バイト・サークルの後輩に嫌われる! 話し方NGフレーズ8選「前にも言ったよね?」「自分で考えて」
バイト先やサークルである程度の経験を積んだら、今度はいろいろなノウハウを後輩に教える立場になりますね。春にやってきた新入生たちの指導係を任されてしまった、という人もいると思います。こんなときは、言い方に気をつけなくてはなりません。ちょっとした一言が、相手のやる気を削いでしまうことも……。そこで今回は、中央話し方教室の代表講師・栗原君枝先生に、教える立場になったときに気をつけたいNGフレーズについて話を聞いてみました。
■基本は「上から物を言わない」こと
「まず、大前提として『上から物を言わない』ということを意識してほしいと思います。『教える』『教えられる』という立場ではありますが、そもそも『教えられる人』がいなければ『教える人』は存在しません。相手が聞いてくれるから、教えられる。これを忘れなければ、これからご紹介するフレーズが口をついて出ることはないはず。私自身も生徒への指導で気をつけていることです」
■「前にも言ったよね?」
「一回聞いて覚える人もいれば、三回聞かないと覚えられない人もいます。そのため『一度言ったのに、なぜできないんだ!』と責めるのは無意味。もしかすると、最初の説明がうまく伝わっていなかったのかもしれません。言い方を変えて、もう一度説明しましょう。また、『きちんとメモを取るように』などのアドバイスをすることも、指導効果を高めます」
■「自分で考えなさい」
「教えられる立場の人も、まったく何も考えていないというわけではありません。その人なりに、考えているはず。そのため、『自分で考えろ』と何度も言われると、かえって自分の考えに自信を持てなくなる可能性も。『考えろ』と突き放すのではなく、『どういった考えを持っているのか』を聞いて、それが間違っていれば正すというやり方が効果的ですね」
■「そもそもアナタは……」
「ミスを指摘するときに、そのミスの話から発展して『そもそも……』と、性格や仕事に対する姿勢を批判することは避けましょう。ミスを指摘したいなら、そのことだけに言及し、よけいな一言は避けるべきです」
■「これは、こうだ!」
「指示を出すことと、指導することは違います。『こうしなさい』と指示を出す場面もあると思いますが、それと『教える』というのは別の話。『教える』ときには、できるだけ『こうした方が良いのでは?』『私ならこうする』と、相手にも考える余地を残しておくことが重要です。『これは、こうだ!』『こうしなさい』というフレーズを多用していると、教えられる側は意見を押し付けられているように感じるでしょう」
■「これでは、ダメだ」
「ミスを指摘するときや、間違った考え方を正したいとき。『それはダメ』『これではダメだ』と言うだけでは、『ダメな理由』がわからないためミスを繰り返す可能性も。『○○だからダメだ』と、しっかり理由まで説明するように心がけましょう」
■「アナタのここがダメ、○○ができていない」
「これは人間関係の基本ですが、相手の悪いところばかり見ていると、良い関係は築けません。これは、後輩・部下の指導でも同じ。『ここがダメ』『あそこがダメ』と悪い部分を指摘したくなる気持ちはわかりますが、まずは良い部分を見つける努力をしましょう。そして、良い部分は積極的にほめる。これが徹底できていれば、一度悪い部分を指摘したくらいで、後輩の気持ちが離れてしまうことはないはずです」
■「ちゃんと聞いていたの?」
「後輩がミスをしたら、『きちんと説明したのに……』と思い、ついこう言ってしまいがち。しかし、こんなときはまず『自分に原因があったかも?』と考えてみてください。自分の説明が不十分だった、言い方が悪くて正しく伝わらなかったという可能性もあります。もしそうなら、まずは自分の非を素直に認め、『言い方がわかりにくかったかな。申し訳ない』と一言謝罪を。それによって、きっと教えられる側も反省しますし、同じミスをしないように努力しようと思えるでしょう」
■「そう言えば、この前も……」
「あるミスについて注意しているときに、『この前も……』、『あのときだって……』といろいろ思い出し、ついまとめて注意したくなることがあります。しかし、一度にいろいろな注意を受けると、注意された内容は心に残らず、ただ『文句を言われた』と感じることも。注意は一度にまとめてしないこと。そのときに、一つのことについてのみ注意するようにしましょう」
つい口をついて出てしまいそうになるフレーズばかりですが、そこはグッと我慢! これから後輩の指導にあたるという人は、ぜひ今回紹介したNGフレーズに注意してみてください。そうして後輩への接し方に気を配っていれば、きっとむこうも応えてくれるはずです。
(OFFICE-SANGA 森川ほしの)