは現在大学2年生で、英語教育に力を入れている学部に行かれているそうですが、大学・学部選びの理由は?

第一にそこにやりたいことがあったからです。高校生の頃、当時の担任の先生から「もっとここの学部の方がいいんじゃない?」と勧められた他の学部も受験しましたが、結局は一番自分が行きたいと思ったところに舞い戻り、今の大学生活があります。オープンキャンパスにもたくさん行ったんですけど、一番初めに行ったオープンキャンパスが今の学校だったんです。だから、直感的なものもあるだろうなって思います。

――以前「留学したい」ともおっしゃっていましたが、今もその気持ちは変わらず? 

変わらないですね。実は一度、実際に留学しようとしたんですよ。結局その時はお仕事の都合で実現できなかったのですが。でも留学したい気持ちは変わらずあるので、果敢にチャレンジはし続けたいなと思っています(笑)。 

上白石萌音は学生の模範? とにかく授業が楽しい!


――一番夢中になっていることはなんですか?

とにかく授業が楽しくて仕方ないですね。私の学部は結構いろんな授業があるんですけど、何を取ってもおもしろくて。

どんどん知らないことを吸収している感じがするんです。教授もみんなマニアックだし、本当に楽しそうに授業されていて。たまに寝ている人も見かけるんですけど「ちゃんと聞けばおもしろいのに! もったいないなぁ〜」っていつも思ってます。

――学生で「授業が好き」は理想的だと思います。

授業を受けていると「この大学に入ってよかったな」って思います。ちゃんと好きなことを追求できるし、それに「私、こんなことにも興味あったんだ」っていう出会いもあって、これまであまり興味がなかったことも見つけられます。

友達も趣味の傾向が似ている子が集まるみたいで、私の周りは、英語が好きだったり、文化的なことが好きだったりする子が多く、そういう子たちからいっぱい刺激を受けています。

――そういう友達がいてくれると心強いですね。ちなみに、大学生のうちにやっておきたいことはありますか?

旅をいっぱいしたいですね。大学生の休みは長いし、うまく自分で休みを作ることも可能じゃないですか。そういうのって今のうちだけかなと思って。ふと思い立って海外に行ったりしたいですね。

――今一番行ってみたいところはどこですか?

クロアチアです。『魔女の宅急便』のモデルになったと言われている街なんです。それがきっかけで調べたんですけど、赤い屋根と青い海と白い壁と……本当に素敵なところで。『紅の豚』もそこがモデルになっているし……行ってみたいですね。あとはウユニ塩湖も! 行きたい場所はたくさんあります!

とにかくピアノを弾いている時間が役に直結していたな、って思います



(c)2018「羊と鋼の森」製作委員会

――映画『羊と鋼の森』ではピアニストの姉妹の姉・佐倉和音役で、妹の萌歌さんとは映画の中でも姉妹役を演じられましたが、初共演の感想はいかがですか?

妹とは、お仕事を始めたタイミングが一緒だったこともあって、一番の相棒で、一番の同志でした。だから「いつか共演できたらいいなぁ」とずっと思っていたことが叶って、最初はすごく嬉しかったんです。でも、いざ現場に入ってみるとなんだか怖くて……。お互いを知りすぎているので、見透かされている気がして。ちょっと恥ずかしいという気持ちもあるし、どの共演者よりも緊張しました。「ごまかせないなぁ」というか……。

――確かに、本当の姉妹で姉妹役を演じるのって、やりやすいような、でもすごくやりにくいような気もして「どっちなんだろう?」と思ってました。

そうなんです! どっちもなんですよね。私たち2人は普段もすごく話す姉妹なんですけど、和音(萌音)と由仁(萌歌)はお互い交わす言葉が少ないんです。でも、作中では言葉にしなくてもわかる瞬間がたくさんあって、それは血がつながっている姉妹ならではじゃないかなって思うし、そこは無理せずに自然にできたかなとは思います。いかんせん恥ずかしさがなかなか抜けなかったんですけどね。あとは、私たちは普段方言で話すので、標準語を話している時にうっかり方言が出ちゃいそうっていう、そういう大変さもありました。

――お芝居とはいえ、妹の萌歌さんと普段使わない標準語で話すというのは恥ずかしいですよね。 

だから、全然違う誰かにならなきゃいけないという感覚はありました。でも作中では血がつながってないと出せない姉妹の空気みたいなものもあったので、そういうところではなんか負けたくないな、って。何に勝ちたいのかはわからないんですけど(笑)。

――佐倉姉妹はピアノ、上白石姉妹はお芝居と、ジャンルは違っても姉妹で同じことをしているという意味では、佐倉姉妹と共通する部分があると思うんですけど、同じ仕事をしているとお互いに影響し合うことも多いですか?

そうですね。やっぱり一番近くにいる存在なので、尊敬もするし意識もするし、うらやましいなって思うこともあるし、一番感情が動く相手かな。私、基本的に負けず嫌いなんですけど、そこまで闘志メラメラではないんですよね。他人に対しては譲ってしまうというか。でも、妹に対しては血がつながっているからか、遠慮がなくなって……。だからこそ心地いいみたいな感じはあります。気を遣わなくていいし。一番の共感者でもあり、一番の味方でもありますね。

――心強いですね。ちなみに、上白石さんのお母さんはピアノの先生をされていたそうですが、それぞれのお名前に「音」と「歌」が入っているのもそういうところから?

