スパイスも野菜も!? あの「ハウス食品」の研究開発力がスゴかった!

乳製品アレルギーの男が、ハウス食品が開発したアレルギーの人でも食べられるホワイトシチューと出会ったことがすべての始まり。 衝撃的な出会いから、彼はハウス食品が気になって仕方がないようです。
お昼休憩……

「しっかし、 神ってるなぁ。ハウス食品の『特定原材料7品目不使用』シリーズ」
「俺は シチューミクス党だわ」

マイナビ 学生の窓口 編集部 古澤
食物アレルギーで33年間まったく食べたことがなかった、ホワイトシチューを初めて食べて以来、商品を開発したハウス食品に心をうばわれている。
▼そもそものはじまりはこちら
「シチューを食べたことのない人に、人生初シチューを食べてもらったら涙があふれました」
「何をしたらこれほどおいしいものをつくれるんだよ」

「 『スパイスの世界へようこそ』ねぇ。ハウス食品はいろんなことやってんなぁ」
「 『涙のでないタマネギ』も開発したそうよ。主婦の味方よねぇ」

「 母!また職場に母!っていうか『涙のでないタマネギ』ってマジ?」

古澤の母
70歳。「ありがとう」が口癖。
「さ、 支度しなさい。行くわよ」
「行くって、 どこに?」
「 ハウス食品さんの研究施設に決まってるじゃない」
「ちょちょちょ、 全部食べるまで待って!」
というわけで、千葉にある研究施設に行ってきました

「来てみたものの、中に入れてくれんの? 研究施設ってセキュリティ厳しそうじゃない」

「大丈夫よ。どんなセキュリティだって、
この『とんがりコーン』で突破できるわ」
※『とんがりコーン』もハウス食品のお菓子

「『とんがりコーン』に
そんな力があったとは…!」
※そんな力はありません

「あ、 ついた」
「 コーンにちは!」

「 ようこそ、ハウス食品が誇る研究所へ!」
「おぉ! その手にあるのは 『とんがりコーン』! どうぞこちらへ!」

新田貴大さん
2015年、ハウス食品の開発力の高さに惹かれて入社。アグリ素材開発部。
「 つかみはOKだな」
ペッパーが実る、木?
「この研究施設、さっきから カレーの香りがする!」

「えぇ、カレーの研究もここでおこなってますから。この研究施設では 製品開発はもちろん、スパイスなどの基礎研究、容器包装の研究、海外技術支援なんかもやってるんです」
「なんだかすごいわねぇ」
「 施設は大きく3つに分かれています。製品の試作や実験を行うメインの棟、スケールアップテストができる施設、ボイラーなどのユーティリティがある棟です。さぁ、つきましたよ」
「
施設のなかに植物!? なにかキケンなカオリが…ふぇ、ふぇ、ふぇっくしょん!!」
※コショウの木そのものは香り、辛みはしません。実を砕いたりすると香りや辛みがします
「あらやだ、風邪?」

「ここでは、 コショウの木を栽培しているんです」
「コショウの木って はじめて見た……」
「 日本で育てている会社は多くないので、珍しいと思います」

「 この部屋はあたたかいわねぇ」
「 コショウは熱帯性の植物です。温室で育てているんですよ」
「そういえば、ハウス食品のWebサイトで 『スパイスの世界にようこそ』っていうのを見ました」
「ハウス食品はもともと、 漢方薬など薬の原料を扱う問屋として創業したんです」
「へぇ! 知らなかった」

