アニメーターになるには? 気になる年収や働き方の実態もチェック 2ページ目
アニメーターの気になるお給料と就業形態は?
残念なことに、ずばりアニメーターのお給料はいいとはいえません。それ以前にアニメーターの多くは「給料」ではなく「報酬」として収入を得ている人が大半です。これはどういうことなのか、まずはアニメーターの就業形態から解説します。
アニメーターの就業形態について
制作会社と正社員・契約社員として就職することができれば「会社に雇用された」ことになるため、普通のサラリーマンのように給料をもらうことになります。しかしながら正社員・契約社員として働くアニメーターは実は少数派です。
制作会社(あるいはスタジオ)に所属という立場ですと、これは「業務委託契約」あるいは「フリーランス」と呼ばれる形態になります。アニメーターの場合、こちらのケースが圧倒的に多いのが現実なのです。これはどういうことかと言うと、毎月安定して決まった収入を得ることが難しいことを意味します。
アニメーターの報酬は歩合制
「業務委託契約」「フリーランス」の場合、報酬は歩合制になります。1枚描いて、また1カット描いていくらというものですので、描けば描くほどお金はたくさんもらえますが、そもそも単価があまり良いとは言えません。そして、いくら能力があったとしても人間が単位時間当たりに描ける絵の枚数には限度がありますよね。無理をして頑張ったとしても単価によっては収入の限界が見えてきてしまうのです。
とはいえ、アニメーターの労働環境は少しずつ改善しつつあります。政府と業界団体がタイアップして実態を調査したり、業界内での適性な取引を促すガイドラインを策定したりしています。日本が海外に誇るアニメ産業ですから、働く環境も見直していこう、ということですね。
総務省のホームページ内「アニメーター実態調査2019(抜粋)」によれば、アニメ制作者の状況は次のように変遷しています。
▶︎データ引用:総務省HP「アニメーター実態調査2019(抜粋)一般社団法人日本アニメーター・演出協会」
この資料は作画監督など上位の役職も含まれたデータとなっています。平均年収は以前に比べて少しずつ上がってきていることが分かります。そのほか勤続年数や平均年齢も上がってきているようですね。「働きやすさ」に対してはまだまだ問題が残されているようですので、さらなる改善が期待されています。
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アニメーターになるにはどうすればいいかについて解説しました。日本はクールジャパンと銘打ち、アニメを世界に誇れるコンテンツとしていますが、制作現場に目を向けるとアニメーターのみなさんの厳しい労働環境がそれを下支えしていることが分かりました。
ですが、政府がてこ入れを行い業界全体が環境改善に取り組んできているのも事実。そういった意味では明るい兆しが見えるとも言えるのではないでしょうか。大好きなアニメの将来を支えるのは、アニメに関わる一人一人の情熱です。アニメーターとしてアニメの制作に参加できるというのはやはりワクワクするもの。自分の描いた絵が動き、視聴者に喜んでもらえるアニメーターを目指してみませんか。