そうなんです! 父も音楽が大好きだったので、音楽に関する字をつけたいということで「萌音」「萌歌」となりました。

――じゃあ、今回の映画に出演されることをご両親はすごく喜ばれたんじゃないですか?

両親はすごく喜んでくれました! 両親だけでなく、祖父母もすごい喜んでくれて。小さい時から仕事をしてきて、人よりいっぱい迷惑をかけてきたので、やっとひとつ親孝行できたかなって思ってます。

――映画に出てくるピアノを弾くシーンの練習は大変でしたか?

半年ぐらい前からピアノの練習を始めたんですけど、私の弾く曲は7曲ぐらいあって、しかもどれも難曲だったので……もう気が狂いそうになりました(笑)。そのくらい追いつめられましたね。

でも、小さい時に触れていた楽器に改めて触れる機会にもなったし、何よりもピアノは本当に美しい楽器だなと思うし、自分の指で音を奏でられるなんて、至高のときでした。

――萌歌さん自身歌も歌われているから、これからの音楽活動にもいい影響が出そうですよね。ライブでピアノの弾き語りをしたり……

実は、ピアノの弾き語りは少しやったことがあるんです。でも、ものすごく緊張したので「もういいかな」って……(笑)。でもせっかくまたピアノに出会わせてもらったので、今でも和音が弾いていた曲は家で弾いたりしています。それぐらい弾き込んだ曲なので、指が覚えているんですよね。

――今でも萌音さんの中には和音がいるんですね。それ以外の役作りの部分で工夫した点はありますか?

今思い返しても、とにかくピアノを弾いている時間が役に直結していたと思います。それ以外のことは何もしてないくらい。和音は小さい時からピアノを弾いてた子だし、その年数に近づくことはできないけど、熱意だけでも追いつきたい、ピアノをもっと好きになりたいと思って、いろんな人の演奏を聞いたりしました。

私が思う、和音が理想としているだろうなというピアノが辻井伸行さんの音だったんです。なので、映画のエンディング・テーマを辻井さんが担当されることを知る前から辻井さんの曲をいっぱい聴いてイメージをふくらませていました。

あとは本当にひたすら練習することで、ピアノをうまく弾けない葛藤や、うまく弾けた時の喜びみたいなものを感じることでちょっとずつ和音に近づいていったような気がします。

――本当にピアノを通して役作りをされたんですね。でも、エンディング・テーマを辻井さんが担当されるというのはすごく嬉しかったんじゃないですか? 

びっくりしました! 知った時はもう鳥肌が立って……。先日、完成披露試写会で辻井さんの生の演奏を聞いたときは「こんなことが人生にあっていいんだろうか」と思うくらい感動しました。本当に辻井さんの音が指標だったので、ご縁みたいなものを常にひしひしと感じながら練習していました。

――萌音さんのピアノの演奏も聴きどころですね。最後に、作品の見どころを教えてください。

調律師という、普段はあまりスポットの当たらないお仕事に焦点を当てているので、こんなに緻密で深い世界なんだっていうのをひとりでも多くの人に知ってもらいたいなと思います。

また、今回のお話は若者の成長物語でもあると思うんです。主人公の外村もそうですし、佐倉姉妹もすごく葛藤しながら成長していく。それを温かく包む周りの大人たちの寛容さの話でもあると思うし……とにかく優しい風がずっと吹いている作品だなと思います。しかもその背景は本当に美しい景色で、音も本当にきれいな音が流れていて……まるで匂いまでしてくるような作品なので、ぜひ映画館という密な空間で、音質のいいスピーカーで、五感を使って体感してほしいなと思います。

* * * * * * *

最後に、今の大学生に一言メッセージをお願いすると、「さっき話したことでもいいですか?」と言って「旅をすべし!」と格言っぽく書いてくれた上白石さん。自身もこれからの大学時代に旅をしたいと思っていることもあり、「いろんなところに行って、いろんな経験をしたい(してほしい)」という思いがあるよう。また、「学業でもいっぱい迷って、好きなものを見つけてほしいと思います」と笑顔で話してくれました。

かみしらいし・もね●1998年1月27日生まれ。鹿児島県出身。おもな出演作は、映画『舞妓はレディ』『ちはやふる』シリーズ、『君の名は。』、ドラマ『ホクサイと飯さえあれば』(MBS・TBS系)、日曜劇場『陸王』(TBS系)など。7月からはミュージカル『ナイツ・テイルー騎士物語ー』への出演が控えている。

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『羊と鋼の森』全国東宝系にて公開中!

山崎賢人
鈴木亮平 上白石萌音 上白石萌歌
堀内敬子 仲里依紗 城田 優 森永悠希 佐野勇斗
光石 研 吉行和子 / 三浦友和

原作:宮下奈都『羊と鋼の森』(文春文庫刊)
監督:橋本光二郎 脚本:金子ありさ 音楽:世武裕子
製作:「羊と鋼の森」製作委員会
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文:落合由希
写真:為広麻里

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