さまざまなスパイスの研究もおこなってる
「創業は1913年。 100年以上にわたりスパイスを研究してきているんです」
「100年もスパイスの研究って、 インド人も驚愕ですね」
「スパイスは『香辛料』と訳されますが、植物の一部をそのまま使用したり、乾燥させたりしたものですから、 辛い物ばかりではなくて、香りのするものが多いんです」
「たしかに、コショウも辛いけど、 香りがいいもんな」
「スパイスには『辛味付け』や『香り付け』の他に、 『色付け』という働きもあるんです」
「お!知ってますよ。 カレーの色付けに使うのはウコン(ターメリック)でしょ?」
「その通りです。日本でも たくあんの色付けにウコンを使ったり、栗きんとんの色付けにクチナシを使ったりしています」
「栗きんとんの色って、スパイスの色なんだ!」
「ハウス食品では、先ほどのスパイスの3つの働きのほかに、スパイスの機能性を明らかにする研究に力を入れています。たとえば、 『スパイスの成分を研究して眠気防止に役立てる』とか、『スパイスと脂肪燃焼効果について研究する』とか。スパイスは種類も豊富ですし、組み合わせることで相乗効果もあるので、ものすごい可能性が秘められているんです!」
「 奥が深いなスパイスって」
「ほかにも 『苦みが強く食べにくいスパイスを食べやすくする研究』や、『さまざまなスパイスやハーブの栽培方法の研究』などにも取り組んでいます。先ほどご覧いただいたコショウの木もそのひとつです」
「…なるほど。最近だと、 どんな研究が進んでいるんですか? 僕にとってもありがたい成果とかあるといいなぁ」
「2000年代に入ってもいろんなことが発明・発見されています。たとえば、カレー粉の主原料の一つ ウコン(ターメリック)には『クルクミン』という健康成分が含まれます。当社の研究は、長年の謎であったこの成分が作られる仕組みを初めて明らかにしました。さらに、『クルクミン』だけではなく『ビサクロン』という成分にも健康作用があることを新たに発見したんです」
「30歳過ぎると、健康面が心配なんでありがたいっす」
「それはよかったです(笑)。こういった研究の中でカレーそのものにも、健康に役立つ、さまざまな可能性があることもわかってきたんです」
「 カレーってスパイスのかたまりですもんね!」
「えぇ、カレーつながりでいえば、ハウス食品は タマネギの研究も長年続けているんですよ」
「…ん? ハウスのタマネギって、ぬぅあーーっ!!」

「 あらヤダ、へんなメガネ芸ね」
「タマネギといえば 『涙のでないタマネギ』!」
イグ・ノーベル賞を受賞した研究とは!?

「涙のでないタマネギ、 『スマイルボール』のことですね」
「そう、それ! ハウス食品さんって、 野菜もつくっているんですね」
「 『スマイルボール』は、当社が20年以上かけて商品化したものなんです」
「 20年以上も!?」
「もともと 発端は、工場での生産トラブルでした。カレーの材料であるタマネギとニンニクを炒める際に、ある条件が揃うと緑色になってしまうことがあったんです。緑色になったものは製品として使えないので、改善するために研究がはじまりました」
「研究で緑色になるかを科学的に明らかにし、 緑変を防止することに成功しました。この研究の過程で、タマネギで涙がでる仕組みのなかに、当時の通説では説明できない要素があることに気づいたんです」
「これまで信じられていたことが違っていたってこと!?」
「 ロマンねぇ」
「タマネギって 切ると、涙がでますよね」
「 そうね」
「切ったり潰したりすると、 特定のアミノ酸と酵素が反応し、催涙性成分が生成されます。それが目に入ると涙がでて、口に入ると辛みを感じるのです」

「これまで、 酵素は『アリイナーゼ』1種類だと考えられていました。ハウス食品は『アリイナーゼ』に加えて『LFS』という酵素を発見し、この2つの酵素が揃うことで催涙性成分が生成されることを世界で初めて見出しました」
「 『世界初』っていうのは、すごいわねぇ」
「 涙がでる仕組みが解明できたので、今度は『涙がでないタマネギ』の研究に取り掛かりました。2つの酵素(アリイナーゼ、LFS)に着目した選抜育種を進めた結果、酵素の働きが極めて弱く、催涙性成分の生成が抑えられた全く新しいタマネギ『スマイルボール』の作出に成功しました」
「研究を続けた 熱意のたまものですね!」
「ちなみに、催涙性成分発生の仕組みを解明した 論文を科学誌『Nature』に発表。のちに、ユニークな研究を表彰する『イグ・ノーベル賞』を、2013年に受賞しました」

イグ・ノーベル賞 受賞の盾とハンマー、冊子はNature誌
「すげー!ニュースで見るやつだ!」
「 『スマイルボール』の実物、見てみませんか?」
「ぜひとも!!」
本当に涙がでないのか!?

普通のタマネギよりも若干縦長な『スマイルボール』
「こちらが 『スマイルボール』です」

「これがドラゴンボー…、 『スマイルボール』!」
「 ちょっと縦長だけど、見た目はふつうだねぇ」
「実際に、切ってみてください。 間近に近づいても大丈夫ですよ」
「では、 お言葉にあまえて……」

「 どうかしら」

「 ……………」

「 ………でない!」

「 涙が、まったくでない!」
「 涙もでない息子に育てた覚えはないよ!」
「 そういうことじゃない!」
「涙がでないだけが特徴ではありません。催涙成分がゼロに近い状態なので、 生で食べたときも辛味がなく、タマネギ本来の甘さを味わえるんですよ」
「生で食べて甘いって、ぶったまげだわ」
「タマネギって、実はもともと糖度の高い野菜なんですが、 辛みのせいで、これまで甘さがわからなかったんです」
「辛味が抑えられたことで、タマネギ本来の甘さが感じられるようになったってことね」
「その通りです。それと、タマネギって生で食べる際、水にさらして辛味を抜きますよね? このとき一緒に栄養素も流れ出てしまうんですが、 『スマイルボール』は水さらしの必要がないので、栄養をまるごと取ることができます」
「そんなメリットも!」
「研究をはじめてから『スマイルボール』ができるまで、1万個以上のタマネギを分析しました。 商品化できたのは、先輩研究者たちの『でき上がったら絶対にお客様に喜んでもらえる』という確信と、それを実現したいという熱意のほかありません」
「涙のでないタマネギ誕生の裏側には、そんなことが」
「 涙を流さなくなることで、全てのお客様が笑顔になる新しいタマネギでありたい。そんな思いを込めて、『スマイルボール』と名づけられました」
「 ナイスネーミングすぎる!」
「研究はまだ終わっていません。もっとおいしく、よりたくさんの人々に届けるために今も継続中です。 実は、私も『スマイルボール』の研究に携わっています」
「そうなんですね。どうりで詳しいわけだ」
「涙がでない、辛くないというだけじゃなくて、お客様によりいっそうの価値を感じていただける、今までにないタマネギをつくることをめざしています。そしてそのタマネギを 世界中の方々に届けていきたいです」
「お若いのに、立派…。自分も見習わないとなぁ」
「ちなみに作物の研究なので、 研究室の中だけでなく、栽培地でのサンプリングなど外に出ることも多いですよ」
「まさに泥にまみれるってやつですね。 脳にも額にも汗をかく研究者に、僕達の生活は支えられてるんだなぁ。……ところで、母はさっきからどこ行ったの?」

「お話ばかりでお腹がすいたでしょう。 キッチンお借りして、カレーつくったわよ!」
「おぉ!!さすが! ハウス食品といえば、カレーだ!」
「 いただきます!!」

「 うまい!」

「 うん、おいしい!」
「喜んでいただけてよかったです」
「新田さん、ありがとうござました!そして、 さらにおいしい『スマイルボール』づくり、頑張ってください!」
「はい!こちらこそありがとうございました!」
ハウス食品の開発力にホレたあなたへ

今回、研究所を案内してくれた新田さん。 入社してまだ2年という若さにも関わらず『スマイルボール』という画期的な商品の研究メンバーの1人として活躍されていました。新田さんに関わらず、若い研究者がたくさん活躍しているハウス食品。「研究開発に興味がある!」「ハウス食品に興味を持った!」という学生のみなさん。マイナビ2018で、ハウス食品さんのことをもっと詳しく知れるので、ぜひぜひのぞいてみてください。
マイナビ 学生の窓口 広告企画/提供:ハウス食品株式会社